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卵子凍結の助成金は何歳まで?35歳・39歳の年齢制限と対象条件を整理

2026/5/8

卵子凍結の助成金は何歳まで?35歳・39歳の年齢制限と対象条件を整理

卵子凍結の助成金を調べると、「35歳まで」「39歳まで」と制度によって年齢制限がバラバラで混乱する方が少なくありません。2026年5月に国(こども家庭庁)の助成制度が公表され、対象は18〜35歳。一方で東京都は39歳まで、大阪府は年齢制限なし(AMH条件あり)と、制度ごとに大きく異なります。

「自分の年齢だとどの助成金が使えるのか」「35歳を過ぎたらもう手遅れなのか」——本記事では、年齢を軸に各助成制度の対象条件を整理し、年齢別の最適な選択肢を解説します。

この記事のポイント

  • 国の助成金(こども家庭庁)は18〜35歳・未婚が対象。2026年度モデル事業として開始予定
  • 東京都は18〜39歳、大阪府は年齢制限なし(AMH条件あり)と、制度によって大きく異なる
  • 35歳が「医学的な分水嶺」——卵子の質が急落するタイミングと助成の年齢制限はリンクしている
  • 36歳以上でも使える助成制度は複数存在。自治体の制度と企業福利厚生を要チェック

卵子凍結の助成金における年齢制限——制度別一覧

現在利用可能な(または2026年度に開始予定の)卵子凍結助成制度の年齢制限を一覧で整理します。「年齢だけ見て対象外と諦める」のは早計——制度によって条件が大きく異なるためです。

制度

対象年齢

婚姻条件

助成上限

その他条件

国(こども家庭庁)

18〜35歳

未婚のみ

20万円/回

講習会・追跡調査

東京都

18〜39歳

制限なし

20万円+保管2万円/年

説明会参加

大阪府

制限なし

制限なし

20万円+保管2万円/年

AMH≤1.00

山梨県

18〜39歳

要確認

20万円(県外10万円)

費用の1/2

千葉県柏市

制限なし

要確認

最大30万円

説明動画・1年以内

兵庫県姫路市

要確認

要確認

40万円

市内在住

企業福利厚生

企業による

制限なし

40万〜200万円

在籍要件

なぜ「35歳」が基準になるのか——医学的根拠

国の助成金が35歳を上限にしている理由は、卵子の質が35歳前後で急激に低下するという生殖医学のエビデンスに基づいています。

年齢と卵子の質の関係

  • 〜34歳:卵子の染色体異常率は約30%。凍結卵子の融解後生存率・受精率ともに高い
  • 35〜37歳:染色体異常率が約40〜50%に上昇。凍結の効果はあるが、必要な採卵数が増加
  • 38〜39歳:染色体異常率は約60%に。凍結しても妊娠に至る確率が下がり始める
  • 40歳以上:染色体異常率70%超。凍結しても出産に至る確率は顕著に低下

つまり、「助成金を出すなら、凍結の効果が高い年齢を対象にすべき」という費用対効果の観点が、35歳上限の根拠です。これは「35歳以上では凍結の意味がない」ということではなく、「公的資金の投入効果が最も高い層を優先する」という政策判断と理解するのが適切でしょう。

【年齢別】自分が使える助成制度の見つけ方

年齢別に、利用可能な助成制度と推奨アクションを整理します。

18〜35歳の方

最も選択肢が多い年齢層です。国の制度(2026年度開始予定)に加え、自治体の制度も併せて検討できます。

  • 国の助成金(最大20万円)の開始を待つのが基本戦略
  • お住まいの自治体にも制度がある場合、併用の可否を確認(同一費用への二重助成は不可の可能性あり)
  • 勤務先の福利厚生もチェック——企業助成は年齢制限がない場合が多い
  • 35歳に近い方は自治体制度を先行利用し、国の制度は保管費用など別の費目で活用する選択肢も

36〜39歳の方

国の助成金は対象外ですが、自治体の制度は39歳まで対象のものが複数あります。

  • 東京都在住:39歳まで対象。説明会参加が必須なので早めに予約を
  • 山梨県在住:39歳まで対象。費用の1/2、最大20万円
  • 大阪府在住:年齢制限なし(ただしAMH≤1.00の条件あり)
  • 企業の福利厚生は年齢制限がないケースが多く、最も有力な選択肢になりうる

40歳以上の方

多くの助成制度で対象外となりますが、完全にゼロではありません

  • 大阪府:AMH条件を満たせば年齢制限なし
  • 千葉県柏市:年齢制限の明示なし
  • 企業の福利厚生(メルカリ:最大200万円、サイバーエージェント:40万円など)
  • 医学的には、40歳以降の凍結は出産成功率が下がるため、専門医との相談を最優先に。凍結よりも早期の妊活を勧められるケースもあります

「35歳の壁」に焦る前に知っておくべき3つのこと

「35歳を過ぎたからもう遅い」と不安になる方は多いですが、焦りは禁物です。冷静に判断するための3つの視点を共有します。

1. 助成金の年齢制限と医学的限界は別の話

助成金の対象が35歳までだからといって、36歳で卵子凍結の意味がなくなるわけではありません。36〜38歳で凍結しても妊娠・出産に至る症例は多数報告されています。助成金がなくても凍結する価値があるかどうかは、個人の状況と医師の判断で決まるもの。

2. 制度は毎年変わる——来年度の拡大に期待

東京都の助成制度も初年度は手探りで始まり、年々拡充されてきました。国のモデル事業も、利用実績と検証結果次第で対象年齢の引き上げ(39歳までなど)が将来的に検討される可能性は十分あります。

3. AMH検査を受けて「自分の状況」を知ることが最優先

年齢はあくまで目安であり、卵巣予備能には大きな個人差があります。AMH検査(抗ミュラー管ホルモン検査)を受ければ、卵子の残存数の目安を知ることができます。検査費用は5,000〜1万円程度で、大阪府の助成制度ではAMH検査費用自体に1万円の助成があります。

助成金を逃さないための年齢別タイムライン

「いつまでに何をすべきか」を年齢別にまとめます。助成金の申請は事前手続きが必要なため、「思い立った時」ではなく「制度を知った時」に動き始めるのがポイントです。

30〜33歳:情報収集フェーズ

  1. お住まいの自治体の助成制度の有無を確認
  2. 勤務先の福利厚生を人事部門に確認
  3. AMH検査を受けて卵巣予備能を把握
  4. 国の制度(2026年度開始予定)の詳細ガイドラインを待つ

34〜35歳:決断と申請フェーズ

  1. 国の助成金の申請条件を確認(35歳の判定基準に注意)
  2. 自治体の説明会・講習会に参加
  3. 指定医療機関で診察・カウンセリングを受ける
  4. 凍結を実施し、助成金を申請

36〜39歳:自治体制度の活用フェーズ

  1. 東京都・山梨県など39歳対象の制度を確認
  2. 企業福利厚生の活用を検討
  3. 医師と相談し、凍結の適否を判断

よくある質問(FAQ)

Q. 35歳の誕生日が来る前に申請すれば間に合いますか?

国の制度の年齢判定基準(申請時か凍結実施時か)は未公表です。35歳に近い方は制度開始と同時に動けるよう、今から情報収集と準備を進めておくことをおすすめします。

Q. 既婚ですが国の助成金は使えますか?

こども家庭庁の制度は「原則として未婚女性」が対象です。既婚の方は、お住まいの自治体の制度(東京都・大阪府など婚姻制限なしのもの)を確認してください。

Q. 36歳ですが、今から卵子凍結しても意味はありますか?

36歳での卵子凍結は医学的に有効です。凍結しなかった場合と比較すれば、将来の妊娠の選択肢を確保する効果があります。ただし、35歳以前の凍結に比べて必要な卵子数が増える傾向にあるため、費用面も含めて専門医と相談してください。

Q. 助成金なしで卵子凍結すると総額いくらかかりますか?

採卵・凍結で30万〜50万円、年間保管料で3万〜5万円が一般的な相場です。5年保管した場合の総額は45万〜75万円程度。助成金(20万円)を活用すれば自己負担を25万〜55万円に抑えられます。

Q. 複数の助成制度を組み合わせて使えますか?

同一費用への二重助成は原則不可ですが、「凍結費用は国の助成、保管費用は自治体の助成」のように対象経費が異なれば併用可能となるケースがあります。具体的には各制度の窓口に事前確認を。

助成金の年齢制限を超えた場合の選択肢

35歳を超えてこども家庭庁の助成金の対象外になった場合でも、卵子凍結を諦める必要はありません。まず、お住まいの自治体が独自の助成制度を持っていないか確認しましょう。例えば東京都は39歳まで最大20万円の助成があります。自治体によっては国の制度とは異なる年齢上限を設定している場合があります。

助成金が使えない場合でも、医療費控除は年齢制限なく利用できます。凍結費用50万円の場合、確定申告で所得税・住民税合わせて10〜15万円程度が還付されます。また、クレジットカード払いや医療ローンで分割支払いにすることも可能です。

経済的な負担を考えると「助成金がないから凍結しない」は必ずしも合理的な判断ではありません。36〜39歳で凍結しておくことで、40歳以降に体外受精を繰り返すよりも結果的に費用を抑えられる可能性があります。体外受精の1回あたりの費用は30〜80万円で、複数回必要になることを考えると、凍結費用は「将来の不妊治療費を前払いしている」とも捉えられます。

年齢別の卵子凍結成功率——数字で見る「早い方が有利」な理由

卵子凍結の成功率は年齢と密接に関連しています。凍結卵子1個あたりの出産率を年齢別に見ると、25歳で約6〜8%、30歳で約5〜7%、35歳で約4〜6%、38歳で約2〜4%、40歳で約1〜3%です。出産1回を達成するために統計的に必要な凍結卵子の個数は、25〜30歳で12〜15個、35歳で15〜20個、38歳で20〜30個、40歳で30個以上が目安です。

1回の採卵で得られる卵子数にも年齢差があります。25〜30歳では10〜15個、35歳では8〜12個、38歳では5〜10個、40歳では3〜8個が一般的です。つまり、若い方が少ない採卵回数で目標個数に到達でき、身体的・経済的な負担が軽くなります。

これらのデータから、助成金の年齢制限内(35歳以下)で凍結することの医学的・経済的メリットは明白です。しかし、35歳を超えた方にとっても「今日が一番若い日」であることに変わりはありません。年齢を理由に諦めるのではなく、自分のAMH値と経済状況に基づいた判断をすることが重要です。

助成金を最大限活用するためのタイムライン

助成金を確実に活用するためには、計画的なスケジュール管理が必要です。30歳を例にしたタイムラインを紹介します。まず、凍結を検討し始めた時点で自治体の窓口に問い合わせ、助成金の申請条件と手続きを確認します。次に、自治体が指定する説明会に参加します(オンラインの場合もあり、1〜2時間程度)。

説明会参加後、クリニックで初診を受け、AMH検査を含む事前検査を実施します。検査結果が出るまでに約1〜2週間。結果を踏まえて排卵誘発の計画を立て、次の月経周期から治療を開始します。排卵誘発から採卵までは約2週間です。

凍結完了後、助成金の申請書類を準備して提出します。必要書類は領収書、医療機関の証明書、本人確認書類などです。申請から支給までは約1〜2ヶ月かかるのが一般的です。全体の流れとしては、最初の問い合わせから助成金の受給まで3〜4ヶ月程度を見込んでおきましょう。34歳の方は35歳の誕生日までに凍結を完了させる必要があるため、余裕を持ったスケジュールで進めることが重要です。

AMH検査で自分の「卵巣年齢」を知る

卵子凍結を検討する際に最も重要な検査がAMH(抗ミュラー管ホルモン)検査です。AMH値は卵巣に残っている卵子の数(卵巣予備能)を推定する指標で、年齢別の平均値と比較することで自分の「卵巣年齢」を把握できます。検査は簡単な血液検査で、費用は5,000〜8,000円程度、結果は約1週間で出ます。

AMH値の年齢別平均は、25歳で約4.0〜5.0ng/mL、30歳で約3.0〜4.0ng/mL、35歳で約2.0〜3.0ng/mL、40歳で約1.0〜2.0ng/mLです。ただし、個人差が大きく、同年齢でも2〜4倍の開きがあることは珍しくありません。「まだ若いから大丈夫」と思っていても、AMH値が同年齢の平均を大きく下回っている方もいます。

AMH値が低い場合(同年齢の平均の半分以下)は、年齢に関わらず早めの卵子凍結を検討すべきサインです。一方、AMH値が高い場合は時間的な余裕がありますが、だからといって先送りにし続けるのは得策ではありません。卵子の「量」(AMH値)だけでなく「質」(染色体異常率)も年齢とともに低下するためです。AMH検査はあくまでも一つの指標であり、総合的な判断は専門医に相談しましょう。

年齢制限を意識した卵子凍結のスケジュール設計

助成金の年齢制限を踏まえた最適なスケジュールを、年齢別に解説します。現在28〜30歳の方は最も時間的余裕がある年齢帯です。まずAMH検査を受け、結果に応じて1〜3年以内の凍結を計画しましょう。助成金の制度変更にも余裕を持って対応できます。

31〜33歳の方は、35歳の助成金対象年齢を見据えて1年以内の凍結を目標にしましょう。助成金の申請手続きには2〜3ヶ月かかるため、逆算すると「今すぐ」行動を開始するのが合理的です。まずは自治体の窓口に問い合わせ、説明会のスケジュールを確認してください。

34歳の方は最も切迫しています。35歳の誕生日を迎える前に凍結を完了させる必要があるため、即座にクリニックに連絡し、最速のスケジュールで進めましょう。排卵誘発から採卵までは約2〜3週間、申請手続きも含めると最低でも2ヶ月は見込む必要があります。誕生日が近い方は、月単位でなく週単位で行動計画を立ててください。

卵子凍結を決断できない方へ——判断のためのフレームワーク

卵子凍結をするかどうかの判断は、感情的になりがちです。冷静に判断するためのフレームワークを紹介します。まず「凍結した場合」と「凍結しなかった場合」の両方のシナリオを具体的に想像してみましょう。

凍結した場合のベストシナリオは、自然妊娠できて凍結卵子を使わずに済むこと。最悪シナリオは、凍結卵子を使っても妊娠できないこと。凍結しなかった場合のベストシナリオは、適切なタイミングで自然妊娠できること。最悪シナリオは、卵子の老化により妊娠が困難になること。

多くの方が見落としがちなのは「後悔の非対称性」です。凍結して使わなかった場合の後悔(費用が無駄になった)よりも、凍結しなくて妊娠できなかった場合の後悔(取り返しがつかない)の方が、一般的にはるかに大きいと報告されています。費用は取り戻せますが、若い卵子は取り戻せません。この「後悔の非対称性」を理解することが、冷静な判断の助けになります。迷っている方は、まずAMH検査(5,000〜8,000円)だけでも受けてみることをおすすめします。検査結果が判断の重要な材料になります。

35歳を超えても諦めないための実践ガイド

助成金の主要な年齢制限である35歳を超えた方へ。まず確認すべきは、お住まいの自治体に35歳以上を対象とした独自助成がないかです。東京都は39歳まで、一部の自治体でも年齢制限が緩い制度を設けている場合があります。また、企業の福利厚生で卵子凍結を支援している場合は年齢制限がないことが多いため、人事部に確認しましょう。

36〜39歳で卵子凍結を行う場合、費用は1〜2回の採卵で50〜120万円程度を見込む必要があります。助成金がない分、医療費控除の活用が重要です。100万円の費用の場合、医療費控除で15〜25万円の税負担軽減が見込めます。医療ローンで分割払いにすれば、月々の負担を2〜5万円に抑えることも可能です。

医学的には、36〜39歳でも凍結の価値はあります。この年齢帯の卵子の染色体異常率は40〜55%と高くなりますが、十分な数(20〜30個)を凍結できれば、将来の妊娠成功率を相応に確保できます。「助成金がないから凍結しない」ではなく、「助成金なしでも凍結する価値がある年齢か」を、AMH検査の結果と医師のアドバイスに基づいて判断してください。40歳を超えるとさらに条件が厳しくなるため、行動するなら今です。

助成金の年齢制限に関する最新情報の確認方法

助成金の年齢制限は制度改正によって変更される可能性があります。最新情報を確認するには、こども家庭庁の公式サイト、お住まいの自治体の公式サイト、またはクリニックの案内を参照してください。特に年度の切り替わり時期(4月前後)は制度変更が行われやすいため、定期的なチェックをおすすめします。不明点は自治体の担当窓口に直接電話で問い合わせるのが最も確実です。

まとめ——年齢で諦めない。使える制度を使い切る

卵子凍結の助成金は、国の制度(35歳まで)を筆頭に、自治体や企業を含めると年齢を問わず何らかの支援を受けられる可能性があります。大切なのは、自分の年齢と居住地・勤務先に合った制度を正確に把握し、事前手続きを漏らさないこと。

まずはAMH検査で自分の卵巣予備能を知り、専門医と相談した上で、最適なタイミングで助成制度を活用してください。

次のステップへ

「自分の年齢だとどの制度が使えるか」に迷ったら、まずは当クリニックの無料相談をご利用ください。助成制度の最新情報と、お一人おひとりの状況に合わせたアドバイスをお伝えします。

※本記事は2026年5月8日時点の情報に基づいています。各制度の詳細は変更される可能性があるため、申請前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
※本記事は情報提供を目的としており、医療行為の推奨ではありません。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/5/8更新:2026/5/8