流産や死産を繰り返したときは、産婦人科で不育症の相談ができます。こども家庭庁は、2回以上の流産や死産の既往がある場合を不育症と説明しています。原因が分からないこともあり、本人の努力が足りなかったと決めつけるものではありません。不安や悲しみについても、診療と一緒に相談できます。
相談に持参すると役立つ情報
| 情報 | 伝えたい内容 |
|---|---|
| これまでの妊娠 | 時期・週数、超音波や心拍の確認、流産・死産・出産の経過 |
| 検査や治療 | 紹介状、結果票、手術や投薬、流産組織を調べた結果 |
| 本人と家族の病歴 | 持病、血栓の経験、薬、分かる範囲の家族の病気 |
| 今の体調と希望 | 出血・痛み、心身の負担、次の妊娠や検査への考え |
診断名の回数だけで、相談を先延ばしにしません
国内のこども家庭庁の案内では、妊娠反応が陽性になっても、超音波で子宮内に胎嚢が確認される前に妊娠が終了する生化学的妊娠は、流産回数に含めないとしています。
一方、米国ASRMの2026年資料は、生化学的妊娠の喪失も定義に含めています。資料によって対象が異なるため、過去の結果と経過をそのまま医師へ伝えてください。
不育症の定義に当てはまるか分からない場合や、流産が1回でも経過が気になる場合は相談して構いません。慶應義塾大学病院も、原因がはっきりしない妊娠10週以降の流産や死産などは、1回でも相談を勧めています。「もう一度起きるまで必ず待つ」という意味ではありません。こども家庭庁:不育症のこと
不妊の一般検査一式とは、目的が異なります
検査では、子宮の形、抗リン脂質抗体など、甲状腺を含むホルモンの問題、染色体などを、過去の経過に応じて検討します。検査ごとに、何を調べ、結果が治療をどう変えるかを確認します。AMHや精液検査の数値だけで、繰り返す流産の原因が分かるわけではありません。
流産した組織を調べる検査と、本人やパートナーの染色体を調べる検査も目的が異なります。検査の選択や結果の意味は、必要に応じ遺伝カウンセリングを含め説明を受けてください。全員が同じ項目をすべて受けるという案内ではありません。慶應義塾大学病院:不育症の検査と治療
治療は、見つかった問題と本人の状況に合わせます
治療が必要な甲状腺の病気や糖尿病、抗リン脂質抗体症候群など、対応する問題が見つかった場合は、それに応じた管理や薬を検討します。子宮の形などでは、手術の利益と不利益を相談することもあります。一方、検査で原因が見つからなくても、相談や妊娠後のフォローが不要になるわけではありません。
アスピリンやヘパリンなどは、流産経験がある人全員へ同じように使う薬ではありません。ASRMの2026年資料も、診断に対応する治療と、効果の根拠が不十分な追加治療を分けています。
自分で薬を始めたり、サプリメントへ置き換えたりせず、期待する利益、副作用、次の妊娠時の連絡方法を確認します。ASRM:繰り返す妊娠喪失の評価・治療(2026)
今、妊娠中に出血や痛みがあるときは別に対応します
妊娠中の出血や普段と異なる分泌物・液体の漏れは、産科へ早めに連絡してください。出血に強い腹痛、肩の痛み、ふらつきや失神、多量の出血を伴う場合は、救急受診が必要です。不育症の検査予約や次回健診を待たないでください。症状だけで流産や原因が確定するものではありません。NHS:妊娠中の出血・痛みの受診目安
心の支援と、次の予定も診療の一部です
本人だけでなくパートナーにも、悲しみや不安への支援が必要になることがあります。かかりつけの医師、助産師、看護師や、流産・死産を経験した人への相談窓口に頼れます。検査や治療の負担、費用の内訳・助成の対象、次の妊娠を考える時期も、急いで一人で決めず相談してください。
出典と確認日
2026年10月28日、こども家庭庁、慶應義塾大学病院(2025年9月更新)、ASRMの2026年資料、NHS(2026年3月確認)の関連節を確認しました。海外の定義や診療制度を国内共通指示にはしていません。個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。