
ゴナールエフ(一般名:フォリトロピンアルファ)は、体外受精や人工授精での卵巣刺激に使われる注射型ゴナドトロピン製剤の代表薬です。ペン型デバイスで自己注射ができる点が特徴ですが、費用が高いと感じる方も多くいます。この記事では1周期あたりの費用・保険適用の条件・節約策を解説します。
この記事でわかること
- ゴナールエフの薬価と1周期の費用(保険・自費)
- レコベル(コリフォリトロピンアルファ)との比較
- 採卵周期の薬剤費全体像と節約のポイント
ゴナールエフ費用の要点まとめ
製品 | 薬価(1本) | 1周期の使用量目安 | 保険3割の薬剤費目安 |
|---|---|---|---|
ゴナールエフ300IU | 約7,200円 | 2〜5本程度 | 約4,300〜1.1万円 |
ゴナールエフ450IU | 約1万円 | 2〜4本程度 | 約6,000〜1.2万円 |
ゴナールエフ900IU | 約1.9万円 | 1〜2本程度 | 約5,700〜1.1万円 |
※使用量は卵巣の反応性・医師の判断によって大きく異なります。AMH値・AFC(胞状卵胞数)に基づいて用量が設定されます。
ゴナールエフとは——自己注射ペン型の特徴
ゴナールエフはFSH(卵胞刺激ホルモン)の製剤で、卵巣内の卵胞を複数育てるために使います。体外受精の採卵周期では通常10〜14日間、毎日皮下注射します。
ペン型のデバイス(マルチドーズカートリッジ)を使用するため自己注射がしやすく、クリニックへの来院頻度を減らせます。注射量は1IU単位で調整でき、過剰刺激・過少刺激を防ぐために超音波・血中ホルモン値を見ながら用量を調整します。
保険適用の条件
2022年4月の不妊治療保険適用拡大により、体外受精・顕微授精の採卵周期に使うゴナールエフは保険適用の対象となりました。3割負担であれば1周期の薬剤費は1万円前後が目安です(用量によって変動)。
自費になる主なケースは以下です。
- 保険適用回数の上限(40歳未満通算6回)を超えた採卵
- 自費専門クリニックでの治療
- 混合診療が適用される場合
自費では1周期の薬剤費だけで5〜15万円程度かかることがあり、費用の差は大きいです。
レコベル・HMG製剤との費用比較
卵巣刺激には複数のゴナドトロピン製剤があります。
製品名 | 成分 | 保険3割の目安(1周期) | 特徴 |
|---|---|---|---|
ゴナールエフ | rFSH(遺伝子組換えFSH) | 約4,000〜1.2万円 | ペン型・自己注射しやすい |
レコベル | コリフォリトロピンアルファ(長時間作用型) | 約7,000〜1.5万円 | 1週間に1回注射・来院回数減 |
HMGテイゾー・フォリルモンP | 尿由来FSH+LH | 約2,000〜8,000円 | やや安価・アンプル型 |
レコベルは1週間に1回の注射で済む利便性がありますが薬価が高め、HMG製剤は費用が低いですが毎日の注射が必要です。どれを選ぶかは患者の卵巣機能・治療方針・来院頻度の希望に応じて担当医が決定します。
用量によって費用がどう変わるか
ゴナールエフの費用は使用量に比例します。卵巣機能が高い方(AMH高値・AFC多数)は低用量(75〜150IU/日)で十分な場合があり費用が抑えられます。一方、卵巣予備能が低い方(高齢・AMH低値)は高用量(225〜300IU/日)が必要になり費用が増えます。
OHSS(卵巣過剰刺激症候群)リスクを抑えるため、適切な用量設定が重要です。自己判断で量を変えることは危険であり、必ず担当医の指示に従ってください。
採卵周期の薬剤費全体における位置づけ
採卵周期の薬剤費の中ではゴナールエフ等の卵巣刺激剤が最大の割合を占めます。採卵周期全体の自己負担(保険3割)の内訳の目安を示します。
項目 | 保険3割の目安 |
|---|---|
卵巣刺激剤(ゴナールエフ等) | 約4,000〜1.2万円 |
排卵抑制薬(GnRHアンタゴニスト等) | 約6,000〜1万円 |
排卵トリガー(hCG等) | 約150〜900円 |
採卵術料・麻酔料 | 約2〜4万円 |
培養料・凍結料 | 約2〜5万円 |
採卵周期全体では10〜20万円程度の自己負担が生じることが多いです。
高額療養費制度・医療費控除の活用
採卵周期は1ヵ月で多くの医療費が集中します。月の医療費が自己負担限度額(標準的な収入で約8〜9万円)を超えた場合、高額療養費の還付が受けられます。「限度額適用認定証」を事前取得しておくと窓口での支払いが自動的に上限額に抑えられます。
不妊治療費は医療費控除の対象です。年間10万円を超えた分を確定申告で申請できます。薬代の領収書・院外処方箋の領収書も含めて1年分保管してください。
よくある質問
Q. ゴナールエフの自己注射は難しいですか?
ペン型デバイスは扱いやすく、多くの患者が自己注射を習得しています。クリニックで手技指導を受けた上で実施します。針は極細で痛みは比較的少ないです。
Q. ゴナールエフは毎日同じ時間に注射しなければいけませんか?
できるだけ同じ時間帯に注射することが推奨されます。多少のズレは許容されますが、大幅にずれる場合はクリニックに相談してください。
Q. ゴナールエフの保管方法を教えてください。
未開封のカートリッジは2〜8℃で冷蔵保管します。開封後は室温(25℃以下)で1ヵ月以内に使用します。凍らせてはいけません。詳細は添付文書またはクリニックの指示に従ってください。
Q. ゴナールエフを打ちすぎるとどうなりますか?
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を起こすリスクがあります。腹痛・腹部膨満感・吐き気などが現れた場合はすぐにクリニックに連絡してください。自己判断で用量を変えることは絶対に避けてください。
Q. ゴナールエフとHMGはどちらが安いですか?
薬価ベースではHMG製剤の方が1本あたり安価なケースが多いです。ただし同じ卵胞数を目指した場合の使用量・費用は患者の状態によって異なります。担当医の方針に従った選択をしてください。
まとめ
ゴナールエフの費用は保険3割負担で1周期あたり4,000〜1.2万円程度が目安です。2022年の保険適用拡大で自費時(5〜15万円程度)から大幅に負担が軽減されています。採卵周期全体の費用は10〜20万円程度となるため、高額療養費制度の事前準備・医療費控除の申請を組み合わせて実質負担を管理することをお勧めします。
採卵周期の費用を詳しく確認したい方へ
採卵周期にかかる費用は薬剤費だけでなく採卵術料・麻酔料・培養料・凍結料が加わります。治療開始前にクリニックで費用の全体像を確認し、高額療養費・医療費控除の準備を早めに進めることをお勧めします。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的アドバイスや診断・治療の推奨を行うものではありません。薬価・保険適用の条件は医療機関・保険者・診療内容によって異なります。実際の治療・処方については必ず担当医にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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