
反復流産について詳しく知りたいと思っていませんか?「2回以上流産を繰り返している」「毎回初期で流産してしまう」という方には、反復流産・不育症という概念と、それに対する検査・治療の選択肢を知ることが重要です。この記事では、反復流産の定義、原因、検査・治療の流れ、費用の目安まで、2026年5月2日時点の情報をもとに解説します。
この記事のポイント
- 反復流産は2回以上の流産を指し、3回以上は「習慣流産(不育症)」と定義される
- 原因の約50〜60%は不明だが、検査可能な原因(抗リン脂質抗体症候群等)が見つかるケースもある
- 適切な検査・治療により、反復流産を経験した方の多くが出産に至ることができる
- 2022年以降、一部の不育症検査・治療に保険が適用されている
反復流産とは — 定義と分類
反復流産(はんぷくりゅうざん)とは、2回以上の自然流産を繰り返す状態を指します。日本産科婦人科学会の定義では「3回以上の自然流産を反復する場合を習慣流産(不育症)」と定義していますが、2回以上の流産で検査を検討する施設も増えています。特に35歳以上・2回以上の流産経験者は早めの専門医相談が推奨されます。
反復流産・不育症の用語整理
用語 | 定義 |
|---|---|
反復流産 | 2回以上の自然流産を繰り返す状態 |
習慣流産 | 3回以上の自然流産を繰り返す状態(旧定義) |
不育症 | 妊娠はするが、2回以上の流産・死産・早期新生児死亡を繰り返し、生児が得られない状態 |
反復流産の原因 — 検査でわかること・わからないこと
反復流産の原因は多岐にわたりますが、検査で明確な原因が見つかるのは全体の約40〜50%と言われています。残りの約50〜60%は「原因不明」のままですが、それでも次の妊娠で出産に至るケースは多くあります。
反復流産の主な原因
原因カテゴリ | 具体的な疾患・状態 | 全体に占める割合(概算) |
|---|---|---|
染色体異常(胎児) | 偶発的な染色体数の異常 | 約50〜60% |
血液凝固異常 | 抗リン脂質抗体症候群、第XII因子欠乏、プロテインS欠乏 等 | 約15〜20% |
子宮形態異常 | 子宮中隔、双角子宮、子宮筋腫 等 | 約10〜15% |
内分泌異常 | 甲状腺疾患(橋本病、バセドウ病)、黄体機能不全、PCOS 等 | 約10〜15% |
夫婦の染色体異常 | 相互転座、ロバートソン転座 等 | 約2〜5% |
免疫異常 | NK細胞活性亢進、Th1/Th2バランス異常 等(研究段階) | 不明 |
原因不明 | 上記に該当しない | 約50〜60% |
※割合は研究によって異なります。
反復流産の検査 — 何を調べるか
反復流産の検査は「原因を特定し、治療可能なものに対処する」という目的で行われます。すべての検査を一度に受ける必要はなく、医師と相談して優先順位をつけて進めることが現実的です。
主な検査項目
- 血液検査:抗リン脂質抗体(ループスアンチコアグラント・抗カルジオリピン抗体等)、凝固因子(第XII因子、プロテインS、プロテインC)、甲状腺機能(TSH、FT3、FT4)
- 子宮形態検査:経腟超音波、子宮卵管造影(HSG)、MRI
- 染色体検査:夫婦の末梢血染色体分析
- 内分泌検査:黄体ホルモン(プロゲステロン)、AMH、インスリン抵抗性
反復流産の治療 — 原因別のアプローチ
反復流産の治療は原因によって大きく異なります。治療可能な原因が見つかった場合、適切な治療で生児を得る確率が有意に向上します。
原因別治療法
原因 | 主な治療法 |
|---|---|
抗リン脂質抗体症候群 | 低用量アスピリン+ヘパリン療法(保険適用) |
甲状腺機能異常 | 甲状腺ホルモン補充療法・抗甲状腺薬 |
子宮中隔 | 子宮鏡下中隔切除術 |
黄体機能不全 | 黄体ホルモン(プロゲステロン)補充 |
夫婦の染色体異常 | 遺伝カウンセリング・PGT-SR(着床前検査) |
原因不明 | 経過観察・次回妊娠時の早期管理・心理的サポート |
PGT-A(着床前染色体検査)の活用
体外受精を行う場合、胚の染色体数を確認するPGT-Aによって染色体正常胚を選択することで、流産率を低下させ妊娠継続率を向上させる効果が報告されています。2024年より保険適用の条件が整備されていますが、すべてのケースに適応があるわけではなく、専門医との十分な相談が必要です。
費用の目安
検査・治療 | 費用目安 |
|---|---|
不育症基本検査一式(血液検査) | 1万〜3万円程度(保険3割または自費) |
子宮形態検査(HSG) | 5,000〜1万5,000円程度(保険3割) |
染色体検査(夫婦) | 3万〜5万円程度(保険外の場合あり) |
ヘパリン療法(1周期) | 数万円程度(保険適用) |
PGT-A(1胚) | 5万〜10万円程度(自費の場合) |
※保険適用状況・施設によって異なります。必ず受診先に確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2回流産しただけで反復流産の検査は受けられますか?
はい。日本では2回の流産でも検査を受けられる施設が多くあります。特に35歳以上・高齢の場合は2回の流産で早めに検査を検討することが推奨されています。
Q2. 反復流産の原因が「不明」と言われました。治療はないですか?
原因不明の反復流産でも、次の妊娠で経過観察・早期管理・心理的サポートを受けながら出産に至るケースは多くあります。また、低用量アスピリンや黄体ホルモン補充を試みる施設もありますが、有効性のエビデンスは施設によって異なります。主治医と十分に相談してください。
Q3. 反復流産の検査はどのタイミングで受ければよいですか?
流産後の出血が止まり、身体が回復した後(一般的に次の月経後)に検査を受けることが多いです。精神的な準備ができていない場合は無理に急がず、心身が安定したタイミングで受診することが大切です。
Q4. 夫も検査が必要ですか?
はい。夫婦の染色体検査は反復流産の検査として重要な項目の一つです。特に精子の形態・運動率が著しく低い場合や、男性側の染色体異常が疑われる場合は、パートナーとともに受診することが推奨されます。
Q5. 反復流産の治療中に自然妊娠してよいですか?
治療の内容によります。例えばヘパリン療法や低用量アスピリン療法は自然妊娠を妨げるものではなく、妊娠判明後すぐに医師に連絡して投薬継続の指示を受けることが重要です。体外受精が前提の検査(PGT-A等)の場合は別途主治医に確認してください。
まとめ
反復流産は2回以上の流産を繰り返す状態で、原因の約40〜50%は検査で特定できます。抗リン脂質抗体症候群や甲状腺疾患など治療可能な原因が見つかれば、適切な治療で生児を得る確率が大きく向上します。一方で原因不明のケースでも次の妊娠で出産に至る方は多く、過度に悲観する必要はありません。反復流産を経験したら、まず不育症専門外来での検査を受け、医師と連携しながら一歩ずつ前進することが大切です。
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。最新情報は公式サイトでご確認ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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