
「死産」とは妊娠22週以降に胎児が死亡した状態で出生することを指します(日本の法律では妊娠12週以降と定義する場合もある)。死産は年間約2万件(出生数の約2〜3%)報告されており、多くの家族が経験します。定義・法的手続き・心理的サポートを正しく理解することが向き合いの第一歩です。
この記事のポイント
- 死産の医学的・法的定義と統計
- 死産後に必要な手続き(死産届・火葬等)
- 心理的サポートと次の妊娠に向けた考え方
死産の定義
日本の「死産の届出に関する規程」では、妊娠12週以降の胎児死亡を「死産」として定義しています。一方、世界保健機関(WHO)は妊娠22週以降の胎児死亡を「dead-born」(死産)と定義しています。日本でも医療現場では22週以降の胎児死亡を「死産」として届出・火葬の手続きが必要となります。
週数別の用語整理
妊娠週数 | 法律・届出上の区分 | 手続き |
|---|---|---|
12週未満 | 流産(法的な死産届は不要) | 病院内処理(合同供養等) |
12〜21週 | 死産(法的届出が必要) | 死産届(7日以内)・火葬 |
22週以降 | 死産(医療上も法律上も死産) | 死産届・火葬・戸籍なし |
死産の統計
日本の死産数は年間約2万件(2022年厚生労働省統計)で、出生数の約2〜3%にあたります。自然死産(自然に胎児が死亡)と人工死産(医学的適応による処置)に分類されます。自然死産は年間約1万件程度です。
死産後に必要な手続き
妊娠12週以降の死産後には、7日以内に市区町村の窓口へ「死産届」を提出することが法律で定められています。病院が書類作成を支援してくれる場合が多いため、入院中にソーシャルワーカーまたは担当医師に確認してください。
死産届に必要な書類
- 「死産証書(医師・助産師が作成)」または「死胎検案書」
- 届出人の印鑑・本人確認書類
- 届出先:死産が発生した場所、または届出人の住所地の市区町村
火葬・葬儀
死産届提出後、「火葬許可証」が発行されます。葬儀社への連絡・火葬の手配は家族が行います。病院によっては連携している葬儀社を紹介してもらえます。22週未満の場合は法的な火葬義務はありませんが、病院で合同供養や個別引き取り対応をしている施設が増えています。
死産後の心理的サポートと向き合い方
死産は深刻なグリーフ(悲嘆)を引き起こします。親・パートナー・きょうだいそれぞれが傷つきます。「悲しんでいい」「泣いていい」「ゆっくり回復していい」——これらはすべて正当です。死産後のグリーフは産後うつと同様かそれ以上の深刻さを持つことがあり、専門的なグリーフカウンセリングを受けることを強くお勧めします。
活用できるサポート窓口
- NPO法人「流産・死産を経験した親の会」
- グリーフケア団体「天使のたまご」
- 産婦人科付設のカウンセリング・社会福祉士
- オンラインカウンセリング(公認心理師・グリーフカウンセラー)
次の妊娠を考えるために
死産後の次の妊娠はいつから可能かについて、身体的には3〜6か月後を目安とする場合が多いですが、心理的な準備が最重要です。次の妊娠は高リスク妊娠として管理されることが多く、産科・総合周産期センターでの受診をお勧めします。
よくある質問
Q. 死産届を提出すると戸籍に載りますか?
死産の場合、戸籍には記載されません(出生届は出していないため)。死産証書は保管してください。
Q. 「死産」と「流産」の違いは何ですか?
日本の医療では妊娠22週未満を流産、22週以降を死産と区別します。法律上は12週からが死産届の対象です。どちらも喪失体験として十分なケアが必要です。
Q. 職場への伝え方・忌引きについて
死産後は産後休業(6〜8週)の対象となります(22週以降)。職場には「出産に伴う療養休暇」として伝えることができます。忌引き制度が適用されるかは会社の就業規則によります。
まとめ
死産は妊娠22週以降の胎児死亡(法律上は12週以降)で、年間約2万件発生しています。死産後は7日以内に死産届の提出が必要で、病院のサポートを活用してください。心理的なグリーフは深刻で長期化することがあり、グリーフカウンセリングや支援団体の活用を積極的に検討してください。次の妊娠に向けては担当医師との十分な相談が重要です。
【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、医療的・法律的な詳細については担当医師・行政窓口にご確認ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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