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流産の吸引法(MVA)|掻爬術との違いとメリット

2026/4/22

流産の吸引法(MVA)|掻爬術との違いとメリット

流産の吸引法(MVA)とは|掻爬術との違いとメリット

流産の処置として「吸引法(MVA)」という方法を医師から説明された方、または掻爬術との違いを知りたい方へ。MVA(Manual Vacuum Aspiration:手動真空吸引法)は、現在の産婦人科の標準的な処置として世界的に推奨されています。この記事では、MVAの仕組み・掻爬術との違い・メリット・当日の流れ・術後の注意点を詳しく解説します。

この記事のポイント

  • MVA(手動真空吸引法)の仕組みと特徴
  • 掻爬術(キュレット)との違い・比較
  • MVAのメリット・デメリット
  • 処置当日の流れと所要時間
  • 術後の回復と注意点

MVA(手動真空吸引法)とは

MVAとは、子宮頸管から細いカニューレ(管)を挿入し、シリンジ(注射器)で作った陰圧(真空)を利用して子宮内容物を吸引・除去する手術です。全身麻酔を必要としない場合が多く、外来または日帰り手術として行われることが一般的です。

WHO(世界保健機関)は、2012年の「Safe Abortion Technical and Policy Guidance」においてMVAを初期流産の処置として推奨しています。日本でも掻爬術からMVAへの移行が進んでいますが、施設によって取り扱いが異なります。

MVAと掻爬術(キュレット)の違い

従来行われてきた掻爬術は、金属製のキュレット(匙状器具)で子宮内膜を掻き取る方法です。確実性は高いですが、子宮壁への物理的ダメージが大きく、合併症リスクがMVAより高いとされています。

比較項目

MVA(吸引法)

掻爬術(キュレット)

原理

陰圧で吸引

器具で掻き取る

子宮内膜への侵襲

低い

高い

子宮内癒着リスク

低い

相対的に高い

処置時間

約5〜15分

約10〜20分

麻酔

局所〜静脈麻酔

静脈麻酔(全身麻酔)が多い

入院の必要性

日帰り可能な場合が多い

入院を要する場合あり

WHO推奨

推奨

原則非推奨(MVAが困難な場合のみ)

MVAのメリット

MVAが掻爬術より優れているとされる点は以下の通りです。特に将来の妊孕性(妊娠のしやすさ)への影響が少ない点が重視されています。

  • 子宮内膜損傷が少ない:陰圧吸引のため物理的な掻き傷が少なく、子宮内膜が温存されやすい
  • 子宮内癒着(アッシャーマン症候群)のリスクが低い:将来の妊孕性への影響が掻爬術より少ない
  • 子宮穿孔リスクが低い:柔軟なカニューレを使用するため子宮壁を突き破るリスクが低い
  • 日帰り処置が可能な場合が多い:全身麻酔なしで行えるため入院不要な施設も多い
  • 処置時間が短い:約5〜15分程度で終了することが多い
  • 出血量が少ない傾向:確立された報告ではないが、複数の研究でMVAの出血量がより少ないと示されている

MVAのデメリット・注意点

  • 完全除去できない場合がある:吸引が不十分な場合は残留が起き、追加処置が必要になることがある(約1〜5%)
  • 疼痛:局所麻酔の場合は処置中に下腹部痛・圧迫感を感じる
  • 施設によっては対応していない:日本ではMVAより掻爬術を行う施設もある
  • 週数制限:一般的に妊娠12〜14週以降は適応外となる場合が多い

処置当日の流れ

施設によって手順は異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。事前に担当医から詳しい説明を受けてください。

  1. 術前処置:子宮頸管を広げるため、ラミナリア(海藻素材の器具)や薬剤を前日または当日に挿入する場合があります
  2. 麻酔:局所麻酔(子宮頸管周囲ブロック)または静脈麻酔(うとうとした状態)が行われます
  3. 吸引処置:子宮頸管からカニューレを挿入し、シリンジで吸引します(5〜15分程度)
  4. 術後観察:処置後1〜2時間、院内で安静・経過観察を行います
  5. 退院・帰宅:状態が安定すれば当日帰宅可能(施設により異なる)

術後の回復と注意点

処置後の回復には通常1〜2週間かかります。以下の点に注意してください。

  • 出血:処置後数日〜1週間程度、少量〜中等量の出血が続くことが正常です
  • 疼痛:処置後当日〜数日は月経痛程度の下腹部痛があることがあります
  • 性行為禁止:処置後2〜4週間または医師の許可が出るまで禁止
  • 入浴:出血がある間はシャワーのみ(湯船への入浴は出血が落ち着いてから)
  • 次の月経:処置後4〜8週間で再開することが多い

すぐに受診が必要な症状

  • 大量出血(ナプキン1枚/1時間以上)
  • 38℃以上の発熱
  • 悪臭のある帯下
  • 強い下腹部痛・圧痛

よくある質問

Q. MVAは痛いですか?

局所麻酔の場合、処置中に月経痛より強い下腹部痛・圧迫感を感じることがあります。静脈麻酔(意識鎮静)を使用する場合は処置中の痛みはほとんど感じません。担当医に麻酔の選択肢を確認してください。

Q. MVA後に次の妊娠はいつから可能ですか?

少なくとも1回の正常月経後に妊娠を試みることを多くの医師が推奨しています。身体的・精神的回復を確認してから担当医に相談してください。

Q. 日本でMVAを受けられる病院を探すには?

すべての産婦人科でMVAが行われているわけではありません。かかりつけ医または日本産婦人科医会の相談窓口に確認することをお勧めします。

Q. MVAと電動真空吸引(EVA)の違いは?

MVA(手動)はシリンジで手動的に陰圧を作るのに対し、EVA(電動)は機械で吸引します。どちらも安全性・有効性は同等とされており、施設によって使用機器が異なります。

Q. 掻爬術後に子宮内癒着になりやすいと聞きました。本当ですか?

掻爬術後の子宮内癒着(アッシャーマン症候群)の発生率は報告によって異なりますが(2〜40%と幅広い)、MVAと比べて相対的にリスクが高いとされています。特に繰り返し行われた場合にリスクが高まります。

まとめ

MVA(手動真空吸引法)は、流産処置において子宮内膜への侵襲が少なく、将来の妊孕性への影響が小さいとして現在の標準的処置となっています。主なポイントをまとめます:

  • MVAは掻爬術より子宮内癒着リスクが低くWHOが推奨
  • 処置時間は5〜15分程度、日帰り可能な場合が多い
  • 術後2〜4週間は性行為禁止・感染予防に注意
  • 大量出血・発熱・悪臭帯下があれば即受診

処置に関する疑問や不安は遠慮なく担当医に相談してください。

産婦人科への相談・予約
流産の処置について相談したい方は、専門の産婦人科クリニックにご相談ください。

免責事項:本記事は医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を代替するものではありません。症状や治療については必ず担当医にご相談ください。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、最新のガイドラインと異なる場合があります。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/22更新:2026/5/2