
2022年4月の不妊治療保険適用拡大以降、不育症関連の一部検査・治療にも公的医療保険が適用されるようになりました。抗リン脂質抗体症候群関連検査・血液凝固検査などは2回以上の流産歴があれば保険適用で3割負担で受けられます。2026年時点での最新状況を解説します。
この記事のポイント
- 不育症治療で保険適用になる検査・治療の一覧
- 保険適用の条件と注意点
- 保険外(自費)との組み合わせ方
不育症で保険適用になる主な検査(2026年現在)
不育症関連の保険適用は段階的に拡充されており、以下の検査・治療が保険算定可能です。ただし条件(流産回数・診察科・保険算定の適切性)を満たす必要があります。
保険適用の主な検査一覧
検査項目 | 保険点数(目安) | 3割負担目安 |
|---|---|---|
抗カルジオリピン抗体(IgG/IgM) | 各300〜500点 | 各900〜1,500円 |
抗β2GPI抗体(IgG/IgM) | 各300〜500点 | 各900〜1,500円 |
ループスアンチコアグラント | 200〜400点 | 600〜1,200円 |
プロテインC/S活性 | 各400〜700点 | 各1,200〜2,100円 |
第XII因子活性 | 200〜300点 | 600〜900円 |
甲状腺機能(TSH・FT4) | 各200〜400点 | 各600〜1,200円 |
抗核抗体(ANA) | 約300点 | 約900円 |
保険適用の治療
治療 | 保険区分 | 備考 |
|---|---|---|
バファリン(低用量アスピリン)投与 | 保険処方 | APS診断後 |
ヘパリン皮下注射 | 保険算定 | APS・凝固異常に対して |
甲状腺ホルモン補充(チラーヂンS) | 保険処方 | 甲状腺機能低下症 |
子宮鏡手術(中隔切除等) | 保険手術 | 子宮形態異常 |
保険適用の主な条件
- 流産歴:臨床的流産2回以上が多くの検査の算定要件
- 診察科:産婦人科・産科での受診が必要(内科のみでは算定できない場合あり)
- 算定回数制限:同一の検査を短期間に繰り返すと審査で査定される場合あり
- 診断名:「不育症」または「習慣流産」として記録されていること
保険適用外(自費)の主な検査
- POC検査(流産組織染色体):先進医療または自費
- 子宮内フローラ(EMMA/ALICE)検査:自費
- 着床前遺伝子検査(PGT-A・PGT-SR):体外受精部分は保険・検査は自費が多い
- NK細胞活性・詳細免疫検査:多くが自費
保険適用と自費検査の組み合わせ方
まず保険適用で受けられる基本検査を実施し、原因が特定できなければ自費の高度検査を追加する順序が費用対効果の面で合理的です。「最初から自費の網羅的パッケージ」より「保険で段階的に絞り込む」方が経済的負担が少なくなります。
よくある質問
Q. 1回の流産でも不育症の保険検査を受けられますか?
多くの検査は「2回以上の流産」が算定要件ですが、担当医師の判断で1回の流産後でも受けられる場合があります。保険算定の適否は担当医師と相談してください。
Q. 2022年以前に自費で受けた検査は遡って保険申請できますか?
遡及申請はできません。2022年4月以降の受診分から保険算定が適用されます。
Q. 不育症の保険適用は今後さらに拡充されますか?
日本産科婦人科学会・不育症研究班はPOC検査など追加の保険収載を要望しており、診療報酬改定のたびに対象が拡充される可能性があります。最新情報は厚生労働省・学会の公式発表でご確認ください。
まとめ
不育症の主要な検査(抗リン脂質抗体・凝固系・甲状腺等)は2回以上の流産歴があれば保険適用(3割負担)で受けられます。治療(バファリン・ヘパリン・ホルモン補充・手術)も保険算定可能です。POC検査・子宮内フローラなど一部の高度検査は自費ですが、助成金制度で補填できます。保険と助成金を組み合わせて経済的負担を最小化しましょう。
【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、保険適用の条件・内容は改定される場合があります。最新情報は担当医師・加入保険窓口にご確認ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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