流産後に性行為を再開する目安は、出血や痛みなどの症状が治まり、体調が戻り、本人が望んでいることと、診療時の個別の指示です。「全員が4〜6週間待つ」「次の月経が来れば必ず安全」と日数だけで決まるものではありません。ここでは、主に妊娠初期の流産後について説明します。
出血や痛みがある間は、再開を急がない
NHSは、感染のリスクを考え、流産の症状がなくなるまでは性行為を控えるよう案内しています。出血、腹痛、体調不良が続いているときは、回復の経過を診療先で確認してください。
手術を受けた場合や、感染などの問題がある場合、妊娠が進んでからの流産、治療を続けている場合などは、個別の指示が必要です。出血が止まったという一つの条件だけで判断せず、退院時・再診時の説明を確認します。
「いつからできるか」と「したいか」は別に考える
身体の回復と気持ちの回復には違いがあります。再開したいと思う人も、今は考えたくない人もいます。日数が過ぎたから、相手が望んでいるからという理由で応じる必要はありません。
断るときに、医師の許可がないことなどの医学的な理由を用意する必要もありません。「まだしたくない」「今日は触れられたくない」と、今の希望を伝えて構いません。触れ合いを希望する場合も、その都度、本人が望む範囲を決められます。
不安、痛み、悲しさなどで日常生活が難しい場合は、月数や期間を待たず相談してください。性行為を再開することを、心の回復の達成基準にしないことも大切です。
次の月経の前でも、妊娠する可能性がある
流産後は、次の月経が来る前に排卵が起こることがあります。そのため、月経がまだなくても妊娠する可能性があります。妊娠を望まない、今は間隔を置きたい場合は、再開する前に避妊について考えておきます。
使える避妊法や開始時期は、受けた処置、体調、持病などによって異なります。「ピルは全員次の月経後」「IUDは全員4〜6週後」と一律に決めず、婦人科で確認してください。
性行為の再開と、次の妊娠を目指す時期を分ける
性行為を再開したいことと、すぐに妊娠を希望することは同じではありません。逆に、妊娠を希望していても、性行為の再開を急ぐ必要はありません。
妊娠初期の流産後について、NHSや英国の患者向資料は、症状が治まり心身の準備が整ったときに次の妊娠を考えられると説明しています。ただし、治療や検査の途中にある場合などは個別の確認が必要です。ほかの人と同じ周期数を待つ・急ぐという決め方をしないでください。
診療先では、「経過確認は終わっているか」「今回の治療で待つ必要があるか」「妊娠を希望する前に確認したいことは何か」を聞けます。
再開後の痛みや出血は、無理に続けない
性行為中に痛みや出血が出たときは、無理に続けず、症状を医療機関へ相談します。出血が続く・増える、強い痛み、発熱、においの強い分泌物、体調不良などがあれば、予定の診察日を待たず連絡してください。
多い出血でぐったりする、失神や意識の異常、動けないほどの痛みがある場合は救急対応が必要です。日数が経っているから大丈夫とは判断しないでください。
診察で確認したいことを、短くメモする
- 今ある出血や痛みは、追加の確認が必要か。
- 受けた処置に応じて、控える期間や注意があるか。
- 避妊を希望する場合、方法と開始時期はどうするか。
- 次の妊娠を希望する場合、今回の経過で待つ理由があるか。
- 再開後に症状が出た場合、どこへ連絡するか。
性行為に関する相談は、パートナーと一緒に話しても、一人で話しても構いません。気持ちを伝えることが難しい場合は、そのこと自体を医師や助産師に相談できます。
参考にした情報
- NHS:流産後の回復・性行為・次の妊娠(2026年3月31日改訂)
- University Hospitals Birmingham:妊娠初期の流産後(2026年4月)
- RCOG:Early miscarriage(2026年10月更新)
- UCLH:流産後の症状変化と相談
編集部が2026年10月23日に出典と本文を照合しました。個人の処置後の許可日や、妊娠を始める日を一律に指定する記事ではありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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