EggLink

一度流産すると次も流産しやすい?

2026/4/19

一度流産すると次も流産しやすい?

「一度流産すると次も流産しやすい?」という疑問に対し、医学的な答えは「1回の流産後の再流産リスクは一般の流産率(15〜20%)とほぼ変わらない」です。ただし2回・3回と繰り返す場合には再発リスクが上昇し、不育症の評価が必要になります。

この記事のポイント

  • 流産回数別の再発リスクデータ
  • 再発リスクが高まる原因と特定方法
  • 再発リスクを下げるための検査・治療

流産回数別・再発リスクデータ

流産を繰り返すほど再発リスクは上昇しますが、適切な検査・治療で改善できる原因も多くあります。

流産回数

次回流産リスク

推奨アクション

流産なし(一般集団)

約15〜20%

特になし

1回の流産後

約20〜25%

特別な検査は必須ではないが不安なら相談

2回の流産後

約25〜35%

不育症の基本検査を推奨

3回の流産後(習慣流産)

約35〜45%(治療なし)

不育症の精密検査・治療が必要

3回以上+原因治療後

約25〜35%に改善

治療継続・次回妊娠管理

再発リスクが高まる原因

偶発的な染色体異常による流産は「一度起きても次は起きにくい」ものですが、以下のような母体側の原因があると再発リスクが高まります。

再発リスクと関連する原因

  • 抗リン脂質抗体症候群(APS):血栓形成による胎盤血流障害。治療で改善可能
  • 血液凝固異常(プロテインS/C欠乏等):日本人に比較的多い。ヘパリンで管理
  • 子宮形態異常(中隔子宮・粘膜下筋腫):手術で改善可能
  • 甲状腺機能異常:ホルモン補充療法で改善可能
  • 夫婦の染色体異常(均衡型転座):PGT-SRで対応可能
  • 高齢(35歳以上):卵子染色体異常の増加。PGT-Aが有効

再発リスクを特定する検査

2回以上の流産後、以下の検査で再発リスクの原因を特定できます。

  • 不育症血液検査(抗リン脂質抗体・凝固系・甲状腺):保険適用
  • 子宮形態検査(3D超音波・子宮鏡)
  • 夫婦末梢血染色体検査
  • POC検査(流産組織染色体):次回流産時に実施

再発リスクを下げるための治療

原因が特定された場合の治療効果は明確です。APSには低用量アスピリン+ヘパリン療法で出産率が約70〜80%に改善。甲状腺機能低下にはレボチロキシン補充でTSH管理。子宮中隔には子宮鏡手術で改善が期待できます。

よくある質問

Q. 1回流産したら、次も同じ時期(同じ週数)に流産しますか?

必ずしも同じ週数ではありません。1回目が9週で流産した場合、2回目が必ず9週前後とは限りません。ただし原因(子宮形態・血液凝固異常等)によっては特定の時期に流産しやすいパターンがある場合もあります。

Q. 流産後にすぐ次の妊娠を試みると再発リスクが高まりますか?

医学的には流産後1〜3か月で次の妊娠を試みても再発リスクの増加は示されていません。心理的・身体的な回復が整ったタイミングで試みることをお勧めします。

Q. 体外受精で流産した場合も不育症検査が必要ですか?

体外受精後の流産でも同様に不育症検査の対象となります。特にPOC検査を体外受精後の流産でも実施することで、胚の染色体状態を確認できます。

まとめ

1回の流産後の再発リスクは約20〜25%で一般集団と大差ありません。2回以上の流産では不育症の精密検査が推奨され、原因(APS・凝固異常・甲状腺・子宮形態等)が特定できれば治療で再発リスクを大幅に低下させることができます。「繰り返すかもしれない」という不安を持ちながらも、早めに専門外来を受診することをお勧めします。

【免責事項】本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療を目的としたものではありません。必ず担当医師にご相談ください。

E

この記事を書いた人

EggLink編集部

医療・婦人科専門メディア

産婦人科・婦人科に関する正確で信頼性の高い情報をお届けします。医療監修のもと、女性の健康に役立つコンテンツを制作しています。

公開:2026/4/19更新:2026/5/2