
不妊治療の費用は1回の採卵で数十万円になることもあり、複数回重なると家計への影響は大きくなります。「何か費用を抑える方法はないか」——この記事では、経済的負担を軽減する5つの具体的な方法を、使い方と注意点とともに解説します。
この記事のポイント
- 保険適用・高額療養費制度・都道府県の助成・医療費控除・医療ローンの5つの方法と適用条件
- 5つを組み合わせることで、体外受精1回の実質負担を10〜15万円程度に抑えられるケースも
- 各方法の手続きの手順と、優先的に取り組むべき順番
方法1: 保険適用を最大限に活用する
2022年4月から体外受精・顕微授精・凍結融解胚移植が保険適用になりました。条件を満たす場合は3割負担で治療が受けられるため、まず「保険が使えるかどうか」を確認することが最初のステップです。
- 対象年齢: 女性43歳未満(治療開始時)
- 回数制限: 40歳未満は6回、40〜43歳未満は3回
- 対象者: 法律上の婚姻または事実婚のカップル
保険適用前の体外受精は1回30〜50万円が相場でしたが、適用後は5〜15万円程度(採卵のみ)に下がります。
方法2: 高額療養費制度で月の上限を設定する
保険診療の自己負担が1ヶ月の自己負担限度額を超えた分は、高額療養費として払い戻されます。採卵周期など費用が集中する月に特に有効です。
- 限度額適用認定証を事前取得すると、窓口での支払いを上限額に抑えられる
- 所得区分ウ(年収370〜770万円)の場合: 月約8万100円が上限
- 複数月にまたがる治療では「多数回該当(4ヶ月目から上限が下がる)」の制度も活用可
方法3: 都道府県・市区町村の助成制度を申請する
保険適用後も都道府県・市区町村が独自の助成制度を設けている場合があります。保険適用外の先進医療費や、保険回数を超えた費用の一部を補助するものが中心です。
- 申請先: 居住する都道府県・市区町村の担当窓口
- 内容は自治体ごとに異なるため、居住地の公式サイトで確認が必要
- 申請期限が設けられているため、治療後すぐに確認・申請を
方法4: 医療費控除で税金を取り戻す
不妊治療費(保険診療・自費・通院交通費)は医療費控除の対象です。1年間の医療費が10万円を超えた場合、超えた分の所得税率分が還付されます。
年間医療費 | 控除対象額 | 所得税率20%での還付目安 |
|---|---|---|
30万円 | 20万円 | 約4万円 |
70万円 | 60万円 | 約12万円 |
130万円 | 120万円 | 約24万円 |
夫婦のどちらかがまとめて申告し、収入の高い方が申告する方が還付額が多くなります。
方法5: 医療ローンで費用を平準化する
一括払いが難しい高額な採卵周期(保険外・先進医療等)は、医療ローンを利用して月々の支払いを平準化する方法があります。クリニックが信販会社(ジャックス・オリコ等)と提携している場合に利用可能です。
- 金利の目安: 2〜10%/年(商品により異なる)
- クレジットカードのリボ払い(15〜18%)より金利が低いケースが多い
- 総返済額(元本+金利)を確認してから契約する
5つの方法を使う優先順位
- 保険適用の確認(最優先・コスト削減効果が最大)
- 高額療養費の限度額認定証取得(採卵周期前に必ず手続き)
- 都道府県・市区町村の助成申請(治療後すぐに確認)
- 医療費控除の申告(翌年の確定申告で実施)
- 医療ローンの検討(一括払いが難しい場合のみ)
よくある質問
Q. 保険適用と高額療養費は同時に使えますか?
A. はい、使えます。保険適用(3割負担)→高額療養費(月の上限超過分を払い戻し)→助成制度→医療費控除という順で効果が重なります。
Q. 医療費控除と高額療養費は別々に申請するのですか?
A. 別々の手続きです。高額療養費は健康保険の窓口(または自動支給)、医療費控除は税務署への確定申告で申請します。
Q. 先進医療の費用も軽減できますか?
A. 先進医療費は保険・高額療養費の対象外ですが、医療費控除の対象です。また民間の先進医療保険特約でカバーできる場合があります。
まとめ
不妊治療の経済的負担を軽減するには、①保険適用の活用、②高額療養費制度、③都道府県の助成、④医療費控除、⑤医療ローンの5つを組み合わせるのが効果的です。特に②の限度額適用認定証は採卵周期前に必ず取得しておくことをおすすめします。これらを組み合わせると、体外受精1周期の実質負担を大幅に圧縮できます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。費用・制度の詳細は担当医・各行政窓口にご確認ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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