
2022年4月から不妊治療の保険適用が大幅に拡大されましたが、すべての治療が保険でカバーされるわけではありません。「自分が受けている治療は保険で賄えているのか」を正確に把握していないと、想定外の費用が発生することがあります。2026年5月2日時点の情報をもとに、保険適用外になる主な治療・検査を整理します。
この記事のまとめ
- 2022年4月以降、人工授精・体外受精・顕微授精・凍結融解胚移植が保険適用(年齢・回数制限あり)
- 保険適用外になる主なもの:先進医療技術(タイムラプス・PGT-A等)・自費オプション・回数上限超過後の治療
- 先進医療は保険との併用が認められているため全額自費になるのは技術料のみ
- 「保険適用外=全額自費」と「保険適用外部分のみ自費」は状況によって異なる
保険適用・適用外の基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
保険適用開始 | 2022年4月(タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精・凍結融解胚移植等) |
年齢制限 | 治療開始時43歳未満(保険適用の条件) |
回数制限 | 子どもひとりにつき:40歳未満は通算6回、40〜42歳は通算3回 |
回数上限超過後 | 自費診療扱い。先進医療との混合診療禁止に注意 |
先進医療の位置づけ | 技術料は全額自費だが保険診療と併用可能 |
保険適用外になる主な治療・検査
以下は2024年度時点で保険適用外(全額自費または先進医療)として扱われる代表的な項目です。医療機関・年度によって変更されることがあるため、必ずクリニックで確認してください。
項目 | 区分 | 費用目安(自費) |
|---|---|---|
タイムラプス培養 | 先進医療 | 約5万〜8万円/周期 |
IMSI(高倍率精子選別) | 先進医療 | 約3万〜5万円 |
ERA(子宮内膜受容能検査) | 先進医療 | 約10万〜15万円 |
PGT-A(着床前染色体検査) | 先進医療 | 約5万〜10万円/個 |
自費PRP療法 | 自費診療 | 約10万〜30万円 |
年齢・回数制限超過後の体外受精 | 自費診療 | 約40万〜80万円/周期 |
精子凍結保存(男性不妊対応以外) | 施設により異なる | 約2万〜5万円 |
着床不全スクリーニング(保険未収載のもの) | 自費診療 | 約2万〜10万円 |
回数制限と年齢制限の詳細
保険適用の体外受精・顕微授精・凍結融解胚移植は、「1子ごとの通算回数」で管理されます。上限を超えた治療は全額自費となり、先進医療との混合診療規定にも注意が必要です。
- 治療開始時39歳以下:1子あたり通算6回まで保険適用
- 治療開始時40〜42歳:1子あたり通算3回まで保険適用
- 43歳以上での開始:保険適用なし(全額自費)
- 回数カウント:採卵ではなく「胚移植1回」で1回カウントが基本(採卵でも1回カウントの場合あり)
費用を抑えるための制度活用
- 保険適用分は高額療養費制度・限度額適用認定証で自己負担を上限以下に抑えられる
- 先進医療の技術料は民間保険の先進医療特約で一部カバーできる場合がある
- 自治体によっては保険適用外の治療に対する上乗せ助成がある(所得制限・回数制限あり)
- 医療費控除:自費・先進医療を含む不妊治療費は医療費控除の対象になる(確定申告で申請)
FAQ
Q1. 保険の回数を使い切った後、同じクリニックで自費治療は受けられますか?
受けられますが、先進医療と自費診療の組み合わせには混合診療の規定が適用されます。保険適用外の状態で先進医療を受ける場合の扱いはクリニックに確認してください。
Q2. 着床前検査(PGT-A)は保険で受けられますか?
2024年度時点では先進医療の位置づけで、技術料は全額自費です。ただし保険診療と組み合わせて受けることは可能です。
Q3. 不妊検査(AMH・精液検査等)は保険適用ですか?
AMH検査は2022年4月以降の保険適用拡大で保険収載されています。精液検査も保険適用です。ただし検査の実施条件や保険算定ルールはクリニックで確認してください。
Q4. 自費で治療を受けた場合も医療費控除は使えますか?
はい。自費診療・先進医療を含む不妊治療費(診察・検査・薬剤費・交通費なども含む)は確定申告で医療費控除の対象になります。
Q5. 自治体の不妊治療助成金は保険適用外の治療にも出ますか?
自治体によって異なります。保険適用外の治療に上乗せ助成を行っている自治体もあります。居住する自治体の制度を確認してください。
まとめ
不妊治療費の全体像を把握するには、「保険適用分」「先進医療(保険との併用可・技術料は自費)」「完全自費の治療」の3つを区別することが重要です。保険適用が拡大された現在でも、先進医療や回数上限を超えた治療は自己負担が大きくなります。高額療養費制度・限度額適用認定証・民間保険特約・医療費控除・自治体助成金を組み合わせてトータルの費用負担を計画的に管理しましょう。
【免責事項】本記事は2026年5月2日時点の公的情報をもとに作成した一般的な情報提供を目的としています。保険適用の範囲・費用は医療機関・年度によって変わる場合があります。詳細は受診するクリニックおよび厚生労働省の最新情報をご確認ください。医療行為の選択・判断は必ず医師にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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