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胚凍結(凍結保存)とは?方法・費用・融解後の妊娠率を解説【医師監修】

2026/4/12

胚凍結(凍結保存)とは?方法・費用・融解後の妊娠率を解説【医師監修】

胚凍結(凍結保存)とは、体外受精で作った受精卵(胚)を液体窒素(−196℃)で凍結保存する技術です。不妊治療の過程で余剰となった胚や、OHSS予防・子宮内膜の状態改善のために移植を延期する際に使用されます。融解後の妊娠率は新鮮胚移植と同等またはそれ以上と報告されています。

【この記事のポイント】

  • 胚凍結の仕組みと卵子凍結との違い
  • 費用の内訳と保険適用の条件
  • 融解後の妊娠率と保管期間のデータ

胚凍結と卵子凍結の違い

「胚凍結」は受精後の状態(精子と卵子が合わさった受精卵)を凍結するのに対し、「卵子凍結」は未受精の卵子を凍結します。

比較項目

胚凍結

卵子凍結

凍結するもの

受精卵(胚)

未受精卵

パートナーの精子

必要

不要

使用時の手続き

融解→胚移植

融解→受精→胚移植

保険適用

不妊治療の一環で適用あり

社会的適応は適用外

胚凍結のプロセス——採卵から保存まで

胚凍結は体外受精のプロセスの一部として実施されます。

胚凍結の流れ

  • 採卵:排卵誘発後に卵子を採取
  • 受精:精子と体外受精(IVFまたはICSI)
  • 胚培養:受精卵を5〜6日間培養して胚盤胞(Day5〜6)まで育てる
  • 凍結:ガラス化凍結法(vitrification)で−196℃に保存

ガラス化凍結法(vitrification)とは

急速に凍結することで水分が結晶化しない状態(ガラス状態)を保つ技術。従来の緩慢凍結法と比べて融解後の胚の生存率が大幅に向上しており、現在の標準技術です。

融解後の妊娠率——新鮮胚移植との比較

近年の研究では、凍結融解胚移植(FET)の妊娠率は新鮮胚移植と同等またはそれ以上とされています(Cochrane Review 2021)。

年齢別の凍結融解胚移植の生児出生率(日本ARTデータ 2022)

年齢

凍結融解胚移植あたりの生児出生率

30〜34歳

約40〜45%

35〜39歳

約30〜35%

40〜42歳

約15〜25%

胚凍結の費用と保険適用

2022年の不妊治療保険適用拡大で、胚凍結は条件を満たせば保険適用となりました。

保険適用の主な条件

  • 婚姻関係にあること(事実婚を含む)
  • 年齢制限(女性:43歳未満)
  • 回数制限:1子ごとに6回まで(40歳未満は3回目まで制限なし)

保険適用時の自己負担費用の目安

費用項目

保険適用後の自己負担(3割)目安

胚凍結処置

3〜5万円

凍結保管料(年間)

保険適用外のケースも多い

凍結融解胚移植(FET)

3〜8万円程度

胚の保管期間と廃棄

保管期間はクリニックのポリシーや当事者の希望によって異なりますが、一般的には年単位で更新します。

  • 日本産科婦人科学会の指針:当事者の同意がある限り保管継続が認められている
  • 死亡・離婚・連絡不通の場合:クリニックのポリシーに従って廃棄される場合がある
  • 廃棄の希望:書面での意思表示が必要

よくある質問(FAQ)

Q. 胚凍結は卵子凍結と比べてどちらが妊娠しやすいですか?

胚凍結の方が妊娠率が高い傾向があります。卵子凍結は受精のステップが追加されるため、成功率に影響する変数が増えます。パートナーがいる場合は胚凍結が一般的に推奨されます。

Q. 胚凍結した後に離婚した場合、胚はどうなりますか?

日本産科婦人科学会の指針では、夫婦双方の同意なく胚を使用・廃棄することは認められていません。離婚後の胚の扱いはクリニックのポリシーと法的問題が絡む複雑なケースです。

Q. 胚凍結の保管費用に上限はありますか?

保管費用は保険適用外のクリニックが多く、年間3〜8万円程度の費用が継続してかかります。無限に保管できるわけではなく、クリニックの保管上限を確認してください。

Q. 胚盤胞まで育てる前に凍結した場合と比べて違いはありますか?

胚盤胞(Day5〜6)での凍結の方が、初期胚(Day2〜3)での凍結より融解後の妊娠率が高いとされています。現在は胚盤胞凍結が主流です。

Q. 胚凍結は何個まで保存できますか?

採卵数・受精数によりますが、個数に法的な上限はありません。クリニックの設備・方針に従い、必要な分を保存します。

まとめ

胚凍結は不妊治療において標準的な技術であり、融解後の妊娠率は新鮮胚移植と同等以上とされています。2022年の保険適用拡大で費用負担も軽減されました。パートナーがいる方には卵子凍結より胚凍結の方が一般的に効率的です。

次のステップ
胚凍結・卵子凍結の選択について担当医に相談しましょう。Women's Doctorでは不妊治療のご相談を受け付けています。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/12更新:2026/5/4