EggLink
さがす

川崎市の不妊治療助成金・上乗せ補助

2026/4/19

川崎市の不妊治療助成金・上乗せ補助

川崎市で不妊治療を検討している方にとって、助成金や費用軽減の制度は気になるポイントでしょう。2022年4月に体外受精・顕微授精が保険適用となり、川崎市の旧助成制度は終了しました。しかし、保険適用による3割負担や高額療養費制度、不育症検査費用の助成など、活用できる公的支援は複数存在します。この記事では、川崎市で不妊治療を受ける際に使える制度の全体像から申請手順、モデルケースまで具体的に解説します。

川崎市の不妊治療助成金制度 ── 2026年現在の全体像

川崎市では、不妊治療に特化した独自の助成金制度は2022年3月末で終了しており、現在は保険適用と国の高額療養費制度が費用軽減の中心となっています。東京都のような先進医療費助成は川崎市にはありません。

旧制度「特定治療支援事業」の終了

2022年3月まで、川崎市は体外受精・顕微授精を対象に治療費の一部を助成していました。令和4年4月の保険適用開始に伴い、この事業は終了しています。過去に申請した分の問い合わせ先は、こども未来局 児童家庭支援・虐待対策室 母子保健担当(電話: 044-200-2450)です。

2026年4月時点で使える制度の一覧

制度名

対象

軽減額の目安

健康保険(3割負担)

人工授精・体外受精・顕微授精

治療費の7割

高額療養費制度

月ごとの保険診療費が上限超過した場合

年収約370万〜770万円で月8万円程度が上限

限度額適用認定証

事前申請で窓口負担を軽減

窓口での立替が不要に

不育症検査費用助成

既往流死産2回以上の方

検査費用の7割(上限6万円)

医療費控除(確定申告)

年間医療費が10万円超の世帯

所得税・住民税の軽減

保険適用で体外受精・顕微授精はいくらになるか

保険適用後の体外受精は、1周期あたり自己負担15万〜21万円程度が目安です。従来の全額自費(40万〜60万円)と比較すると、負担は大幅に軽減されています。

保険適用の対象範囲と年齢・回数制限

保険が適用されるのは以下の条件を満たす場合に限られます。

  • 人工授精:年齢制限なし・回数制限なし
  • 体外受精・顕微授精:治療開始時に女性が43歳未満
  • 胚移植の回数上限:40歳未満は通算6回、40〜43歳未満は通算3回

43歳以上の方や、回数上限を超えた場合は全額自費となり、1周期あたり40万〜60万円の負担が生じます。

川崎市内クリニックの保険診療費の目安

治療内容

保険適用(3割負担)

人工授精

約5,460円

採卵(卵子4個の場合)

約2万400円

体外受精(媒精)

約1万2,600円

顕微授精(4個の場合)

約3万〜4万円

胚移植(融解胚)

約3万9,000円

採卵〜凍結胚保存(1周期合計)

約7万2,000〜9万6,000円

上記はNoah ART Clinic武蔵小杉が公開しているモデルケースに基づく参考値です。クリニックや個々の治療内容により金額は変動します。

高額療養費制度と限度額適用認定証の活用法

保険適用後の不妊治療でも、採卵と胚移植が同月に重なると月の医療費が高額になる場合があります。高額療養費制度を使えば、月ごとの自己負担額に上限が設けられ、超過分が払い戻されます。

所得区分別の自己負担上限額

年収目安(70歳未満)

月の自己負担上限

約370万円以下

5万7,600円

約370万〜770万円

8万100円+(医療費−26万7,000円)×1%

約770万〜1,160万円

16万7,400円+(医療費−55万8,000円)×1%

限度額適用認定証で窓口負担を抑える

高額療養費は後から払い戻される仕組みのため、一時的に高額な窓口支払いが必要です。「限度額適用認定証」を事前に加入健康保険へ申請すれば、窓口での支払いが上限額までに抑えられます。

  • 申請先:勤務先の健康保険組合、または国民健康保険の場合は川崎市の区役所保険年金課
  • 有効期間:申請月の初日から最長1年間
  • マイナ保険証:マイナンバーカードを保険証として利用している場合、認定証がなくても窓口で自動的に上限額が適用される医療機関が増えています

「多数回該当」でさらに負担が減る

直近12か月間で高額療養費の支給が3回以上あった場合、4回目から自己負担上限がさらに引き下げられます。年収約370万〜770万円の区分であれば、4万4,400円まで下がります。不妊治療は複数周期にわたることが多いため、この多数回該当に該当しやすい点は見逃せないポイントです。

先進医療費の負担と川崎市の助成状況

保険適用の体外受精と組み合わせて行う先進医療は全額自己負担です。川崎市には先進医療費に対する助成制度がなく、東京都(上限15万円)や横浜市などとは異なる点に注意が必要です。

先進医療の費用目安

先進医療

費用(全額自費)

タイムラプス培養

約3万1,000円

IMSI(高倍率精子選別)

約1万1,500円

子宮内膜スクラッチ

約9,100円

ERA検査(子宮内膜受容能検査)

約13万3,000円

SEET法

約3万〜5万円

PGT-A(着床前遺伝学的検査)

1胚あたり約11万円

先進医療を複数組み合わせると、保険診療分に加えて10万〜30万円の追加負担が発生するケースも珍しくありません。民間の医療保険で「先進医療特約」を付帯している場合は給付対象になる可能性があるため、加入中の保険内容を確認しましょう。

近隣自治体の先進医療費助成との比較

自治体

先進医療費助成

上限額

川崎市

なし

東京都

あり

1回15万円

横浜市

あり

1回15万円

藤沢市

あり

費用の7割(上限5万円)

川崎市在住の方が先進医療費の助成を受けることは現時点ではできません。今後の制度改正情報は川崎市の公式サイトで確認してください。

不育症検査費用助成 ── 川崎市で唯一の直接助成

川崎市が現在実施している不妊・不育関連の直接助成は、不育症検査費用の助成のみです。流死産を2回以上経験した方が対象で、先進医療として承認された検査の自己負担額の7割(上限6万円)が償還払いで支給されます。

対象検査と助成額

  • 流死産検体を用いた遺伝子検査(次世代シーケンサーによる絨毛・胎児組織染色体検査)
  • 抗ネオセルフβ2グリコプロテイン1複合体抗体検査(2025年6月1日以降の検査が対象)

助成額は医療機関に支払った費用の7割で、1,000円未満は切り捨て。1回あたりの上限は6万円です。

申請に必要な書類と手順

  1. 対象の医療機関で検査を受け、費用を全額窓口で支払う
  2. 医療機関から「不育症検査費用助成 検査受検証明書」を発行してもらう
  3. 以下の書類を揃え、検査終了日から30日以内(必着)に郵送する

必要書類

備考

申請書

川崎市公式サイトからダウンロード可

検査受検証明書

医療機関が発行

住民票の写し

3か月以内・マイナンバー記載なし

領収書のコピー

検査費用の明細がわかるもの

通帳またはキャッシュカードのコピー

振込先口座の確認用

送付先:〒210-8577 川崎市こども未来局 児童家庭支援・虐待対策室 母子保健担当

モデルケース ── 川崎市在住・体外受精1周期の実質負担

実際にどの程度の費用がかかるのか、川崎市在住の30代夫婦を想定したモデルケースで試算してみましょう。保険適用+高額療養費制度の併用で、自己負担額は大きく変わります。

ケース:34歳女性・体外受精1周期(採卵+凍結+融解胚移植)

項目

金額

保険診療(3割負担)合計

約18万円

先進医療(タイムラプス培養)

約3万1,000円

薬剤・検査・再診料

約2万〜3万円

合計窓口支払い

約23万〜24万円

高額療養費制度適用後の実質負担

世帯年収約500万円(区分ウ)を想定した場合、保険診療分の月あたり自己負担上限は約8万円です。

  • 採卵月(保険診療15万円の場合):高額療養費で約7万円が払い戻し → 実質約8万円
  • 胚移植月(保険診療5万円の場合):上限以下のため払い戻しなし → 実質約5万円
  • 先進医療(タイムラプス):約3万1,000円(高額療養費の対象外)
  • 1周期の実質負担合計:約19万〜20万円

採卵と胚移植を同じ月にまとめると高額療養費の恩恵が大きくなりやすいため、スケジュールを医師と相談するのも一つの方法です。なお、医療費控除(確定申告)で所得税・住民税が還付される分を加味すると、実質的な負担はさらに軽減されます。

川崎市内の主要不妊治療クリニック

川崎市内には体外受精・顕微授精に対応するクリニックと、タイミング法・人工授精を中心に行うクリニックの両方があります。高度生殖医療を希望する場合は、対応範囲を事前に確認しましょう。

体外受精・顕微授精に対応

クリニック名

所在地

特徴

Noah ART Clinic武蔵小杉

中原区新丸子東3-1156-1

体外受精・顕微授精専門。IMSI・タイムラプス等の先進医療にも対応

新百合ヶ丘総合病院 リプロダクションセンター

麻生区古沢都古255

総合病院内の生殖医療科。内視鏡手術にも対応し、合併症管理の安心感がある

メディカルパーク武蔵小杉

中原区新丸子東3丁目1100-14

グループ院と連携し高度生殖補助医療を提供。武蔵小杉駅徒歩1分

一般不妊治療(タイミング法・人工授精)中心

クリニック名

所在地

特徴

みなとみらい夢クリニック川崎院

川崎区駅前本町26-4

タイミング指導・人工授精を実施。体外受精は本院(横浜)で対応

南生田レディースクリニック

多摩区南生田7-20-21

一般不妊検査から体外受精まで幅広く対応。年齢・希望に応じた提案

五十嵐レディースクリニック

多摩区登戸2569-5

不妊治療の基礎検査から生活指導まで丁寧なカウンセリングが特徴

クリニック選びの際は、治療実績・通いやすさ・先進医療の取り扱い有無に加え、保険適用の回数上限を踏まえたステップアップ方針を医師と共有することが大切です。

川崎市の不妊・不育専門相談センター

川崎市は川崎市看護協会に委託し、不妊・不育専門の相談窓口を設けています。費用面の不安だけでなく、治療の進め方やメンタル面の相談にも対応してくれるため、治療開始前に利用するのもよいでしょう。

  • 相談員:専門医・不妊症看護認定看護師
  • 費用:無料
  • 問い合わせ先:こども未来局 児童家庭支援・虐待対策室 母子保健担当(電話: 044-200-2450)

「保険適用の回数制限を使い切りそうで不安」「先進医療を追加すべきか判断できない」といった個別の悩みにも、専門の相談員が対応しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 川崎市に不妊治療の助成金はありますか?

2022年4月の保険適用開始に伴い、川崎市独自の不妊治療助成金制度は終了しました。現在は保険適用(3割負担)と高額療養費制度を組み合わせて費用を軽減する形が基本です。不育症検査に限り、費用の7割(上限6万円)の助成が受けられます。

Q. 東京都のような先進医療費助成は川崎市にもありますか?

2026年4月時点で、川崎市に先進医療費の助成制度はありません。東京都(上限15万円/回)や横浜市などでは実施されているため、川崎市在住者との差が生じている状況です。今後の制度新設については川崎市公式サイトを定期的に確認してください。

Q. 高額療養費制度は不妊治療にも使えますか?

保険適用の不妊治療であれば高額療養費制度の対象です。月の自己負担が上限額を超えた分が払い戻されます。ただし、先進医療や自費診療の部分は対象外です。事前に限度額適用認定証を取得すると、窓口負担を上限額までに抑えられます。

Q. 体外受精の保険適用は何歳まで受けられますか?

治療開始時点で女性が43歳未満であることが条件です。胚移植の回数上限は、40歳未満なら通算6回、40歳以上43歳未満なら通算3回となっています。人工授精には年齢・回数の制限はありません。

Q. 不育症検査費用助成の申請期限はいつまでですか?

検査終了日から30日以内に申請書類を郵送する必要があります(必着)。期限を過ぎると助成を受けられない可能性があるため、検査日が決まったら早めに必要書類を準備しておくと安心です。

Q. 川崎市内で体外受精ができるクリニックはどこですか?

Noah ART Clinic武蔵小杉、新百合ヶ丘総合病院リプロダクションセンター、メディカルパーク武蔵小杉などが体外受精・顕微授精に対応しています。治療実績やアクセス、先進医療の取り扱い状況はクリニックごとに異なるため、複数の施設を比較検討することをおすすめします。

Q. 医療費控除は不妊治療にも適用されますか?

不妊治療にかかった費用は医療費控除の対象です。保険診療分・先進医療分・自費診療分のいずれも対象となり、年間の医療費が10万円(所得200万円未満の場合は所得の5%)を超えた分について、確定申告で所得控除が受けられます。通院の交通費も対象になるため、領収書やICカードの利用履歴を保管しておきましょう。

まとめ

川崎市には不妊治療に特化した独自助成はないものの、保険適用・高額療養費制度・医療費控除を組み合わせることで、実質負担は従来の半分以下まで抑えられるケースが多くなっています。不育症検査費用の助成(上限6万円)も見逃さず申請しましょう。先進医療費については自己負担となる点が東京都や横浜市との違いですが、民間の医療保険(先進医療特約)でカバーできる場合もあります。

治療計画と費用の見通しを立てるには、まず川崎市内のクリニックで初回相談を受けること、そして川崎市の不妊・不育専門相談センター(044-200-2450)へ制度面の疑問を確認することが第一歩です。

※本記事の情報は2026年4月時点の公開情報に基づいています。制度内容や金額は変更される場合があるため、最新情報は川崎市公式サイトおよび各医療機関にご確認ください。本記事は特定の治療法やクリニックを推奨するものではありません。治療に関する判断は必ず担当医にご相談ください。

関連記事

E

この記事を書いた人

EggLink編集部

医療・婦人科専門メディア

産婦人科・婦人科に関する正確で信頼性の高い情報をお届けします。医療監修のもと、女性の健康に役立つコンテンツを制作しています。

公開:2026/4/19更新:2026/4/27