卵子凍結は「10個なら安心」「35歳なら必ず20個」と一律に決められません。採れた個数、成熟して凍結できた個数、将来融解して使える個数は同じではなく、出産の見通しは採卵時の年齢などによっても変わります。
採卵数と凍結数は、結果票で分けて確認します
採卵後の説明では、最初にどの段階の数を聞いているかを確認しましょう。
| 数の種類 | 何を表すか | 質問の例 |
|---|---|---|
| 採卵数 | 採取できた卵子の数 | 採れた卵子のうち成熟していた数は? |
| 凍結数 | 実際に凍結保存した数 | 保存記録上の個数と容器数は? |
| 融解後の生存数 | 将来、融解後に使える状態だった数 | 凍結した全個数が使えるわけではない? |
| 受精・胚の数 | その後の治療で進んだ段階の数 | どの段階でどれだけ残ったか? |
将来の治療には複数の段階があります。最初の採卵数だけを、子どもを持てる確率に直接置き換えることはできません。HFEA:卵子凍結の患者向け案内
年齢別の個数表は、予測の前提まで読みます
インターネットには「何個保存すれば何%」という表がありますが、研究対象、年齢、成熟卵の数、予測か実際の治療成績かによって意味が違います。ASRMのガイドラインも、年齢別に出産を得るための絶対的な必要個数を示すには証拠が不十分としています。ASRM:卵子凍結の成績に関する指針(2021)
表を相談に持参するなら、「この数字は私と同じ条件ですか」「この施設の実績ですか」「1人の出産を目標にした数字ですか」と聞いてください。他人の成績を、本人の確率として提示された場合は計算の前提も確認します。
「成功率」は分母と到達点をそろえます
融解した卵子の生存率、受精率、胚移植あたりの妊娠率、治療を始めた人あたりの出産率は別の指標です。例えば「生存率が高い」という説明だけでは、その後に出産へ至る割合までは分かりません。
比較用のメモには、①誰を対象にした数字か、②何を分母にしたか、③妊娠か出産か、④いつの実績か、の4点を記入します。これがそろわない施設同士を、数字の大きさだけで順位づけしないようにします。
目標に届かなかったら、追加採卵の負担も比較します
追加するかどうかは、凍結数だけではなく、初回の反応と体調、追加費用、希望する家族のあり方を合わせて判断します。「あと何個」と決める前に、次の採卵で見込める範囲と、予想どおりに採れなかった場合の扱いを聞きましょう。
予算の計画では、追加採卵に薬剤費や麻酔費が再びかかるか、保管容器が増えると毎年の保管料も増えるかを確認します。採卵料金だけで比較すると、継続する費用を見落とします。
少ない個数では意味がないのでしょうか
少ないから無価値とも、多いから保証があるとも言えません。大切なのは、個数を増やすために引き受ける負担が自分にとって納得できるかです。説明を聞いても決めきれない場合は、当日の契約や追加治療を急がず、見積もりと結果票を持ち帰って検討できます。
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この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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