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採卵による卵巣捻転のリスク

2026/4/19

採卵による卵巣捻転のリスク

採卵後の卵巣捻転は、卵子凍結・体外受精(IVF)を受けた方が経験しうる深刻な合併症のひとつです。ホルモン刺激で卵巣が腫大した状態では捻転リスクが高まるため、採卵後の生活上の注意が重要です。この記事では2026年5月2日時点の情報をもとに、卵巣捻転のリスクと対処法を解説します。

この記事のポイント

  • 採卵後の卵巣捻転とはどういう状態か
  • 発症頻度・リスク因子・症状
  • 予防策と緊急時の対処法

基本情報

項目

内容

卵巣捻転とは

卵巣が支持靭帯を軸に回転し、血管が閉塞する状態

発症頻度(ART後)

約0.08〜0.2%(ART治療全体に対する割合)

特にリスクが高い時期

採卵後〜移植前(OHSSによる卵巣腫大時)

主な症状

突然の激しい下腹部痛、悪心・嘔吐、発熱

診断方法

経腟超音波検査、ドプラ法(血流評価)

治療法

腹腔鏡手術(捻転整復・卵巣保存)または卵巣摘出術

緊急性

高い(6時間以内の処置が卵巣温存に重要)

採卵後に卵巣捻転が起きやすい理由

通常、卵巣は3〜5cm程度の大きさですが、ホルモン刺激採卵後はOHSSにより10〜20cm以上に腫大することがあります。腫大した卵巣は重量が増し、支持靭帯への負荷が大きくなるため、わずかな動作でも捻転を引き起こすリスクがあります。

  • 高リスク因子:多嚢胞性卵巣(PCOS)、高採卵数(15個以上)、OHSS発症歴、若年(35歳未満)
  • 捻転を誘発しやすい動作:急激な体位変換、激しい運動、性行為、腹圧をかける動作(排便時のいきみ等)
  • OHSSとの関係:採卵後にOHSSが発症すると卵巣腫大がさらに進み捻転リスクが上昇する

症状と緊急度の判断

症状

緊急度

対応

突然の激しい下腹部痛(NRS 8以上)

最緊急

救急車を呼ぶ・担当医に即連絡

下腹部痛+悪心・嘔吐

緊急

速やかに担当クリニックへ連絡

軽度の下腹部違和感・張り

要注意

採卵後は担当医に報告を推奨

発熱+腹痛

緊急(感染の可能性も)

担当医・救急に相談

費用の目安(手術が必要な場合)

費用項目

金額目安

腹腔鏡手術(緊急・保険適用)

自己負担3〜8万円(3割負担目安)

入院費用(3〜5日)

3〜10万円

高額療養費制度適用後

月8〜18万円の上限あり(所得に応じる)

受診時のポイント(予防と対処)

  • 採卵後2週間は安静に:採卵後はOHSSのリスクがある期間であり、激しい運動・急な体位変換を避けてください
  • 担当医への症状報告を遠慮しない:「大げさかな」と思っても、採卵後の突然の腹痛は必ず担当医に連絡してください
  • 緊急連絡先の確認:担当クリニックの夜間・休日緊急連絡先を採卵前に必ず確認しておいてください
  • OHSS予防策の活用:高リスクと判断された場合、GnRHアゴニストトリガーや胚全凍結(fresh移植を回避)などの予防策があります。担当医と事前に相談してください
  • 移植周期との関係:OHSS発症中は移植を延期し、卵巣が回復してから凍結胚移植を行うことで捻転リスクを大幅に低減できます

アクセス情報(緊急時の連絡先確認)

状況

連絡先

採卵後の緊急症状(夜間・休日)

担当クリニックの夜間緊急連絡先(採卵前に確認必須)

症状が激しく担当医に連絡できない場合

119(救急)/ 近隣の産婦人科救急対応病院

相談窓口(救急受診の判断に迷う場合)

#7119(救急安心センター、各都道府県)

よくある質問

  • Q. 採卵後はどのくらいの期間、卵巣捻転に注意が必要ですか?
    A. 採卵後2〜4週間が特にリスクの高い時期です。OHSSが発症した場合は回復するまで注意が必要です。
  • Q. 卵巣捻転になったら卵巣を失いますか?
    A. 発症から6時間以内に腹腔鏡手術で整復できれば卵巣を温存できるケースが多いです。発見が遅れるほど卵巣壊死のリスクが高まります。
  • Q. 採卵後に軽い下腹部痛があります。これは捻転ですか?
    A. 採卵後の軽度の下腹部違和感は採卵処置後の通常の反応として見られることがあります。ただし急激な痛みの増強・悪心・嘔吐が伴う場合は捻転の可能性があるため、速やかに担当医に連絡してください。
  • Q. 卵巣捻転は予防できますか?
    A. 完全な予防は困難ですが、採卵後の安静保持・OHSS予防策の活用・症状出現時の早期受診によってリスクを低減し、重症化を防ぐことができます。
  • Q. 片方の卵巣を摘出した場合、妊娠はできますか?
    A. 残りの卵巣が機能していれば妊娠は可能です。ただし採卵数・卵子数が減る可能性があるため、担当医と今後の治療計画を相談することが重要です。

まとめ

採卵後の卵巣捻転は頻度は低いものの、発見が遅れると卵巣を失うリスクがある深刻な合併症です。採卵後の安静保持、OHSS予防策の活用、担当クリニックの緊急連絡先の事前確認、症状出現時の迅速な対応という4点が重要です。卵子凍結・体外受精を受ける方は、採卵前に担当医からリスクと対処法について十分な説明を受けておくことをお勧めします。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスではありません。具体的な判断は担当医師にご相談ください。記載内容は2026年5月2日時点の情報に基づきます。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2