
「38歳での採卵、何個の卵子が取れますか?」「採卵数が少ないと妊娠は難しいですか?」――38歳の採卵に臨む方が最も気になる疑問に、実データで答えます。採卵数は年齢と卵巣予備能(AMH)で大きく変わりますが、「数が少ない=妊娠できない」ではありません。大切なのは得られた卵子をどう活かすかです。
この記事でわかること
- 38歳での平均採卵数のデータ
- 卵巣予備能(AMH・AFC)と採卵数の関係
- 少ない採卵数でも妊娠を目指す戦略
- 採卵数を最大化するための準備
- 1個しか取れなかった場合の対処法
38歳での採卵数|実データと統計
日本産科婦人科学会のARTデータおよび国内主要不妊治療専門施設のデータによると、38歳での採卵数の分布は以下の通りです:
採卵数 | 38歳での割合(目安) | 胚盤胞になる期待数 |
|---|---|---|
1〜3個 | 約30% | 0〜2個 |
4〜7個 | 約40% | 1〜3個 |
8〜12個 | 約20% | 2〜5個 |
13個以上 | 約10% | 3〜7個 |
※施設・刺激法・個人の卵巣予備能により大きく異なる。あくまで目安
38歳の平均的な採卵数は5〜8個程度とされていますが、個人差が非常に大きいです。重要なのは採卵数よりも「良質な胚盤胞の数」です。
卵巣予備能(AMH・AFC)と採卵数の関係
採卵数を最も左右するのは、卵巣予備能です。主な指標:
AMH(抗ミュラー管ホルモン):残存卵子数の指標
AMH値 | 卵巣予備能の評価 | 38歳での期待採卵数 |
|---|---|---|
2.0 ng/mL以上 | 良好 | 8〜15個 |
1.0〜2.0 ng/mL | 標準 | 5〜10個 |
0.5〜1.0 ng/mL | やや低下 | 3〜6個 |
0.5 ng/mL未満 | 低卵巣予備能 | 1〜3個 |
※AMHの正常値は年齢により異なる。数値は目安
AFC(胞状卵胞数):超音波で確認できる発育待機卵胞数。月経2〜3日目に計測。両側合わせて5〜10個が38歳の標準的な範囲とされます。
少ない採卵数でも妊娠を目指す戦略
採卵数が少ない(AMHが低い)場合でも、以下の戦略で妊娠を目指せます:
1. 複数回採卵による胚の蓄積(バンキング戦略)
1回の採卵で良質な胚盤胞が得られなくても、複数回採卵して凍結胚を蓄積してから移植する戦略。38歳では時間的余裕も考慮しながら計画を立てます。
2. 刺激法の最適化
- 低反応症例(AMH低い)には「アンタゴニスト法」や「自然周期法」が適している場合がある
- 刺激プロトコルは担当医師と相談して最適化する
- 前周期にPBCyst(避妊薬)を使うプライミングで採卵数が改善することも
3. 採卵後の培養戦略の最適化
- 受精方法(通常体外受精 vs 顕微授精)の選択
- Day3(分割期胚)vs Day5〜6(胚盤胞)移植の判断
- 胚培養環境(タイムラプスインキュベーター等)の活用
採卵数を最大化するための準備
採卵3〜6ヶ月前から取り組める準備:
- 葉酸補充:400〜800μg/日(厚生労働省推奨)
- CoQ10:600mg/日以上でミトコンドリア機能サポートの可能性
- ビタミンD:欠乏している場合は補充を検討
- 適正体重の維持:BMIが高すぎると採卵数・胚質の低下リスク
- 禁煙:喫煙は卵巣予備能・卵子の質に明確な悪影響
- 過度な運動の回避:激しい運動は卵巣機能に悪影響の可能性
採卵数が1〜2個だった場合の対処法
「1個しか取れなかった」という状況は精神的につらいですが、選択肢はあります:
- 得られた胚を大切に育てる:Day3で移植するかDay5まで培養するか担当医師と相談
- 次回採卵に向けての対策を立てる:刺激法の変更・サプリ・生活習慣改善
- 自然周期採卵:AMHが極めて低い場合、自然周期で1個ずつ確実に採卵する戦略も
- 他院へのセカンドオピニオン:低反応症例の専門クリニックへの相談
よくある質問
Q: 38歳でAMH 0.3 ng/mLです。採卵は難しいですか?
A: AMH 0.3は低卵巣予備能ですが、採卵・妊娠・出産に至っている方は多数います。1回の採卵数は1〜3個と少なくなりますが、良質な胚が1個あれば妊娠は可能です。低反応症例の経験が豊富な施設への相談を検討してください。
Q: 採卵数が多ければ多いほど良いですか?
A: 一概にそうではありません。大量採卵はOHSS(卵巣過剰刺激症候群)のリスクを伴います。38歳では質の良い胚を確実に得ることが量よりも重要です。
Q: 採卵前に性行為は控えるべきですか?
A: 担当医師の指示に従ってください。一般的に採卵前の性行為は問題ないことが多いですが、施設によって異なります。
まとめ
38歳での採卵数は平均5〜8個程度ですが、AMHや卵巣予備能によって個人差が大きいです。重要なポイント:
- 採卵数よりも「良質な胚盤胞の数」が重要
- AMH・AFCで採卵数をある程度予測できる
- 少数採卵でも胚蓄積戦略・刺激法最適化で妊娠を目指せる
- 採卵3〜6ヶ月前からの準備で次回の採卵結果改善を図れる可能性がある
免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。治療方針については必ず担当医師にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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