デュファストン錠5mgは、ジドロゲステロンを含む処方薬です。黄体機能不全による不妊症や、生殖補助医療での黄体補充など、複数の目的で使われます。副作用と思う症状があるときは、症状と服用の状況を処方元へ伝えてください。「多くは慣れる」「2週間は様子を見ればよい」と一律には決められません。
症状が出たときの相談・受診の目安
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 強い・悪化する腹痛、多量の出血、失神、呼吸が苦しいなど | 薬の副作用か妊娠の症状かを自分で分けず、直ちに受診する。差し迫った状態では救急の助けを求める |
| 出血・乳房痛・吐き気・眠気などが気になる | いつから、量や程度、薬を飲んだ時刻を記録して処方元へ相談。出血の色や眠気だけで妊娠を判定しない |
| むくみ・体重変化、発疹、黄疸や強いだるさなど | 薬以外の原因も含めて評価を受ける。続ければ軽くなると決めず早く相談する |
| 飲み忘れた・多く飲んだ・吐いてしまった | 服用時刻と量を確認し、患者向けガイドや処方元に相談。自分で2回分をまとめない |
| 陽性・出血・自己検査の陰性を理由にやめたくなった | 薬の目的と終了予定を治療先に確認する。自己検査だけで中止・増量を決めない |
添付文書の副作用は「頻度不明」です
2025年1月改訂の電子添文には、発疹・蕁麻疹、肝機能異常、悪心・嘔吐・食欲不振・腹痛・腹部膨満感・鼓腸・便秘、頭痛・眠気・浮動性めまい、膣出血・乳房痛、浮腫・倦怠感・体重増加が、いずれも頻度不明として挙げられています。
頻度不明は、非常にまれという意味でも、誰にでも多いという意味でもありません。PMDA:デュファストン錠5mgの電子添文(11.2)
体重増加も記載されています。ただし、体重が増えたことだけで薬が原因とは確定できません。むくみや体調、ほかの薬も伝え、急な変化やつらい症状があれば診療を受けます。
眠気やめまいがあるときは運転などを避けて相談し、就寝前にまとめて飲むなどの変更はしません。不調を我慢して次の定期受診まで待つ必要はなく、次の服用をどうするかも含めて処方元に連絡します。
出血や眠気だけで、妊娠・流産・薬の効果を決めません
服用中の症状には、薬以外の原因もあります。出血をすべて薬のせいとして放置したり、眠気・乳房痛を妊娠の証拠としたりしないでください。妊娠の判定は、製品や治療先が指定した時期の検査・必要な診療で確認します。
強い腹痛、多量の出血、失神などがあるときは、予定の判定日や次の服用時刻を待たず受診します。軽いと思う出血でも、妊娠の可能性や治療内容を伝えて相談してください。
処方目的により、用量・開始と終了が違います
電子添文の通常量は、黄体機能不全による不妊症などでは成人1日5〜15mgを1〜3回に分ける内容ですが、生殖補助医療の黄体補充では1回10mgを1日3回です。
子宮内膜症や早発排卵防止などにも別の用量があります。「妊活中なら1錠を2〜3回」と一括りにせず、今回の目的と1回量・回数を確認します。記載量を見て自分で処方を変えるための説明ではありません。
生殖補助医療の黄体補充の通常期間も、新鮮胚移植は採卵日から、自然周期の凍結胚移植は排卵日から妊娠成立(妊娠4〜7週)まで、ホルモン補充周期の凍結胚移植は内膜が十分な厚さとなった時点から最長妊娠12週までと区別されています。
自分の終了日は、ほかの薬も含め治療先の指示で確認してください。全員が陽性で中止・12週まで継続という意味ではありません。PMDA:患者向医薬品ガイド(2〜3ページ)
飲み忘れたとき・飲み方が分からないとき
患者向けガイドは、飲み忘れに気づいたら1回分を飲み、次の服用時間が近い場合は1回とばして次の時間に1回分を飲むこと、決して2回分を一度に飲まないことを説明しています。
何度も忘れた、吐いた、指示と違う量を飲んだなどの場合は、日時・量を伝えて相談します。「近い」が何時間か分からないときも確認してください。
同ガイドの飲み方は水またはぬるま湯です。食後でないといけない、吐き気なら食後や就寝前に変えればよい、と全員に同じ変更を勧めません。服用予定が生活に合わないときは、処方元・薬剤師と続けられる方法を相談します。
薬・食品の飲み合わせは、実際のものを伝えます
ほかの処方薬、市販薬、漢方、サプリを使う場合は、デュファストンを服用していることを医師・薬剤師へ伝えます。薬の代謝酵素の説明だけから、すべての食品との相互作用や禁止を決めることはできません。具体的な商品名・量で確認してください。
肝臓・心臓・腎臓の病気やポルフィリン症、妊娠の可能性、授乳についても伝えます。重篤な肝障害・肝疾患のある方は、この薬の禁忌です。自分の既往歴や検査値が該当するか分からない場合も、処方元へ確認します。
妊娠中の安全性や流産予防を、保証する薬ではありません
電子添文には、黄体ホルモン剤の使用と先天異常との因果関係はいまだ確立していないという注意が記載されています。「催奇形性がない」「赤ちゃんへの悪影響はない」と保証する説明にはしません。一方、注意の記載を見て自分で有害と判断し中止することも避け、今回の目的・利益とリスクを処方医に確認します。
ほかの黄体ホルモン製剤の研究や推奨は、成分・投与経路・対象が異なれば、この薬の効果を直接示しません。流産予防の研究名や「天然に近い」という表現だけで、個人の妊娠継続を保証できません。出血などをすべて薬で防げるという意味でもありません。
基礎体温や症状の強さで、増減・終了を決めません
電子添文の薬理の説明では、基礎体温を上昇させる作用は認められていません。体温が上がらないから薬が効かない、眠気が強いほど効いている、とは判定しません。体温だけで黄体機能不全を自己診断せず、服用状況を伝えて必要な評価を受けます。
患者向けガイドは、体調がよくなったからと自分で中止・減量すると、病気の悪化や十分な効果が得られない場合があると説明しています。中止すれば必ず流産するという意味ではありません。不安や副作用の相談を含め、指示と異なる扱いをする前に連絡しましょう。
出典と確認日
2026年10月26日に、PMDAの電子添文(2025年1月第8版)と患者向医薬品ガイド(2024年7月)を確認しました。副作用の頻度や個人の原因を推定する記事ではなく、医師による本記事の個別監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。