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不妊治療助成金の支給回数上限|制度変更の歴史

2026/4/22

不妊治療助成金の支給回数上限|制度変更の歴史

不妊治療の助成金には、支給される回数に上限があります。2022年の保険適用拡大で制度が大きく変わり、従来の「特定不妊治療費助成事業」は廃止されました。現在の回数制限と歴史的な変遷を正確に理解することで、治療計画を立てやすくなります。この記事では、制度の歴史から現行ルール、回数上限後の対処法まで体系的に解説します。

この記事のポイント

  • 2022年保険適用後の現行制度における回数上限の考え方
  • 廃止された旧特定不妊治療費助成事業の回数制限との違い
  • 自治体の上乗せ助成金の回数・金額の目安
  • 回数上限に達した後に使える費用軽減策
  • 治療計画を立てるための年齢・回数マネジメント

2022年以降の現行制度:回数上限の考え方

2022年4月の保険適用拡大後、国の「特定不妊治療費助成事業」は廃止されました。現在の保険適用制度では、治療回数よりも「年齢と胚移植回数」が主な制限要件になっています。保険が適用される胚移植は年齢によって上限があり、40歳未満は通算6回、40歳以上43歳未満は通算3回までです。

年齢区分

保険適用の胚移植回数(通算)

備考

40歳未満

6回まで

一子あたりの上限

40〜42歳

3回まで

一子あたりの上限

43歳以上

保険適用なし

自費診療のみ

回数上限は「一子ごと」にリセットされます。第2子以降の治療では、また最初から回数をカウントできます。また、年齢の判定は「治療開始時(採卵時)の年齢」が基準になります。治療の途中で年齢区分をまたいだ場合の扱いについては、主治医に確認することをおすすめします。

廃止された旧制度の回数制限(2022年3月以前)

2022年3月までの特定不妊治療費助成事業では、支給回数の上限が設けられていました。制度の歴史的変遷を理解すると、現在の保険制度がどう変わったかが分かります。

年代

制度の内容

2004年〜

特定不妊治療費助成事業スタート。夫婦1組あたり年間2回、通算5年間が上限

2016年〜

40歳以上の上限を通算3回に変更(39歳以下は6回に拡充)

2021年〜

所得制限撤廃、助成金額を最大30万円に引き上げ

2022年4月

保険適用拡大に伴い旧助成事業廃止。保険の回数ルールに移行

旧制度では「1回の治療」に対して上限額の助成が出るシステムでしたが、自費診療が前提だったため1回の治療費は30〜50万円と高額でした。2022年以降は保険適用で自己負担が3割に下がったため、旧制度と比べて総額の負担は大幅に軽減されています。

自治体の上乗せ助成金の回数制限

国の保険制度とは別に、都道府県・市区町村が独自の助成金を設けている場合があります。自治体によって回数・金額・対象条件が異なります。

  • 上乗せ助成金の例:保険適用外(自費)の先進医療の費用補助、移植1回あたり定額補助(例:1〜3回まで)
  • 確認方法:居住する市区町村の窓口または公式サイトの「不妊治療助成金」ページ
  • 申請タイミング:多くは治療完了後の申請制。期限(治療完了後3か月以内など)があるため注意
  • 受取条件の例:市内在住・婚姻関係(事実婚含む場合もある)・治療した医療機関の証明書

東京都・大阪府・神奈川県など大都市圏では比較的充実した上乗せ助成を設けていますが、年間予算の関係で受付終了になる場合もあります。年度初めに早めに確認することをおすすめします。

回数上限に達した後の選択肢

保険適用の回数上限を使い切った後も、治療を続ける選択肢はあります。費用は自費(全額負担)になりますが、複数の軽減策を活用できます。

  • 医療費控除:年間の医療費が10万円を超える場合、確定申告で所得税・住民税の還付を受けられる。年収600万円・医療費100万円のケースで約18万円の還付が目安
  • 先進医療の保険併用:保険適用外の先進医療でも、保険診療と組み合わせた「保険外併用療養費制度」が活用できる場合がある
  • 自治体の追加助成:上乗せ助成金の中には、保険適用外の治療を対象とするものもある
  • 高額療養費制度(保険診療分のみ):自費診療には高額療養費制度は適用されないが、保険診療との混在がある場合は保険診療分に適用される

回数制限を踏まえた治療計画の立て方

回数上限は治療の終わりではなく、計画を立て直すタイミングです。主治医と相談しながら以下の点を整理すると方針が見えてきます。

  • 残り回数の確認:現在何回目の移植で、あと何回保険が使えるかを把握する
  • 治療の優先順位:凍結胚がある場合は移植を先に進め、採卵を後回しにするなど順番を工夫できる
  • 費用の見通し:上限後の自費費用と医療費控除を組み合わせた年間支出を試算する
  • 年齢の考慮:40歳・43歳の節目で適用範囲が変わるため、年齢を意識したスケジューリングが重要
  • セカンドオピニオンの活用:回数上限を前に治療方針を見直す場合は、別のクリニックの意見も参考になる

保険適用前後の費用比較

制度変更によって、1回あたりの自己負担額が大きく変わりました。回数ではなく、総支出の観点で比較すると実感しやすいです。

項目

旧制度(2022年3月以前)

現行制度(2022年4月以降)

体外受精1回の自己負担

30〜50万円(全額自費)

5〜15万円(保険3割負担)

助成金

最大30万円/回(上限回数あり)

保険で自動的に3割負担

回数上限

40歳未満:6回、40歳以上:3回

同左(移植回数が基準)

所得制限

2021年以降は撤廃

なし

よくある質問

Q. 旧制度の「5年間」という上限は今も適用されますか?

2022年3月以前に治療していた場合に適用された旧制度の上限であり、現在は廃止されています。現行制度は年齢と胚移植回数が基準です。

Q. 採卵に回数制限はありますか?

現行の保険制度では採卵単独の回数上限は明示されていませんが、移植の回数上限内での保険適用が基本です。主治医に現在の保険ルールを確認してください。

Q. 第2子の治療では回数はリセットされますか?

はい、一子ごとに回数はリセットされます。第2子の治療では、また最初から保険適用回数を使えます。

Q. 保険適用外になった場合、自費でかかる費用の目安は?

自費での体外受精は採卵・培養・移植を含めて1回あたり35〜60万円程度が目安です。クリニックによって差があるため、事前に費用確認をしてください。

Q. 移植に失敗した場合も「1回」としてカウントされますか?

はい、妊娠しなかった移植も回数にカウントされます。採卵後に全胚凍結した場合も、移植を行うたびにカウントが進みます。

Q. 自治体の上乗せ助成金はいつ申請すればよいですか?

多くの自治体では「治療完了後〇か月以内」という期限を設けています。治療が終わったタイミングで速やかに申請してください。期限を過ぎると申請できなくなる場合があります。

Q. 凍結胚の保存費用は助成対象になりますか?

凍結保存の費用は保険適用の範囲に含まれますが、保存期間延長のための年次費用は自費になる場合があります。詳細はクリニックに確認してください。

まとめ

不妊治療の助成金・保険適用における回数制限は、2022年の制度改正で大きく変わりました。旧制度の「年間2回・通算5年」という助成上限は廃止され、現在は「年齢と胚移植回数(40歳未満6回、40〜42歳3回)」が保険適用の枠組みになっています。

保険回数を使い切った後も医療費控除・自治体の上乗せ助成・保険外併用療養費などの制度を組み合わせることで、経済的負担を軽減できます。主治医と残り回数・費用の見通しを定期的に確認しながら、計画的に治療を進めることが大切です。制度は変更される可能性があるため、最新情報は厚生労働省の公式サイトやクリニックで確認することをおすすめします。

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※本記事の保険・助成金に関する情報は、厚生労働省の公表資料および一般的な制度解説に基づいています。制度の詳細・最新情報はクリニックまたは加入の健康保険組合にご確認ください。本記事は医療行為の推奨を目的とするものではありません。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/22更新:2026/5/2