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後期流産(12週以降)の原因と予防|中期流産のリスク

2026/4/22

後期流産(12週以降)の原因と予防|中期流産のリスク

後期流産(妊娠12〜22週未満の中期流産)は全流産の約1〜2%と頻度は低いものの、精神的・身体的な負担は初期流産とは比較にならないほど大きくなります。この記事では、後期流産の原因・リスク因子・予防策について、産婦人科医の視点から解説します。

この記事のポイント

  • 後期流産の原因は初期流産とは異なり、母体側・胎盤側の要因が中心
  • 頸管無力症・感染・胎盤異常など主な原因の詳細と検査方法
  • 次の妊娠に向けた具体的な予防策と管理方法

後期流産(中期流産)とは|初期流産との違い

後期流産とは妊娠12週以降〜22週未満に起こる流産を指し、初期流産(12週未満)とは原因・経過・対応が大きく異なります。

項目

初期流産(12週未満)

後期流産(12〜22週未満)

頻度

全妊娠の約10〜15%

全妊娠の約1〜2%

主な原因

胎児の染色体異常(50〜70%)

母体・胎盤側の要因が中心

自覚症状

出血、軽い腹痛

出血、陣痛様の腹痛、破水

処置

待機管理or D&C

入院管理、分娩形式での処置

届出

不要

12週以降は死産届・火葬が必要

12週以降の流産は法律上「死産」として届出が必要であり、火葬許可の手続きも発生します。精神的に大きな負担となるため、医療スタッフやソーシャルワーカーのサポートを遠慮なく求めてください。

後期流産の主な原因

後期流産の原因は初期流産と異なり、染色体異常よりも母体側の構造的・感染性・免疫的な要因が大きな割合を占めます。

1. 頸管無力症

子宮頸管が妊娠中期に陣痛なく自然に開いてしまう状態です。後期流産の原因として最も多いものの一つ。痛みなく子宮口が開くため、気づいた時には進行していることがあります。

  • 全妊娠の約0.5〜1%に発生
  • 円錐切除術・頸管拡張術の既往がリスク因子
  • 予防には頸管縫縮術(シロッカー法・マクドナルド法)が有効

2. 絨毛膜羊膜炎(子宮内感染)

腟内の細菌が上行性に子宮内に感染し、絨毛膜・羊膜に炎症を起こす状態です。

  • 細菌性腟症が基礎にあるケースが多い
  • 症状:発熱、悪臭のある帯下(おりもの)、子宮の圧痛
  • 前期破水を合併することもある

3. 胎盤異常

  • 前置胎盤:胎盤が子宮口を覆う位置にある
  • 常位胎盤早期剝離:正常位置の胎盤が分娩前に剝がれる(緊急事態)
  • 胎盤機能不全:胎児への栄養・酸素供給が不十分になる

4. 子宮形態異常

中隔子宮・双角子宮・単角子宮など、先天的な子宮の形態異常がある場合、子宮腔のスペースが制限され、妊娠中期以降に流産リスクが上昇します。MRI検査で確認できます。

5. 抗リン脂質抗体症候群

自己免疫疾患の一つで、胎盤の血管に微小血栓ができ、胎児への血流が障害されます。

  • 不育症検査で判明するケースが多い
  • 低用量アスピリン+ヘパリン療法で次回妊娠の成功率が大幅に改善

後期流産の兆候と症状

後期流産の兆候として、規則的な腹部の張り(陣痛様)、性器出血、水っぽいおりもの(破水の可能性)、腰への持続的な圧迫感が挙げられます。

すぐに受診すべきサイン

  • 10分間隔以下の規則的なお腹の張り
  • 中等量以上の性器出血
  • 水っぽい液体が大量に出る(前期破水の疑い)
  • 下腹部や骨盤に持続的な圧迫感・重さを感じる
  • 38度以上の発熱

これらの症状が1つでもあれば、すぐにかかりつけ産婦人科に連絡してください。後期流産は進行が速い場合があり、早期受診が母体の安全と次の妊娠への影響を左右します。

後期流産の予防|妊娠前・妊娠中にできること

すべての後期流産を予防できるわけではありませんが、リスク因子が判明している場合は適切な管理によって再発リスクを大幅に下げることが可能です。

妊娠前にできる対策

リスク因子

対策

頸管無力症の既往

次回妊娠時に予防的頸管縫縮術を計画

子宮形態異常

MRI評価、必要に応じて手術(中隔切除など)

抗リン脂質抗体症候群

妊娠前から低用量アスピリン開始を検討

細菌性腟症の既往

妊娠初期のスクリーニングと早期治療

甲状腺機能異常

妊娠前にTSH値を適正範囲にコントロール

妊娠中の管理

  • 頸管長の定期的測定:経腟超音波で妊娠16〜24週に頸管長をモニタリング。25mm未満は短縮として管理強化
  • プロゲステロン腟剤:頸管短縮が認められた場合に早産予防として投与されることがある
  • 感染管理:腟分泌物の培養検査、GBS(B群溶血性連鎖球菌)のスクリーニング
  • 生活管理:禁煙、過度の肉体労働の回避、十分な休養

後期流産後の処置と身体の回復

後期流産は初期流産と異なり、分娩形式で処置が行われるのが一般的です。陣痛誘発剤を使用して子宮収縮を促し、胎児と胎盤を排出する方法が主に用いられます。

入院から退院までの流れ

  1. 入院・全身状態の評価
  2. 陣痛誘発(ゲメプロスト腟錠など)
  3. 分娩・胎盤の排出確認
  4. 子宮収縮の確認・止血管理
  5. 退院(通常2〜3日後)

身体の回復目安

  • 出血:2〜4週間で停止
  • 月経再開:4〜8週間後
  • 子宮の大きさ:6〜8週間で元に戻る
  • 次の妊娠:医師と相談のうえ、最低2〜3回の月経を経てから

死産届と手続き|12週以降の法的対応

妊娠12週以降の流産は法律上「死産」に該当し、7日以内に市区町村役場への届出と火葬が必要です。

  • 死産届:医師の死産証書を添えて7日以内に届出
  • 火葬許可証:市区町村役場で取得
  • 出産育児一時金:妊娠12週以降であれば支給対象(約50万円)
  • 産後休業:妊娠4ヶ月(85日)以降であれば産後8週間の休業が取得可能

手続きに不安がある場合は、病院のソーシャルワーカーに相談してください。代行手続きのサポートを受けられる場合もあります。

心のケアとサポート

後期流産は「赤ちゃんとの別れ」であり、深い悲嘆を経験するのは当然のことです。悲しみの表現には個人差があり、「正しい悲しみ方」はありません。

  • 赤ちゃんの写真や手形・足形を残すことを希望する場合は、医療スタッフに伝える
  • パートナーの悲しみにも配慮する(男性は表現しにくいケースが多い)
  • 周囲の「また次があるよ」という言葉に傷つくのは自然な反応
  • グリーフケア外来や流産・死産経験者のサポートグループの活用

相談窓口

  • よりそいホットライン:0120-279-338(24時間対応)
  • SIDS・流死産家族の会(天使の保護者ルカの会)
  • 各地域の周産期グリーフケア外来

よくある質問(FAQ)

Q. 後期流産は予防できますか?

すべてを予防できるわけではありませんが、頸管無力症には頸管縫縮術、抗リン脂質抗体症候群には低用量アスピリン+ヘパリン療法など、原因に応じた予防策が確立されています。まずは不育症検査で原因を特定することが第一歩です。

Q. 後期流産後、次の妊娠はいつから可能ですか?

身体の回復には個人差がありますが、医師のフォローアップで子宮の回復が確認された後、最低2〜3回の月経を経てからが目安です。心の準備ができているかも含めて、主治医と相談してください。

Q. 後期流産の入院期間はどのくらいですか?

通常2〜4日間です。陣痛誘発から分娩、止血管理を経て退院します。合併症がなければ比較的短期間での退院が可能ですが、精神的なケアも含めて主治医と退院時期を相談してください。

Q. 死産届の手続きは自分でしなければなりませんか?

病院のソーシャルワーカーや事務スタッフがサポートしてくれることが多いため、まずは入院先の相談窓口に問い合わせてください。配偶者や家族が代理で届出することも可能です。

Q. 頸管無力症と診断されたら次の妊娠は危険ですか?

頸管無力症の既往がある場合、次回妊娠で予防的頸管縫縮術を妊娠12〜14週頃に行うことで、出産に至る確率が大幅に改善します。ハイリスク妊娠として周産期センターでの管理が推奨されます。

まとめ

後期流産(12〜22週未満)は、頸管無力症・子宮内感染・胎盤異常・子宮形態異常・抗リン脂質抗体症候群などが主な原因であり、初期流産とは原因も対応も異なります。原因が特定されれば、次の妊娠で予防的な管理が可能なケースも多いため、不育症の専門検査を受けることが重要です。

12週以降の流産は死産届・火葬の手続きが必要であり、精神的な負担も大きくなります。一人で抱え込まず、医療スタッフやサポートグループの力を借りてください。

後期流産を経験された方へ

原因の検索や次の妊娠に向けた相談は、不育症外来や周産期センターで受けられます。かかりつけ医からの紹介状があるとスムーズです。

※本記事は医療情報の提供を目的としたものであり、診断・治療の代替となるものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医師にご相談ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/22更新:2026/5/2