流産後にピルが処方された場合は、薬の名前と「何のために使うのか」を確認しましょう。流産した方が全員、子宮内膜の回復や次の妊娠の準備のためにピルを飲む必要がある、というものではありません。すでに処方されている薬は、目的を確認せず自己変更しないことが大切です。
処方の目的と、確認したい内容
| 考えられる相談内容 | 医師・薬剤師に確認すること |
|---|---|
| 今は妊娠を望まず避妊したい | 自分に使える方法、開始日、追加の避妊が必要な期間 |
| 月経の症状や別の病気を治療したい | 対象の病気、薬の成分、症状の確認と継続を見直す予定 |
| 次の不妊治療などの日程を調整している | 調整の目的、開始・終了日、他の薬や検査との関係 |
| 次の妊娠を早く希望している | 今回の診断と回復の確認、薬を使う理由と終了後の方針 |
処方目的は個人によって違います。「月経を起こせば内膜が回復する」「流産後すぐの妊娠は全員準備不足」と、薬の必要性を一般化しないでください。検査や治療が継続中かどうかも含め、診療先に確認します。
月経を待つ前から、避妊や妊娠の希望を相談できます
流産後は、最初の月経より前に排卵し、妊娠する可能性があります。今は妊娠を望まない場合は、月経が来てからではなく、受診時に避妊の希望を伝えます。希望する方法と病歴などに応じて選びます。
WHOの流産・中絶後の避妊の案内は、本人の希望を重視し、方法によっては処置・治療後すぐに開始できるとしています。全員が出血の落ち着く1〜2週間後まで待つという規則ではありません。
一方、国内で実際に処方された製剤の使用条件、今回の診断や治療に応じた指示は医師・薬剤師に確認してください。WHO:流産・中絶後の避妊と本人の希望/Leeds病院:月経前の妊娠と避妊の相談
「ピル」と黄体ホルモン薬を同じものとして扱いません
エストロゲンと黄体ホルモンを含む避妊薬、黄体ホルモンのみの避妊薬、別の目的で使う黄体ホルモン製剤は、成分・適応・飲み方が違います。例えばメドロキシプロゲステロンの内服薬は、避妊薬として十分な効果を期待して使う薬ではありません。「ホルモン薬を飲んでいるから避妊できている」と判断しないでください。
薬袋や包装の名前を見せて、避妊効果を期待できる処方なのか、追加の方法が必要かを確認します。海外の薬の用量や剤形を、そのまま自分の処方へ置き換えるものではありません。NHS:メドロキシプロゲステロン内服薬と避妊
期間と飲み忘れの対応は、薬ごとに確認します
流産後の服用を「月経の整備は1〜3周期」「妊娠準備は3〜6か月」と一律には示せません。処方目的、体調、別の病気、妊娠希望、治療計画を踏まえて、どの時点で継続を見直すかを確認します。
- 薬の名前・成分と、処方の目的。
- 開始日・服用する日・休薬の有無・見直しの診察日。
- 飲み忘れた日時と、その薬で必要な対応。
- 避妊を希望する場合の追加の方法と期間。
- 次の妊娠を希望する時期と、終了後の検査・診察予定。
飲み忘れでは、すべての薬へ「すぐ1錠」「翌日2錠」と共通の指示を当てはめません。手元の説明書と処方元の案内を確認し、分からないときは薬名・忘れた回数・最後に飲んだ時刻を伝えて薬局や診療先に相談してください。
強い症状は、通常の副作用の相談日まで待ちません
エストロゲンを含む避妊薬には血栓症などのリスクがあり、病歴や喫煙、片頭痛、他の薬などの確認が必要です。急な足の痛み・腫れ、突然の息切れや胸痛などがある場合は、服用中の薬を伝えて至急受診してください。
息苦しさや意識の異常など急激に具合が悪い場合は、救急要請を含め直ちに助けを求めます。NHS:配合避妊薬のリスク/NHS:血栓症を疑う症状
吐き気、頭痛、乳房の張り、出血、気分の変化などが気になる場合も、つらさと始まった時期を伝えて相談できます。全員が2〜3か月我慢すれば落ち着くと考える必要はありません。流産後の強い腹痛・発熱・出血などを薬の影響だけと決めつけず、診療先に確認してください。
次の妊娠の再開条件も、今回の経過を踏まえて相談します
NHSは、流産の症状がなくなり、本人が準備できたと感じたときに次の妊娠を目指せると案内しています。ただし、妊娠の場所や流産後の経過が未確認の場合、異所性妊娠・胞状奇胎など別の診断、特定の治療後などでは別の確認が必要です。一般案内だけで待機の指示を取り消すものではありません。
ピルを飲めば次の妊娠の成績が上がる、終了後は必ず1〜2周期待つ、といった一律の説明はしません。薬を使う目的と、今回確認すべきこと、希望する時期を治療先と共有してください。NHS:流産後の回復と次の妊娠
出典と確認日
2026年10月26日にWHO、Leeds病院、NHSの該当節を確認しました。NHSのメドロキシプロゲステロン解説は2023年見直しで次回予定日を過ぎており、新しい改訂としては扱いません。
国内での処方用量や追加避妊の日数を指定せず、処方製剤と個別の診療指示の確認を優先しています。医師による本記事の個別監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。