
ERA検査は何回受ける?|再検査が必要なケースと判定の正確性
ERA検査(子宮内膜受容能検査)を受ける回数について「1回だけで大丈夫?」「再検査が必要と言われた」と戸惑う声があります。ERA検査の回数は個人の子宮内環境や薬剤プロトコルによって変わります。この記事では、ERA検査の基本から再検査が必要な具体的なケースまで、エビデンスに基づいて解説します。
この記事のポイント
- ERA検査の目的と「着床の窓(WOI)」の概念
- 通常は1回で結果が出るケースと再検査が必要なケース
- ERA結果に基づく移植スケジュールの変更方法
- 費用・検査の流れ・痛みの程度
ERA検査とは|着床の窓を特定する検査
ERA(Endometrial Receptivity Analysis)検査は、子宮内膜が受精卵を受け入れやすい状態になる時間帯「着床の窓(Window of Implantation: WOI)」を遺伝子レベルで特定する検査です。
通常、ホルモン補充周期で黄体ホルモン(プロゲステロン)投与開始から120時間(5日後)に最も着床しやすい状態になると考えられています。しかし、約25〜30%の女性では、この「着床の窓」がずれていることが研究で示されています(Igenomix社の報告より)。
WOIのタイプ | 割合の目安 | 対応 |
|---|---|---|
受容期(標準タイミング) | 約70〜75% | 通常通りのプロトコルで移植 |
前受容期(WOIがずれている:早い) | 約12〜15% | 黄体ホルモン投与を延長してから移植 |
後受容期(WOIがずれている:遅い) | 約12〜15% | 黄体ホルモン投与を短縮してから移植 |
判定不能(Non-receptive) | 数% | 再検査が必要 |
ERA検査は何回受ける?基本は1回
ERA検査の基本は「1回の検体採取で判定を行う」です。ただし、以下の場合は再検査(2回目)が必要になることがあります。
再検査が必要なケース
- 初回結果が「判定不能(Non-receptive/poor sample)」
検体採取量が不十分、または内膜の状態が評価に適していなかった場合 - WOIが「前受容期」または「後受容期」と判定されたが、調整後の移植でも着床しなかった
ERA調整後の移植が不成功の場合、WOIの再評価が必要なことがあります - プロトコル変更後(例:ホルモン補充から自然周期に変更)
投薬プロトコルが変わると最適なWOIも変わる可能性があるため、再検査が推奨される場合があります - 採卵後に長期間経過した場合
子宮内環境は時間とともに変化することがあるため、前回検査から1〜2年以上経過している場合は再検査を検討します
ERA検査の流れと所要時間
ERA検査は実際の凍結胚移植と同じプロトコルで子宮内膜を準備した「模擬周期」で行われます。
- 月経2〜3日目:ホルモン補充開始(エストロゲン製剤)
- プロゲステロン開始前:内膜厚確認(超音波)→8mm以上を確認
- プロゲステロン投与開始から120時間(5日後):内膜採取(バイオプシー)
- 採取検体を検査機関(Igenomix等)に送付:結果が出るまで2〜4週間
- 結果に基づいて次周期の移植スケジュールを調整
内膜採取(バイオプシー)は月経痛に似た痛みが伴うことが多く、処置自体は5〜15分程度で終わります。
費用の目安と保険適用
ERA検査は現在、原則として保険適用外(自費診療)です。
項目 | 費用の目安 |
|---|---|
ERA検査単独 | 5万〜8万円 |
ERA+EMMA+ALICE(TrioTest) | 10万〜15万円 |
模擬周期のホルモン補充費用 | 1万〜3万円(別途) |
再検査(2回目) | 同上(割引がある場合も) |
施設によって費用は大きく異なります。事前に担当クリニックへの確認が必要です。
ERA検査の有効性に関する現状のエビデンス
ERA検査は「パーソナライズド胚移植」を可能にする技術として注目されていますが、以下の点を理解しておく必要があります。
- WOIがずれていると判定された患者でERAを使用した場合の妊娠率改善を示す研究があります
- 一方で、ERA使用の有無で全体的な妊娠率に有意差がないとする研究(RCT)も存在します
- 現在のコンセンサスとしては「反復着床不全(RIF)の患者に対して有益な可能性がある」という評価です
- 初回体外受精の前にルーティンで受ける必要があるかどうかは、医師・施設によって判断が分かれています
ERA検査は「万能ではないが、反復着床不全の一因を特定できる可能性がある検査」という位置づけです。
よくある質問
Q1. ERA検査を受けると必ず妊娠率が上がりますか?
ERA検査は着床の窓を特定するための検査であり、妊娠を保証するものではありません。WOIがずれていた場合の修正が奏功する可能性はありますが、妊娠率への影響は個人差があります。
Q2. ERA検査後、どのくらい経てば移植できますか?
ERA検査の結果が出るまで2〜4週間、次の周期での移植となるため、検査から移植まで最短で1〜2ヶ月かかります。
Q3. 自然周期でのERA検査は可能ですか?
可能ですが、自然周期では排卵日の特定が難しく、検査タイミングの管理が難しいため、ホルモン補充周期での実施が一般的です。担当医と相談してください。
Q4. ERA結果が「前受容期」でした。どのくらい延長すれば良いですか?
ERA結果には具体的な延長時間の推奨値が記載されます(例:「24時間延長」)。この推奨値に従って次回の移植周期のプロゲステロン投与期間を調整します。
Q5. ERA検査は何歳まで有効ですか?年齢で変わりますか?
年齢とともに子宮内環境が変化する可能性はありますが、ERA検査自体に年齢制限はありません。ただし、加齢に伴う子宮機能の変化が着床に影響する場合、ERA以外の要因が主因の可能性もあります。
まとめ|ERA検査の回数は「状況次第」
ERA検査は基本的に1回で結果が得られますが、再検査が必要なケースもあります。
- 初回は1回の検体採取で判定。WOIが特定されれば次周期で調整移植が可能
- 判定不能・プロトコル変更・長期間の経過などの場合は2回目の検査が必要
- 反復着床不全(2〜3回以上の不成功)がある場合に特に考慮する価値がある検査
ERA検査が必要かどうかは、現在の治療状況に応じて担当医とともに判断することが重要です。
免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の診断や治療を推奨するものではありません。ERA検査の適応・回数については、必ず担当の生殖専門医にご相談ください。費用は目安であり、施設によって異なります。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
産婦人科・婦人科に関する正確で信頼性の高い情報をお届けします。医療監修のもと、女性の健康に役立つコンテンツを制作しています。
Next Action

