
3回流産して、ようやく「不育症」という診断を受けた——多くの方がそこに至るまで長い時間と深い痛みを経験します。「もっと早く検査を受けられていれば」という後悔をしないために、3回流産を経験した方の体験と不育症治療の始め方を詳しく解説します。
【この記事のポイント】
- 不育症は「2回以上の流産・死産・新生児死亡」で定義され、3回では「習慣流産」に該当
- 3回流産後の不育症検査では約50〜60%の方に原因が見つかる
- 原因に応じた治療(ヘパリン・アスピリン・黄体補充等)で生児獲得率が改善する
3回流産・不育症に関する基本情報
不育症(反復妊娠喪失)とは、妊娠はできるものの流産・死産・新生児死亡を繰り返す状態を指します。3回以上の連続した流産は「習慣流産」と定義され、専門的な検査と治療の対象になります。
項目 | 内容 |
|---|---|
不育症の定義 | 2回以上の妊娠喪失(日本産科婦人科学会) |
習慣流産の定義 | 3回以上の連続した自然流産 |
有病率 | 妊娠可能な女性の約1〜5% |
検査で原因判明率 | 約50〜60%(残り40%は原因不明) |
主な原因 | 染色体異常・抗リン脂質抗体症候群・子宮形態異常・凝固異常・甲状腺異常 |
不育症検査・治療の内容
3回流産を経験したら、不育症専門外来で包括的な検査を受けることを強くおすすめします。原因が見つかれば治療で次の妊娠に備えられます。
主な検査項目
- 抗リン脂質抗体検査:ループスアンチコアグラント・抗カルジオリピン抗体等
- 夫婦染色体検査:均衡型転座などの構造異常を確認
- 子宮形態検査:経腟超音波・子宮鏡・MRI
- 甲状腺機能検査:TSH・FT4
- 凝固機能検査:プロテインS・プロテインC・第XII因子等
原因別の主な治療法
- APS(抗リン脂質抗体症候群):低用量アスピリン+ヘパリン皮下注射
- 甲状腺異常:甲状腺ホルモン補充療法
- 黄体機能不全:黄体ホルモン補充(膣座薬・筋注)
- 子宮形態異常:子宮鏡手術(中隔切除等)
- 原因不明:カウンセリング+妊娠管理強化(テンダーラビングケア)
体験談:3回流産して不育症治療を開始した方の声
- 「3回目の流産後にようやく不育症外来を受診。APSが判明し、次の妊娠でヘパリン+アスピリンを使い無事出産できました」(30代・女性)
- 「検査で夫の染色体に均衡型転座が見つかり、着床前診断を選択しました。時間はかかりましたが、今は第一子が手元にいます」(40代・女性)
- 「原因不明と言われ落ち込みましたが、次の妊娠では週1回の外来管理を受けながら出産に至りました」(30代・女性)
検査・治療費の目安
項目 | 費用目安 | 保険適用 |
|---|---|---|
不育症スクリーニング一式 | 3〜8万円 | 一部適用 |
夫婦染色体検査 | 3〜6万円 | 一部適用 |
子宮鏡検査 | 1〜3万円 | 一部適用 |
治療費(月) | 2〜5万円 | 条件により適用 |
不育症治療を始めるための受診ポイント
- 2回流産した時点で検査を:3回待たなくても2回で不育症外来を受診できる
- 流産組織の染色体検査:流産時に胎児の染色体検査を行うと原因究明に役立つ
- 夫婦一緒に受診:夫の染色体検査も必要なため、パートナーと一緒に受診を
- 記録を持参:流産の回数・時期・妊娠週数・処置の有無をまとめておく
専門医療機関へのアクセス
- 日本不育症学会:全国の認定施設・専門医リストを公式サイトで公開
- 大学病院の周産期科・不育症外来:包括的な検査と治療管理が可能
- 不育症相談窓口(厚労省事業):無料電話相談あり(都道府県別)
よくある質問(FAQ)
Q1. 3回流産したら必ず不育症ですか?
必ずしも「疾患」ではなく、偶発的な染色体異常が重なった可能性もあります。ただし専門検査で原因を調べることで、治療可能な要因が見つかることもあるため受診を推奨します。
Q2. 2回の流産でも不育症外来を受診できますか?
はい。日本産科婦人科学会のガイドラインでは2回以上の流産で不育症検査の対象になります。早めの受診を検討してください。
Q3. 原因不明の不育症でも治療できますか?
原因不明の場合でも、妊娠管理の強化(高頻度の受診・心理的サポート)により妊娠継続率が改善することが報告されています。
Q4. 着床前診断は誰でも受けられますか?
習慣流産(3回以上)や夫婦の染色体構造異常がある場合、日本産科婦人科学会の認定施設で着床前診断(PGT-SR・PGT-A)を受けられる場合があります。要件と費用は施設に確認してください。
Q5. 不育症治療中に妊娠した場合はどうすればいいですか?
妊娠判明後すぐに不育症専門医に連絡し、治療(ヘパリン・アスピリン等)を開始するタイミングを確認してください。
まとめ
3回流産した後の不育症検査では、約半数の方に治療可能な原因が見つかります。原因が明確になれば適切な治療で次の妊娠に備えられます。「また同じことになるのでは」という不安を一人で抱えず、専門医とともに前に進んでいきましょう。
【免責事項】本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。症状や治療については必ず医師にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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