
稽留流産と診断された後、手術(子宮内容除去術)を選択する場合、費用や手術の流れについて正確な情報を把握しておくことが重要です。保険適用の有無、入院の要否、麻酔の種類によって費用は大きく変わります。この記事では、手術の全容と費用について詳しく解説します。
この記事のポイント
- 子宮内容除去術の費用目安:保険3割で1万〜4万円程度
- 手術の流れ・入院期間・麻酔の種類を解説
- 自然排出との違いと選択の判断ポイント
稽留流産の手術(子宮内容除去術)とは
稽留流産とは、胎児・胎芽の発育が停止しているにもかかわらず、母体から自然に排出されない状態です。子宮内容除去術は、子宮内に残った妊娠組織を外科的に取り除く処置で、吸引法(MVA法・電動吸引法)または掻爬(そうは)法が用いられます。
術式 | 特徴 | 適応週数 |
|---|---|---|
MVA法(手動真空吸引法) | 痛みが少なく子宮損傷リスクが低い | 〜12週未満 |
電動吸引法 | 短時間で処置可能 | 〜12週未満 |
掻爬法(D&C) | 従来法。現在は吸引法が主流 | 〜12週未満 |
手術の流れと入院期間
手術は通常、日帰りまたは1泊入院で行われます。全身麻酔(静脈麻酔)が一般的で、処置時間は15〜30分程度です。
手術当日の流れ
- 受付・術前処置(頸管拡張剤の挿入など)
- 点滴・静脈麻酔の投与
- 子宮内容除去術(15〜30分)
- 回復室で2〜3時間安静
- 状態確認後、帰宅または入院
術後の経過
- 術後1〜2週間で出血が落ち着くことが多い
- 術後1か月前後で次の生理が来る場合が多い
- 術後2〜4週間後に経過確認の受診が必要
費用の相場
子宮内容除去術は、妊娠12週未満の稽留流産であれば保険適用となります。3割負担の場合、総額1万〜4万円が目安です(麻酔・入院費含む)。
費用項目 | 目安(3割負担) |
|---|---|
手術費用(技術料) | 5,000〜1万5,000円 |
麻酔費用 | 2,000〜5,000円 |
入院費(日帰り) | 1,000〜3,000円 |
薬剤・処置費 | 1,000〜3,000円 |
合計目安 | 1万〜4万円 |
口コミ・体験談の傾向
手術を経験した方からは「思ったより短時間で終わった」「全身麻酔なので処置中の痛みはなかった」という声が多い一方、「術後の生理様の出血が2週間近く続いた」「心理的なケアが必要だった」という声もあります。手術の前後を通じてパートナーや家族のサポートが重要です。
費用を抑えるための方法
保険適用のほか、以下の制度を活用することで自己負担を軽減できます。
- 高額療養費制度:1か月の医療費が自己負担限度額を超えた場合に適用
- 限度額適用認定証:事前に取得すると窓口負担を限度額内に抑えられる
- 医療費控除:年間10万円を超えた医療費を確定申告で控除
- 民間医療保険:「手術給付金」が支払われる場合がある(要確認)
手術後の心のケア
稽留流産と手術は、身体的な回復とともに精神的な回復も必要です。流産後の悲嘆(グリーフ)は自然な反応であり、感情を抑え込む必要はありません。
- 流産後に悲しみ・怒り・罪悪感を感じることは正常な反応
- 「自分のせいではない」と認識することが回復の第一歩
- クリニックの心理カウンセラーや不妊専門相談センターへの相談を検討する
- パートナーと感情を共有することでお互いの回復を支えられる
- SNSやコミュニティで同じ経験者と繋がることも有効
受診のポイント
稽留流産と診断された場合、手術か自然排出を待つかは医師と相談して決めます。以下の点を確認してから受診先・方針を決定してください。
- 妊娠週数と子宮内の状態(残存組織の量)
- 施設の麻酔体制(全身麻酔か局所麻酔か)
- 日帰り手術に対応しているか
- 術後の心理サポート・相談体制があるか
アクセス・受診方法
稽留流産の手術は産婦人科・レディースクリニックで受けられます。かかりつけ医がいる場合はそこで相談し、対応できない場合は紹介状を受け取って専門施設へ移ることが一般的です。初診当日に手術が行われる場合もあるため、事前に電話で確認することをお勧めします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 手術は必ず必要ですか?
稽留流産の場合、自然排出を待つ「待機療法」や、薬物(ミソプロストールなど)による排出を促す方法もあります。ただし感染リスクや排出が不完全な場合のリスクがあるため、医師と相談の上で方針を決めてください。
Q2. 手術後、次の妊娠はいつから可能ですか?
一般的には術後1〜2回の生理を経てから妊娠を試みることが推奨されますが、身体的・心理的な準備が整った時期に医師と相談して判断します。
Q3. 手術中に痛みはありますか?
全身麻酔(静脈麻酔)での処置がほとんどのため、手術中の痛みは通常ありません。麻酔が切れた後に軽い腹痛や腰痛を感じることがあります。
Q4. 仕事はいつから復帰できますか?
デスクワークであれば翌日〜2日後からの復帰が可能な場合が多いですが、重労働や長時間立ち仕事は1週間程度の安静が推奨されます。
Q5. 手術で将来の妊娠に影響しますか?
適切に行われた子宮内容除去術は、将来の妊娠・出産に影響しないとされています。ただし繰り返しの掻爬術は子宮内膜への影響が懸念されるため、術式の選択が重要です。
Q6. 流産手術後に不育症の検査を受けるタイミングはいつですか?
2回以上流産を繰り返している場合は、術後出血が落ち着いた時期(通常1〜2か月後)に不育症専門外来を受診することが推奨されます。担当医に紹介を依頼してください。
まとめ
稽留流産の手術(子宮内容除去術)は保険適用で1万〜4万円程度が目安です。MVA法など低侵襲の術式が普及し、日帰り手術も一般的になっています。手術前に費用・麻酔・術後ケアについて医師に確認し、納得した上で臨むことが大切です。身体的な回復とともに、精神的なケアも同様に重要です。
【免責事項】本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。個々の症状・治療方針については必ず担当医にご相談ください。
流産後の心理的ケア:グリーフとの向き合い方
稽留流産と診断され手術を受けた後、多くの方が悲しみ・自責感・虚無感を経験します。これは自然なグリーフ(悲嘆)反応であり、回復には個人差があります。
- 感情を無理に抑え込まず、泣きたいときは泣く
- パートナーとの話し合いで感情の温度差を確認し合う
- 「自分のせい」という思いは根拠のないことがほとんど
- 2〜4週間以上、強い抑うつ・不眠が続く場合は専門家に相談
- 都道府県の不妊専門相談センター(無料)を活用する
次の妊娠への焦りは自然ですが、身体的・精神的な準備が整った上で新しいスタートを切ることが、次の妊娠を健やかに経験するための基盤となります。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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