EggLink

PPOS法での卵子凍結|新しい刺激プロトコル

2026/4/19

PPOS法での卵子凍結|新しい刺激プロトコル

PPOS法(Progestin-Primed Ovarian Stimulation:プロゲスチン添加卵巣刺激法)は、排卵抑制にGnRHアンタゴニストや点鼻薬を使わず、内服プロゲスチンを使う新しい刺激プロトコルです。費用面での優位性と使いやすさが注目されています(情報取得日:2026-05-02)。

この記事のポイント

  • PPOS法はアンタゴニスト法の「注射薬による排卵抑制」を「内服プロゲスチン」に置き換えた方法
  • 採卵数・成熟率はアンタゴニスト法と同等との報告が多く、コストが下がる可能性がある
  • 全凍結が前提のため、新鮮移植はできないが凍結融解移植での妊娠率は良好

PPOS法の基本情報

項目

内容

排卵抑制薬

メドロキシプロゲステロン(MPA)等の内服プロゲスチン

刺激薬

FSH/hMG製剤(注射)は通常通り

排卵抑制効果

アンタゴニスト法と同等のLHサージ抑制効果

新鮮移植

不可(プロゲスチンが子宮内膜に影響するため)

凍結融解移植

可能(妊娠率はアンタゴニスト法と同等)

PPOS法の仕組みとメリット

従来の排卵誘発では、自然排卵を防ぐためにGnRHアンタゴニスト(注射薬)を追加する必要がありました。PPOS法では同じ目的を経口プロゲスチンで達成します。これにより、注射薬の本数が減り管理が簡便になる点が特徴です。

PPOS法の主なメリット:

  • アンタゴニスト注射(1本1〜2万円)が不要になり費用が下がる可能性
  • 内服薬のため自己管理が容易
  • 採卵スケジュールの柔軟性が高い(週末採卵の回避等)
  • 採卵数・成熟率はアンタゴニスト法と同等との報告が複数ある

口コミ・評判の傾向

PPOS法を経験した患者さんの声では、「注射の種類が減って管理が楽だった」「費用が少し安くなった」という声が聞かれます。一方で「全凍結になるので移植まで時間がかかる」という点を指摘する声もあります。

  • 「内服薬で排卵抑制できるとは知らなかった。医師から選択肢として提示されて良かった」という声
  • 「全凍結が前提と知らずに期待していた新鮮移植ができなかった」という声もあり、事前の説明が重要
  • 日本よりも中国で広く普及している方法であり、エビデンスが蓄積している

費用の目安

項目

費用の目安(比較)

アンタゴニスト法(GnRHアンタゴニスト注射)

+3〜8万円(採卵費用に加算)

PPOS法(プロゲスチン内服)

+3,000〜5,000円程度

節約できる費用の目安

2〜7万円程度(施設・使用本数による)

ただし全凍結周期になるため、凍結保存費・融解移植費が別途かかります。全体的なコストは最終的に大きく変わらないケースもあります。

受診時のポイント

PPOS法を検討する際は、以下を担当医に確認しましょう。

  • 施設がPPOS法を実施しているか(国内での採用施設は増加中だが全施設ではない)
  • 使用するプロゲスチンの種類と投与スケジュール
  • 全凍結後の移植周期(自然周期か、ホルモン補充周期か)
  • 採卵成績のデータ(成熟率・受精率)を開示してもらえるか

アクセス情報・施設選びのポイント

PPOS法は近年日本でも採用施設が増えていますが、すべての施設で実施しているわけではありません。

  • PPOS法の実施有無を受診前に電話で確認
  • 体外受精・凍結融解移植の実績が豊富な施設を選ぶ
  • 海外(特に中国)での大規模データを参照している施設は信頼性が高い

よくある質問(FAQ)

Q1. PPOS法とアンタゴニスト法、どちらが採卵成績がよいですか?

2020年以降の複数の無作為化比較試験(RCT)では、PPOS法とGnRHアンタゴニスト法の採卵数・成熟率・受精率・凍結融解移植後の妊娠率に有意差はないと報告されています。

Q2. PPOS法はOHSSリスクに影響しますか?

PPOS法自体はOHSSリスクを直接低減するものではありませんが、全凍結が前提のため、採卵後の新鮮移植によるOHSS増悪は防げます。OHSS高リスク患者では採卵トリガーにGnRHアゴニストを使う場合もあります。

Q3. PPOS法で使うプロゲスチンは赤ちゃんへの影響はありませんか?

採卵周期のみで使用し、その後の移植周期では使用しません。複数の研究で、PPOS法後の凍結融解胚移植から生まれた児に、通常法と比較した先天異常・発育への悪影響は報告されていません。

Q4. 卵子凍結にPPOS法は向いていますか?

向いています。卵子凍結では全凍結が前提のため、新鮮移植不可というPPOS法の制約が問題になりません。コスト低減の恩恵を受けつつ、通常法と同等の採卵成績が期待できます。

Q5. ランダムスタート法とPPOS法を組み合わせることはできますか?

できます。PPOS法は黄体期からも刺激開始が可能なため、ランダムスタート法との組み合わせとして採用する施設があります。急いで採卵したい場合の選択肢として担当医に相談してみてください。

まとめ

PPOS法は内服プロゲスチンで排卵を抑制しながら卵巣刺激を行う新しいプロトコルです。アンタゴニスト法と同等の採卵成績を示しながら、注射薬の削減によるコスト低減・管理の簡便さというメリットがあります。全凍結が前提となりますが、卵子凍結や凍結融解移植を前提とする体外受精には特に適しています。

【免責事項】本記事は医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療の代替となるものではありません。治療法の選択は担当医の専門的判断によります。記載の費用・データは2026年5月時点の情報であり、施設・状況により異なります。

E

この記事を書いた人

EggLink編集部

医療・婦人科専門メディア

産婦人科・婦人科に関する正確で信頼性の高い情報をお届けします。医療監修のもと、女性の健康に役立つコンテンツを制作しています。

公開:2026/4/19更新:2026/5/2