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卵子凍結の費用は助成金でいくら安くなる?国+自治体+企業の併用シミュレーション

2026/5/8

卵子凍結の費用は助成金でいくら安くなる?国+自治体+企業の併用シミュレーション

卵子凍結を検討する上で最大のハードルは「費用」。採卵・凍結で30万〜50万円、年間保管料が3万〜5万円——5年保管すると総額50万〜75万円に達します。しかし2026年、国(こども家庭庁)の助成金制度が新設され、既存の自治体助成や企業の福利厚生と組み合わせることで、自己負担を大幅に抑えられる可能性が出てきました。

本記事では、「助成金を最大限活用したら実際いくらになるのか」を4つのケースでシミュレーション。凍結・保管・使用までのトータルコストを見える化します。

この記事のポイント

  • 卵子凍結の総費用は5年保管で約50万〜75万円、10年保管で約80万〜100万円
  • 国の助成金(最大20万円)+自治体の保管助成で、自己負担を40%以上削減できるケースも
  • 企業福利厚生がある場合、自己負担ゼロも理論上は可能
  • 4つのモデルケースで費用シミュレーションを提示

卵子凍結にかかる費用の全体像——「見えにくいコスト」も含めて

卵子凍結の費用は「採卵・凍結費用」だけではありません。事前検査から凍結卵子の使用(融解・体外受精)まで、全工程のコストを把握することが大切です。

費用項目

相場

備考

事前検査

1万〜3万円

AMH検査、感染症検査、超音波検査など

排卵誘発の薬剤費

5万〜10万円

注射の回数・種類で変動

採卵手術

15万〜25万円

麻酔費用含む

凍結処理

5万〜10万円

凍結する卵子の数で変動

年間保管料

3万〜5万円/年

クリニックにより差が大きい

融解・体外受精(使用時)

30万〜50万円

使用しなければ不要

つまり、凍結だけで30万〜50万円。5年保管すると保管料が15万〜25万円加わり、総額45万〜75万円。さらに凍結卵子を使って妊娠を試みる場合は、追加で30万〜50万円かかります。

使える助成金の総額——国+自治体+企業の3層構造

2026年5月現在、卵子凍結の費用を補助する制度は「国」「自治体」「企業」の3層に分かれています。それぞれの助成額と対象を整理します。

第1層:国の助成金(こども家庭庁)

  • 助成額:1回あたり最大20万円
  • 対象:18〜35歳の未婚女性
  • 開始:2026年度中(モデル事業)
  • 対象費目:凍結費用(採卵・凍結処理)

第2層:自治体の助成金

  • 凍結費用:最大20万〜40万円(自治体により異なる)
  • 保管費用:年間2万円(東京都・大阪府など。5年間で最大10万円)
  • 対象:居住地の自治体に制度がある場合のみ

第3層:企業の福利厚生

  • 助成額:40万〜200万円(企業による)
  • 対象:制度を持つ企業に在籍する従業員
  • 年齢・婚姻条件は企業ごとに異なる

【ケース別】費用シミュレーション4パターン

実際に助成金を活用した場合の自己負担を、4つのモデルケースでシミュレーションします。凍結費用40万円、年間保管料4万円と仮定し、5年間保管した場合の総額を計算します。

ケースA:助成金なし(全額自己負担)

凍結費用

40万円

保管料(4万円×5年)

20万円

自己負担合計

60万円

ケースB:国の助成金のみ(32歳・未婚・地方在住)

凍結費用

40万円

国の助成金

▲20万円

保管料(4万円×5年)

20万円

自己負担合計

40万円(33%削減)

ケースC:国+東京都の助成金(30歳・未婚・都内在住)

凍結費用

40万円

国の助成金(凍結費用)

▲20万円

保管料(4万円×5年)

20万円

東京都の保管助成(2万円×5年)

▲10万円

自己負担合計

30万円(50%削減)

※国と東京都の凍結費用助成の併用可否は未確定。併用不可の場合は自己負担40万円。ここでは「凍結費用は国、保管費用は都」で棲み分けた想定。

ケースD:企業福利厚生あり(28歳・IT企業勤務・都内在住)

凍結費用

40万円

企業福利厚生(上限40万円)

▲40万円

保管料(4万円×5年)

20万円

東京都の保管助成(2万円×5年)

▲10万円

自己負担合計

10万円(83%削減)

企業の福利厚生がある場合、自己負担は10万円まで圧縮できる可能性があります。メルカリのように上限200万円の制度があれば、保管料も含めて実質ゼロも視野に入ります。

10年保管した場合の長期コスト比較

30歳で凍結し、40歳まで10年間保管するケースを想定します。保管が長期化するほど、保管料の助成の有無が大きく影響します。

ケース

凍結費用

保管料(10年)

助成合計

自己負担

助成なし

40万円

40万円

0円

80万円

国のみ

40万円

40万円

20万円

60万円

国+都(保管)

40万円

40万円

26万円※

54万円

企業+都(保管)

40万円

40万円

46万円※

34万円

※東京都の保管助成は2028年度まで(最大3年分=6万円)の想定。制度延長の可能性あり。

助成金を「取りこぼさない」ための費用管理チェックリスト

助成金の制度を知っていても、手続きミスで受け取れないケースは少なくありません。確実に助成金を受け取るためのチェックリストです。

凍結前に確認すること

  • ☐ お住まいの自治体に助成制度があるか確認した
  • ☐ 勤務先の福利厚生に卵子凍結支援があるか人事に確認した
  • ☐ 国の助成金(こども家庭庁)の申請開始時期を確認した
  • ☐ 説明会・講習会に「凍結前に」参加した
  • ☐ 利用予定のクリニックが指定医療機関かどうか確認した

凍結後に確認すること

  • ☐ 領収書・診療明細書を保管した(原本必要の場合あり)
  • ☐ 助成金の申請期限を確認した(年度末締切が多い)
  • ☐ 住民票・マイナンバーカードなど必要書類を準備した
  • ☐ 保管料の助成がある場合、毎年の申請が必要か確認した

よくある質問(FAQ)

Q. 助成金は確定申告の医療費控除と併用できますか?

社会的適応の卵子凍結は一般的に医療費控除の対象外とされていますが、見解が分かれるケースもあります。助成金を受けた場合、自己負担分が控除対象になる可能性があるため、税務署または税理士にご確認ください。

Q. 2回目の採卵でも助成金は使えますか?

国・自治体の助成金は原則1人1回の助成です。1回の採卵で十分な数の卵子が得られなかった場合でも、追加採卵に助成金が適用されるかは制度の詳細次第。事前に窓口へ確認することをおすすめします。

Q. クリニックによって費用がかなり違うのはなぜ?

卵子凍結は自由診療のため、クリニックが自由に価格を設定できます。採卵の技術・設備、麻酔の方法、凍結技術(ガラス化法かどうか)、保管環境の質などで価格差が生じます。安さだけで選ぶのではなく、凍結卵子の融解後生存率をクリニック選びの基準にすることをおすすめします。

Q. 途中で保管をやめたら助成金の返還は必要ですか?

凍結費用の助成金は「凍結実施」に対する助成なので、保管中止による返還義務は通常ありません。ただし、国のモデル事業では追跡調査への参加が条件に含まれるため、調査への協力は継続する必要がある可能性があります。

Q. パートナーができて結婚した場合、凍結卵子はどうなりますか?

結婚後も凍結卵子はそのまま保管を続けられます。使用する際は、パートナーの精子と体外受精を行い、受精卵(胚)を移植します。この体外受精は保険適用の対象(年齢・回数制限あり)となる場合があり、凍結時よりも費用負担が軽くなるケースがあります。

まとめ——「いくら戻ってくるか」を知ってから決める

卵子凍結の費用は一見高額ですが、国の助成金(最大20万円)、自治体の助成金(最大40万円+保管費)、企業の福利厚生(最大200万円)を組み合わせることで、自己負担を3割〜8割削減できる可能性があります。

重要なのは「凍結してから助成金を調べる」のではなく、「使える助成金を全て把握してから凍結計画を立てる」こと。本記事のシミュレーションを参考に、ご自身のケースでの自己負担額を試算してみてください。

次のステップへ

当クリニックでは、卵子凍結の費用相談と助成金の活用アドバイスを含む無料カウンセリングを実施しています。「自分の場合はいくらかかるのか」を具体的に知りたい方は、お気軽にご予約ください。

※本記事の費用はあくまで一般的な相場に基づくシミュレーションです。実際の費用はクリニック・地域・個人の状況により異なります。
※助成金の併用可否は制度の詳細ガイドライン公表後に確定します。2026年5月8日時点の情報に基づいています。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/5/8更新:2026/5/8