凍結胚移植のスケジュール|ホルモン補充周期と自然周期の違いを解説
2026/4/10

最終更新日:2026年4月10日|医師監修
📋 この記事の目次
凍結胚移植(FET)は、採卵周期に凍結保存した胚盤胞を、別の周期に融解して移植する方法です。現在の体外受精の主流であり、新鮮移植より着床率が高いとされています。移植周期には「ホルモン補充周期」と「自然周期」の2種類があります。
この記事のポイント
- 凍結胚移植の移植周期準備は約3〜4週間
- ホルモン補充周期:薬で内膜を調整、通院3〜4回
- 自然周期:自分の排卵を利用、排卵モニタリングで通院4〜6回
- 移植日は胚盤胞の場合P+5(プロゲステロン投与5日後)が多い
凍結胚移植の全体スケジュール
時期 | ホルモン補充周期 | 自然周期 |
|---|---|---|
月経2〜3日目 | エストロゲン製剤開始(貼付剤・内服・注射) | 受診①:卵胞モニタリング開始 |
月経8〜12日目 | 受診①:子宮内膜厚確認(8mm以上目標) | 受診②〜:連日または2日おきにモニタリング |
内膜完成後 | プロゲステロン投与開始 | LHサージ/hCG注射で排卵誘発 |
P+5(排卵後5日目) | 5日目胚盤胞を移植 | 5日目胚盤胞を移植 |
移植後10〜14日目 | 血中hCGで妊娠判定 | 血中hCGで妊娠判定 |
ホルモン補充周期
メリット
- 移植日を事前に確定できる(スケジュール管理しやすい)
- 排卵がない・不規則な方でも対応可能
- 通院回数が少ない(3〜4回)
デメリット・注意点
- 薬の服用・貼付・注射が必要
- 妊娠が確認されても妊娠初期まで黄体補充を続ける必要がある
- 血栓リスクがわずかに上昇(特にエストロゲン経口投与時)
よく使われる薬剤
薬剤 | 役割 | 投与経路 |
|---|---|---|
エストラーナテープ/プロギノーバ | 子宮内膜増殖 | 貼付/内服 |
ルティナス膣錠/エンドメトリン | 黄体補充 | 膣内投与 |
ウトロゲスタン | 黄体補充 | 膣内/内服 |
プロゲストン注射 | 黄体補充 | 筋肉注射 |
自然周期
メリット
- 薬の量が少なく体への負担が少ない
- 自然な子宮内環境で移植できる
デメリット・注意点
- 排卵のモニタリングが必要で通院回数が多い
- 排卵日の特定が難しく移植日がずれることがある
- 無排卵・排卵不規則の方には不向き
移植日・移植数について
日本産科婦人科学会の指針では、原則として移植胚数は1個(多胎妊娠防止のため)です。5日目胚盤胞をP+5に、6日目胚盤胞をP+6に移植するクリニックが多いです。
移植後の黄体補充
移植後も妊娠が確認されるまで(妊娠初期まで)、プロゲステロン製剤の投与を継続します。ホルモン補充周期の場合は妊娠10〜12週まで続けることが多いです。
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よくある質問
Q. ホルモン補充周期と自然周期、どちらが成功率は高いですか?
A. 全体的な成功率はほぼ同等とされています。正常排卵がある場合は自然周期、排卵障害がある場合はホルモン補充周期が適しています。
Q. 移植後に黄体補充薬を飲み忘れたらどうなりますか?
A. 1〜2回の飲み忘れで即座に問題になるわけではありませんが、できるだけ正確に服用することが重要です。忘れた場合はクリニックに相談してください。
Q. 凍結胚移植は採卵後何周期目から可能ですか?
A. 採卵翌月経から移植周期の準備を開始できます。ただし子宮の状態や卵巣の回復を確認してからが原則です。
免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療を行うものではありません。個別の症状については必ず医師にご相談ください。
参考文献
- 日本産科婦人科学会「不妊治療ガイドライン」2024年版
- 日本生殖医学会「生殖医療の必修知識」2023年版
- 厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業」
この記事を書いた人
EggLink編集部
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