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多数該当制度と不妊治療|4回目以降の上限額軽減

2026/4/19

多数該当制度と不妊治療|4回目以降の上限額軽減

不妊治療を続けているなかで「高額療養費制度は知っているけど、多数該当制度はよく知らない」という方は少なくありません。多数該当制度は、3回以上高額療養費の支給を受けると4回目から自己負担の上限額がさらに下がる仕組みです。この記事では2026年5月2日時点の情報をもとに、制度の仕組み・計算方法・申請手順を解説します。

この記事のまとめ

  • 多数該当とは同一世帯で直近12か月以内に高額療養費が3回支給された後、4回目から自己負担限度額が軽減される制度
  • 標準報酬月額28万〜50万円の方は通常8万100円前後→多数該当で4万4400円に下がる
  • 申請は健康保険証の発行機関(協会けんぽ・健保組合・共済組合など)に高額療養費支給申請書を提出
  • 不妊治療は保険適用の採卵・胚移植も高額療養費の対象になる

多数該当制度の基本情報

項目

内容

正式名称

高額療養費多数回該当(多数該当)

根拠法令

健康保険法第115条

対象

同一世帯で直近12か月に高額療養費支給が3回あった翌月以降

適用期間

直近12か月を1サイクルとして算定(月ごとに更新)

申請先

加入している公的医療保険の保険者(協会けんぽ・健保組合等)

申請方法

高額療養費支給申請書に領収書写しを添付して提出

多数該当制度の仕組みと自己負担上限額

高額療養費制度では、1か月に支払った医療費の自己負担が所得区分ごとの上限を超えた場合に超過分が払い戻されます。さらに、直近12か月で3回支給を受けると4回目からは「多数回該当」として上限額が引き下げられます。不妊治療では採卵・体外受精・凍結保存など高額な月が続くことがあるため、この軽減効果が大きく働きます。

所得区分(標準報酬月額)

通常の自己負担限度額(月)

多数該当後の限度額

区分ア(83万円以上)

25万2600円+(医療費−84万2000円)×1%

14万100円

区分イ(53〜79万円)

16万7400円+(医療費−55万8000円)×1%

9万3000円

区分ウ(28〜50万円)

8万100円+(医療費−26万7000円)×1%

4万4400円

区分エ(26万円以下)

5万7600円

4万4400円

区分オ(住民税非課税)

3万5400円

2万4600円

不妊治療における多数該当の活用ポイント

体外受精の周期では、採卵月・胚移植月それぞれで医療費が高くなる場合があります。保険適用の採卵(1個あたり約1万〜2万円の自己負担)や体外受精(採卵・培養・移植をあわせて数万〜十数万円)など、複数の高額月が重なると3回の支給を経て多数該当に達しやすくなります。

  • 採卵月・移植月・薬剤費がかさむ月を「1か月単位」でカウントする
  • 夫婦で同一の健康保険(家族加入)の場合、夫婦の支払いを合算できる
  • 異なる医療機関の費用は合算申請が必要(2万1000円以上の自己負担分のみ合算可)
  • 先進医療・自費の費用は高額療養費の対象外(保険診療分のみ)

多数該当の申請方法と手続きの流れ

申請は加入している健康保険の保険者に対して行います。協会けんぽの場合は都道府県支部、健保組合の場合は組合の窓口またはオンライン申請が利用できます。領収書は必ず原本または写しを保管しておきましょう。

  • Step1: 医療機関から領収書を受け取り保管する
  • Step2: 保険者(協会けんぽ等)から高額療養費支給申請書を入手する(ウェブからダウンロード可)
  • Step3: 申請書に医療機関名・診療月・支払額を記入し、領収書写しを添付する
  • Step4: 郵送またはオンラインで提出(受付後約2〜3か月で支給)
  • Step5: 3回目の支給後、翌月分から多数該当として自動的に上限が変わる(再申請不要)

限度額適用認定証との違い

多数該当制度は「事後申請で超過分が戻る」仕組みであるのに対し、限度額適用認定証は「窓口での支払い自体を上限額に抑える」ものです。資金繰りを考えると限度額適用認定証を事前に取得しておくほうが医療機関での一時的な立替払いを減らせます。多数該当の判定は保険者側で自動的に行われるため、3回目以降は特別な手続きなしで軽減後の上限が適用されます。

費用の目安とシミュレーション

実際の医療費(保険診療分)

自己負担(区分ウ・通常)

多数該当後

1か月目(採卵)

約30万円

約9万1000円

—(1回目)

2か月目(移植)

約15万円

約8万1000円

—(2回目)

3か月目(再採卵)

約25万円

約8万9000円

—(3回目)

4か月目(移植)

約15万円

(通常8万1000円)

約4万4400円

FAQ

Q1. 多数該当になるための「3回」は連続した月でなくてもいいですか?

はい。直近12か月以内であれば連続していなくても合計3回の支給があれば多数該当となります。月をまたいだ治療でも問題ありません。

Q2. 夫の健康保険に妻が扶養で入っている場合、夫婦の費用は合算できますか?

同一の保険証(健康保険)の被扶養者であれば合算できます。異なる健康保険(夫:会社の健保、妻:協会けんぽなど)の場合は合算不可です。

Q3. 先進医療(タイムラプス培養・IMSI等)の費用も多数該当の計算に含まれますか?

先進医療にかかる費用は保険診療ではないため、高額療養費・多数該当の計算には含まれません。保険適用の診療費のみが対象です。

Q4. 会社の健保から協会けんぽに変更した場合、以前の支給回数は引き継がれますか?

引き継がれません。保険者が変わると多数該当のカウントはリセットされます。転職や扶養抜けのタイミングに注意が必要です。

Q5. 申請を忘れていた場合、過去分に遡って申請できますか?

診療月の翌月1日から2年以内であれば遡及申請が可能です。領収書を保管していれば申請できます。

まとめ

多数該当制度は、不妊治療のように高額な月が繰り返し発生するケースで特に効果の大きな制度です。保険適用の採卵・移植を複数サイクル行う場合、直近12か月で3回の支給に達すると4回目から自己負担上限が大幅に下がります。申請は事後払いが原則ですが、限度額適用認定証を事前取得すれば窓口払いも抑えられます。領収書の保管と支給回数の把握を習慣にすることが、制度をうまく活用する第1歩です。

【免責事項】本記事は2026年5月2日時点の公的情報をもとに作成した一般的な情報提供を目的としています。個別の申請手続きや支給額については加入している保険者または医療機関の窓口にご確認ください。医療行為の選択・判断は必ず医師にご相談ください。

E

この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2