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【体験談】東京都の卵子凍結助成金を申請した

2026/4/19

【体験談】東京都の卵子凍結助成金を申請した

「卵子凍結の助成金、本当にもらえるの?」——東京都が実施する卵子凍結への助成金制度は、最大30万円の費用補助を受けられる仕組みとして注目を集めています。しかし、実際に申請してみると「書類の準備が想像以上に大変だった」「審査にどのくらいかかるか分からず不安だった」という声も少なくありません。本記事では、編集部が実際に東京都の卵子凍結助成金を申請した方への取材をもとに、申請の流れ・必要書類・審査期間・つまずきやすいポイントまでを時系列でまとめました。これから申請を考えている方の参考になれば幸いです。

この記事の要点

  • 東京都の卵子凍結助成金は、採卵1回あたり最大20万円+凍結保存に最大10万円の計30万円が上限
  • 申請には指定医療機関での施術と、都が定める書類一式の提出が必要
  • 書類の不備がなければ、提出から約2〜3か月で決定通知が届くケースが多い
  • 取材した方は「事前にクリニックへ助成金対象か確認したのが正解だった」と振り返る
  • 2026年度も制度は継続中だが、予算上限に達し次第終了の可能性があるため早めの確認が重要

東京都の卵子凍結助成金制度とは?——採卵最大20万円+凍結保存最大10万円、合計30万円が上限の費用補助制度で、都内在住の18歳以上39歳以下の女性が対象となっています

東京都は2023年度から、将来の妊娠に備えた卵子凍結を希望する女性に対し、費用の一部を助成する制度を開始しました。対象は申請時点で東京都内に住民登録がある18歳以上39歳以下の女性で、都が指定する登録医療機関で施術を受けることが条件です。

助成額の内訳は以下のとおりです。

助成対象

上限額

卵子凍結に係る費用(採卵準備・採卵)

1回あたり20万円

卵子凍結保存に係る費用(保存料)

年間10万円(初年度のみ)

なお、通院にかかる交通費や、任意で受けた検査の費用は助成対象外となります。詳細な対象費用はシーズンごとに更新される場合があるため、東京都福祉局の公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。

取材した方のプロフィール——35歳・都内IT企業勤務、パートナーはいるが「今すぐの妊娠は難しい」と感じて卵子凍結を決意した方にお話を伺いました

今回編集部が取材したAさん(仮名・35歳)は、都内のIT企業で働く会社員です。パートナーとは将来的に子どもを持ちたいと考えているものの、キャリアの転換期と重なり「今すぐ妊活に取り組むのは現実的ではない」と感じていたそうです。

「もともと卵子凍結に興味はあったのですが、費用が数十万円かかると聞いて躊躇していました。東京都の助成金制度を知ったのは、友人のSNS投稿がきっかけです。最大30万円出ると知り、背中を押されました」とAさんは振り返ります。

申請の流れを時系列で紹介——クリニック選びから書類提出まで、Aさんの場合は初回相談から申請完了まで約3か月を要しました

Aさんが実際にたどったステップを時系列で整理します。

  1. 情報収集(1〜2週目):東京都福祉局のサイトで制度概要と登録医療機関一覧を確認。自宅から通いやすい3院をピックアップ
  2. クリニック初回相談(3週目):選んだクリニックの初診を予約。助成金対象であることを受付で確認し、医師からAMH検査や採卵スケジュールの説明を受ける
  3. 事前検査(4〜5週目):血液検査・超音波検査・感染症検査などを実施。検査結果をもとに排卵誘発のプロトコルが決定
  4. 採卵周期(6〜8週目):自己注射による排卵誘発を約10日間実施し、採卵。Aさんは1回の採卵で8個の卵子を凍結保存
  5. 書類準備・申請(9〜12週目):クリニックから領収書・施術証明書を受領。住民票など必要書類を揃え、東京都に郵送で申請

「クリニック側が助成金の申請に慣れていたので、必要な書類を教えてもらえたのが助かりました。登録医療機関を選ぶメリットのひとつだと思います」とAさんは話しています。

必要書類と準備のコツ——提出書類は5〜6種類あり、特に「施術証明書」はクリニックへの発行依頼が必要なため、採卵後すぐに依頼しておくのがポイントです

東京都への申請に必要な主な書類は以下のとおりです。

  • 助成金交付申請書(東京都福祉局のサイトからダウンロード可能)
  • 医療機関が発行する施術証明書(卵子凍結の実施内容・費用を証明するもの)
  • 領収書の写し(施術費用の支払いを証明するもの)
  • 住民票の写し(申請時点で都内在住であることの確認用。発行から3か月以内)
  • 本人確認書類の写し(運転免許証やマイナンバーカードなど)

Aさんが苦労したのは施術証明書の取得でした。「クリニックによっては発行に2週間ほどかかるケースもあるようです。採卵が終わった時点で早めに依頼しておくと、申請全体がスムーズに進むと感じました」とのことです。

また、住民票は「個人番号(マイナンバー)の記載がないもの」を取得するよう注意が必要です。コンビニ交付を利用する場合は、発行時に記載の有無を選択できます。

審査期間と助成金の受け取り——書類提出から約2〜3か月後に決定通知書が届き、指定口座への振り込みまでさらに数週間かかるのが一般的な流れです

Aさんの場合、書類を郵送してから約2か月半後に「交付決定通知書」が届きました。通知書には助成金額と振り込み予定時期が記載されており、通知から約3週間後に指定口座へ入金されたそうです。

「正直、もう少し早く結果が来ると思っていました。2か月半は長く感じましたが、書類の不備がなかったのでスムーズなほうだと後から知りました」とAさん。書類に不備があった場合は差し戻しとなり、さらに時間がかかる可能性があるため、提出前のダブルチェックが重要です。

なお、申請受付は年度単位で行われており、予算の上限に達した時点で受付が終了する可能性があります。施術を終えたらできるだけ早く申請することをおすすめします。

申請時の注意点と「やっておけばよかったこと」——Aさんが振り返る3つの反省点から、事前に知っておくと助かるポイントをまとめました

Aさんへの取材のなかで、「これから申請する人に伝えたいこと」として挙がった注意点を紹介します。

  • 登録医療機関かどうかを最初に確認する:都の指定を受けていないクリニックで施術した場合、助成金の対象外となります。リストは東京都福祉局のサイトで公開されています
  • 自費診療の総額を事前に把握する:卵子凍結は保険適用外のため、クリニックによって費用に幅があります。Aさんの場合、採卵・凍結・検査費用の合計は約45万円で、助成金30万円を差し引いた実質負担は約15万円でした
  • 確定申告の医療費控除も併用できる可能性がある:助成金を差し引いた自己負担分は、年間の医療費合計が10万円を超えれば医療費控除の対象になる可能性があります。領収書は必ず保管しておきましょう

「一番の反省は、もっと早く制度を調べておけばよかったこと。年度末に駆け込みで申請する人が多いと聞いたので、余裕を持ったスケジュールをおすすめしたいです」とAさんは語りました。

卵子凍結の助成金に関するよくある質問

Q. 東京都以外に住んでいても申請できますか?

東京都の助成金は、申請時点で都内に住民登録がある方が対象です。他の道府県にお住まいの場合は、お住まいの自治体に独自の助成制度がないか確認してみてください。

Q. 2回目の採卵でも助成金を受けられますか?

2026年度時点の制度では、採卵に係る助成は1回のみとされています。ただし制度内容は年度ごとに見直される可能性があるため、最新情報は東京都福祉局のサイトで確認することをおすすめします。

Q. 助成金の申請にはどのくらいの期間がかかりますか?

書類に不備がなければ、提出から決定通知まで約2〜3か月が目安とされています。年度末は申請が集中するため、さらに時間がかかる場合もあるようです。

Q. パートナーがいなくても申請できますか?

申請にパートナーの有無は問われません。未婚・既婚を問わず、対象年齢の都内在住女性であれば申請が可能です。

Q. 卵子凍結後の保管費用は毎年助成されますか?

凍結保存に係る助成は初年度のみ(上限10万円)とされています。2年目以降の保管費用は全額自己負担となるのが一般的です。年間の保管費用はクリニックにより異なりますが、3万〜5万円程度が相場とされています。

Q. 会社の福利厚生と併用できますか?

会社の福利厚生制度と東京都の助成金は、原則として併用が可能です。ただし、福利厚生の内容によっては費用の二重補填を制限する場合もあるため、勤務先の人事部門に確認しておくと安心でしょう。

Q. 申請書類に不備があった場合はどうなりますか?

書類の不備が見つかった場合、東京都から差し戻しの連絡があります。修正・再提出のうえ改めて審査が行われるため、通常より1〜2か月程度余分に時間がかかることがあります。

まとめ

東京都の卵子凍結助成金は、最大30万円の費用補助を受けられる制度として、卵子凍結を検討する方にとって大きな支援となっています。今回取材したAさんのケースでは、情報収集から助成金の受け取りまで約半年かかりましたが、「助成金があったからこそ踏み出せた」と語っていました。

申請をスムーズに進めるためのポイントは、登録医療機関の事前確認、施術証明書の早期依頼、そして書類の不備をなくすことの3点に集約されます。年度ごとに予算上限が設けられているため、検討中の方は早めに情報を集め、計画的に動くことをおすすめします。

なお、本記事の内容は2026年4月時点の情報に基づいています。制度の詳細や最新の申請要件については、東京都福祉局の公式サイトをご確認ください。

この記事は、編集部が卵子凍結助成金を申請した方への取材内容をもとに構成しています。個人の体験に基づく情報であり、申請結果や審査期間は個々の状況により異なる場合があります。正確な制度内容は東京都福祉局の公式情報を必ずご確認ください。

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の治療法を推奨するものではありません。症状や治療については、必ず担当医にご相談ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/4/27