慢性子宮内膜炎は、不妊治療や、胚移植を繰り返しても着床に至らない場合の評価で検討されることがある、子宮内膜の炎症です。着床しなかったことや症状だけで診断できるものではありません。検査が必要な理由と、結果が治療方針をどう変えるかを主治医と確認します。
検査や治療を提案されたときの確認事項
| 確認する点 | 医師へ聞きたいこと |
|---|---|
| 検査の目的 | これまでの治療経過から、何を調べるために行うか |
| 診断に使う情報 | 内膜組織、CD138染色、子宮鏡などのどれを使うか |
| 判定基準 | どの基準で炎症と判断し、結果にどんな限界があるか |
| 治療と再評価 | 抗菌薬の目的・副作用、治療後の検査や移植の予定 |
不妊や着床不成功の原因と、必ず一致するわけではありません
米国生殖医学会(ASRM)の2026年委員会意見は、慢性子宮内膜炎と妊娠転帰の関連を扱う一方、研究ごとに検査方法、採取時期、診断基準が異なる点を限界に挙げています。検査で所見があったとしても、今回妊娠しなかった原因が一つに確定するという意味ではありません。
反復する着床不成功自体にも一つに統一された定義はなく、年齢や移植した胚などの状況を含めて評価します。「移植がうまくいかなかった人全員に、この検査や薬が必須」という受け止め方は避け、これまでの経過を含む説明を受けてください。ASRM:反復着床不成功の評価と慢性子宮内膜炎
内膜組織やCD138、子宮鏡にはそれぞれ役割があります
子宮内膜の組織を採って形質細胞を調べたり、CD138という目印を染色で確認したりする方法があります。子宮鏡で内膜を観察する方法も使われます。ただし、診断に必要な細胞数などには合意された一つの基準がありません。
「陽性」「陰性」という結果だけでなく、採取と判定の方法、今回の所見の意味を聞きます。施設や検査法が違う結果を、数値だけでそのまま比較しないでください。検査の痛み・出血などへの不安、妊娠の可能性、服薬は実施前に伝え、当日の注意を確認します。
抗菌薬を使う場合も、個別に処方と方針を確認します
慢性子宮内膜炎に対しては抗菌薬による治療が用いられます。薬の選択や期間、治療後の確認方法は、診断や本人の状況を踏まえて医師が判断します。残っている薬を使う、ほかの人と同じ薬を自己判断で飲むといった対応は避けてください。
処方時はアレルギーや過去の副作用、ほかの薬、妊娠の可能性を伝えます。服用方法と、副作用が疑われたときの連絡先を確認し、不明な点があれば処方した医師や薬剤師に相談してください。
炎症の改善と、出産に至る効果を分けて考えます
ASRMは、反復着床不成功の人で検査や抗菌薬治療を支持する観察研究がある一方、病理の定義が統一されておらず、より良い診断・治療方針を確かめる研究が必要としています。治療後に炎症が改善した人と、炎症が残った人を比べた結果を、薬を飲んだ全員への効果として読まないことが大切です。
炎症の所見が改善したことと、次の移植で妊娠・出産できることは同じではありません。本人にどの程度の利益が期待でき、何がまだ不明なのか、治療の負担も含めて相談します。一律の妊娠率や成功の保証はできません。
再検査や移植の時期、費用も事前に相談します
治療後の再検査が必要か、何をもって治療終了とするか、移植を含む次の予定を確認してください。検査と薬、結果説明や再評価にかかる費用・保険の条件は施設へ聞きます。ほかの原因の評価や治療を含めて、方針を共有することが大切です。
出典と確認日
2026年10月28日、ASRMの2026年委員会意見の定義・評価表・慢性子宮内膜炎の節を確認しました。検査を全員へ勧めるものではなく、個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。