
採卵後の感染症リスクについて、「どのくらいの確率で起こるのか」「どんな症状に注意すべきか」を知りたい方へ。この記事では、生殖医療専門施設でのデータをもとに、採卵後感染症の実態と具体的な予防策を解説します(情報取得日:2026-05-02)。
この記事のポイント
- 採卵後の感染症発症率は0.1〜0.6%程度で、早期発見・治療により重症化は稀
- 骨盤腹膜炎・卵管周囲炎など具体的なリスクと予防の抗菌薬投与タイミング
- 発熱・腹痛・異常な帯下など受診すべき症状チェックリスト
採卵後感染症の基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
発症頻度 | 0.1〜0.6%(経膣超音波ガイド下採卵) |
主な原因菌 | 大腸菌、クラミジア、嫌気性菌など |
好発時期 | 採卵後2〜7日以内 |
重症化率 | 適切な抗菌薬投与で1%未満 |
予防法 | 予防的抗菌薬投与、術前クラミジア検査 |
採卵後の感染症リスクを理解する
採卵は経膣的に細い針を穿刺して卵胞液ごと卵子を回収する手技です。膣内の常在菌が腹腔内に持ち込まれることで骨盤内感染が起こる可能性があります。発症率はおよそ0.1〜0.6%と低いものの、適切な対処なしに放置すると卵管癒着や骨盤腹膜炎に至るケースもあるため、注意が必要です。
感染リスクが高まる要因として以下が挙げられます。
- 術前クラミジア感染の未治療
- 子宮内膜症による骨盤内癒着
- チョコレート嚢胞(卵巣子宮内膜症性嚢胞)への穿刺
- 免疫機能の低下(糖尿病、免疫抑制剤使用など)
- 多嚢胞性卵巣(PCOS)など多数の卵胞穿刺
主な感染症の種類と症状
採卵後に起こりうる感染症は複数あります。症状の程度によって対処法が異なります。
感染症の種類 | 主な症状 | 対処法 |
|---|---|---|
骨盤内炎症性疾患(PID) | 下腹部痛、発熱(38℃以上)、悪寒 | 入院・抗菌薬点滴 |
卵管周囲炎 | 下腹部の鈍痛、微熱 | 外来・経口抗菌薬 |
卵巣周囲炎 | 卵巣側の圧痛、腫脹感 | 外来・経口抗菌薬 |
骨盤腹膜炎 | 強い腹痛、高熱、腹膜刺激症状 | 入院・手術検討 |
口コミ・評判の傾向
採卵後感染症を経験した患者さんの体験談をみると、「採卵翌日から微熱と下腹部痛が続いた」「クリニックに連絡したらすぐに抗菌薬を処方してもらい、3日ほどで改善した」という比較的軽症で回復したケースが多いです。一方、クラミジアの既往がある方が事前スクリーニングを受けていなかった場合に重症化したという例も報告されています。早期の受診・治療が重要です。
感染症リスクについての患者さんの声の傾向として、次のような声が多くみられます。
- 「採卵後の注意事項を事前に詳しく説明してもらえたクリニックは安心感が高かった」
- 「発熱や痛みが出たとき、24時間対応の連絡窓口があると助かる」
- 「予防的に抗菌薬を処方してくれるクリニックを選んだ」
費用の目安
採卵後感染症の治療費は、重症度によって異なります。
治療の種類 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
外来・経口抗菌薬 | 3,000〜1万円程度 | 保険適用(3割負担) |
入院・抗菌薬点滴(3〜7日) | 5〜15万円程度 | 保険適用(3割負担) |
手術(膿瘍ドレナージなど) | 20〜50万円程度 | 保険適用(3割負担)、高額療養費対象 |
予防的抗菌薬(ドキシサイクリンなど)の処方費用は採卵費用に含まれる施設が多く、追加費用はほとんどかかりません。
受診時のポイント
採卵後に感染症が疑われる場合、以下の点を受診時に医師に伝えましょう。
- 採卵日時と採卵した卵胞数
- 症状の開始日・発熱の程度(体温の経過記録があると有用)
- 下腹部痛の場所と性状(持続痛か、動いたときだけか)
- 異常な帯下(色、量、臭い)の有無
- 内服している薬(特に抗菌薬、サプリメント)
チョコレート嚢胞のある方、過去にクラミジア感染歴がある方は、採卵前に必ずその旨を担当医に伝えておくことが重要です。
アクセス情報・受診の流れ
採卵後の感染症が疑われる場合は、採卵を行ったクリニックへ優先的に連絡してください。多くの生殖医療施設では採卵後の緊急対応窓口を設けています。
- まず採卵施設の緊急連絡先(診療時間外の電話番号)に連絡する
- 施設が遠い場合や夜間は近隣の救急・婦人科外来を受診
- 受診の際は採卵施設のカルテ・診察券・薬の情報を持参する
よくある質問(FAQ)
Q1. 採卵後の発熱は何度から受診すべきですか?
37.5℃以上の発熱が続く場合、または38℃以上の発熱があった場合は、採卵施設に連絡することを推奨します。特に下腹部痛・悪寒を伴う場合は速やかな受診が必要です。
Q2. 予防的抗菌薬は必ず処方されますか?
施設によって対応が異なります。多くの施設ではドキシサイクリンなどの予防的抗菌薬を採卵当日から数日間処方しています。処方がない場合は担当医に確認することをお勧めします。
Q3. チョコレート嚢胞がある場合、採卵は危険ですか?
チョコレート嚢胞への穿刺は感染リスクが通常より高くなります。担当医と十分に相談し、穿刺する場合は抗菌薬の予防的投与をより慎重に行う必要があります。
Q4. 採卵後感染症になったら、次の胚移植はどうなりますか?
感染が完治してから胚移植を行うことが一般的です。治療期間中に採卵した胚は凍結保存し、状態が回復した周期(通常1〜3か月後)に移植します。
Q5. 感染症を予防するために自分でできることはありますか?
採卵後1週間は入浴(シャワーは可)・性交・タンポン使用を控えましょう。また、処方された抗菌薬は飲み忘れなく服用することが重要です。免疫機能を落とさないよう、十分な休養と栄養摂取も有効です。
まとめ
採卵後の感染症は発症率0.1〜0.6%と低頻度ですが、発症した場合は早期治療が重要です。採卵後2〜7日以内の発熱・下腹部痛・異常帯下には注意し、症状が出たらすぐに採卵施設に連絡してください。チョコレート嚢胞や過去のクラミジア感染歴がある方は、事前に担当医に必ず申告しましょう。
凍結保存された胚は感染症が完治してから移植できるため、焦らず治療を優先してください。
【免責事項】本記事は医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療の代替となるものではありません。症状がある場合は必ず医療機関を受診してください。記載の費用・データは2026年5月時点の情報であり、施設・状況により異なります。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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