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卵子凍結vs卵巣組織凍結|それぞれの特徴

2026/4/19

卵子凍結vs卵巣組織凍結|それぞれの特徴

この記事の情報取得日:2026年5月2日。妊孕性温存の選択肢として「卵子凍結」と「卵巣組織凍結」の両方を検討する方が増えています。それぞれの特徴・適応・成功率・リスクを比較し、どちらを選ぶべきかの判断基準を整理します。

この記事のポイント

  • 卵子凍結と卵巣組織凍結の手術・手順・適応の違い
  • 成功率・妊娠率データの比較(エビデンスベース)
  • どちらを選ぶべきか——年齢・疾患・状況別の判断基準

基本情報

卵子凍結と卵巣組織凍結はどちらも「将来の妊娠に備えて生殖機能を温存する」目的ですが、手法・適応・保険適用状況が大きく異なります。

比較項目

卵子凍結

卵巣組織凍結

対象

成熟卵子

卵巣皮質組織(卵子の前段階を含む)

手術の種類

経膣採卵(日帰り)

腹腔鏡手術(全身麻酔、入院の場合あり)

採卵前の排卵誘発

必要(約2週間)

不要(緊急実施が可能)

年齢制限

成人女性(35歳未満推奨)

思春期前の子どもにも適応可

主な適応

社会的卵子凍結・医学的温存

主にがん治療前の緊急妊孕性温存

日本での保険適用

一部適用(がん等医学的適応)

限定的

将来の使用方法

解凍→体外受精→移植

卵巣組織を体内に再移植(自家移植)

診療内容の特徴

それぞれの手順と特徴を詳しく比較します。

  • 卵子凍結の特徴
    • 排卵誘発(10〜14日)→採卵(日帰り)→ガラス化凍結の流れ
    • 成熟卵子をそのまま保存するため、解凍後の使用が比較的確立されている
    • 社会的目的(キャリア・未婚)での実施が一般化している
    • 採卵ごとに卵巣刺激を繰り返す必要があり、複数周期が必要なことも多い
  • 卵巣組織凍結の特徴
    • 腹腔鏡手術で卵巣皮質の一部を摘出→凍結保存→将来的に自家移植
    • 排卵誘発が不要で、化学療法・放射線治療開始前の緊急実施が可能
    • 思春期前の少女にも適用できる唯一の妊孕性温存法
    • 卵巣組織の再移植後に卵巣機能が回復し、自然妊娠につながることもある
    • 再移植時にがん細胞が混入するリスクがある(血液がん患者では特に注意)

口コミ・評判の傾向

卵子凍結はクリニックへの口コミが豊富ですが、卵巣組織凍結は実施施設が限られているため情報が少ない傾向があります。

  • 卵子凍結の口コミ傾向:採卵時の痛み・採卵数の期待値との乖離・スタッフ対応への評価が多い
  • 卵巣組織凍結:実施施設が大学病院・がん専門病院に限られているため、患者口コミより担当医への信頼が判断基準になる
  • 注意事項:両手法を比較した口コミは少ない。医師のガイダンスに基づいて選択することが最も重要

費用の目安

二つの方法で費用体系が大きく異なります。

費用項目

卵子凍結

卵巣組織凍結

初回〜採卵/摘出

30万〜50万円/周期

20万〜40万円(手術費含む)

年間保存料

3万〜5万円/年

3万〜5万円/年(施設による)

将来の使用(移植)

20万〜35万円(体外受精)

10万〜30万円(自家移植手術)

保険適用

がん等医学的適応は一部保険

限定的

がん治療前の妊孕性温存は「小児・AYA世代がん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」(国・都道府県の助成)の対象となる場合があります。

受診時のポイント

どちらを選択するかは状況によって異なります。以下の判断基準を参考にしてください。

  • 卵子凍結を選ぶ場合:社会的理由(将来への備え)・医学的理由でも十分な時間がある・成人女性で卵巣予備能が十分ある
  • 卵巣組織凍結を選ぶ場合:がん治療開始まで時間がない(緊急)・思春期前の患者・卵巣予備能が低くて採卵できない
  • 両方を組み合わせる場合:時間的余裕があれば、採卵と卵巣組織摘出を同時に行う施設もある
  • 施設選び:卵巣組織凍結は「日本がん・生殖医療研究会(JSFP)」登録施設での実施を推奨

アクセス情報

卵巣組織凍結に対応できる施設は限られています。

  • 日本がん・生殖医療研究会(JSFP):卵巣組織凍結を含む妊孕性温存の登録施設一覧。jsfp.org
  • 日本産科婦人科学会:妊孕性温存ガイドライン。jsog.or.jp
  • がん専門病院・大学病院:がん治療と生殖医療の連携が取れる施設に相談
  • 費用助成の相談窓口:都道府県のがん・生殖相談窓口に問い合わせ

よくある質問(FAQ)

Q1. 卵子凍結と卵巣組織凍結、どちらの方が妊娠率が高いですか?

単純な比較は困難です。卵子凍結は技術的に確立されており、35歳未満では凍結卵子1個あたり5〜10%の出産率が報告されています(Doyle et al., 2016)。卵巣組織凍結の再移植後の出産率は累積30〜40%と報告されるケースもありますが(Donnez et al., 2021)、患者の状況・適応が大きく異なるため直接比較はできません。

Q2. がんと診断されました。どちらを選ぶべきですか?

化学療法・放射線治療の開始まで時間がある場合は卵子凍結が第一選択です。時間がない・未成年・採卵困難な場合は卵巣組織凍結が選択肢になります。がんの種類・治療計画・年齢を踏まえ、腫瘍科医と生殖医療専門医が連携して判断します。主治医に妊孕性温存について積極的に相談してください。

Q3. 卵巣組織凍結の再移植でがんが再発するリスクはありますか?

血液がん(白血病・リンパ腫)では凍結した卵巣組織にがん細胞が混入するリスクが報告されています。固形がん(乳がん・子宮がんなど)では混入リスクは低いとされていますが、ゼロではありません。がんの種類に応じたリスク評価が必須です。

Q4. 社会的卵子凍結目的で卵巣組織凍結は選べますか?

技術的には可能ですが、日本では現状、卵巣組織凍結は主にがん治療等の医学的適応に対して実施されています。社会的目的での実施は倫理的・実務的にハードルが高く、コストも考慮すると通常の卵子凍結が第一選択です。

Q5. 卵子凍結と卵巣組織凍結を同時に実施できますか?

可能な施設があります。採卵を先に行い、同日または直後に腹腔鏡手術で卵巣組織を採取する方法です。最大限の温存が可能ですが、身体的負担・費用が増加します。がん治療前の緊急性が高い場合など、限定的な状況で検討されます。

まとめ

卵子凍結と卵巣組織凍結は目的は同じでも、手順・適応・リスクが全く異なります。社会的卵子凍結には卵子凍結が確立された選択肢です。がん治療前の緊急温存・未成年・採卵困難例では卵巣組織凍結が重要な選択肢になります。

どちらが適しているかは年齢・疾患・時間的余裕・卵巣予備能を総合的に評価した上で、生殖医療専門医が判断します。自己判断は禁物で、早めの専門医相談が最も重要です。

特にがん診断を受けた直後は、治療開始前に妊孕性温存についての相談を主治医に申し出ることを躊躇わないでください。

【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。医療上の判断は必ず医師にご相談ください。掲載情報は2026年5月2日時点のものです。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2