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二段階胚移植とは?|着床率向上の方法

2026/4/19

二段階胚移植とは?|着床率向上の方法

二段階胚移植(2段階胚移植)は、着床率の向上を目的として日本で広く実施されている体外受精の胚移植技術です。通常は1段階で行う胚移植を2回に分けて行うことで、子宮内膜の着床環境を整える「シグナル効果」を期待するものです。適応条件・実際の方法・最新のエビデンスを解説します。

この記事でわかること

  • 二段階胚移植の仕組みとメカニズム
  • 通常の単一胚移植との違い
  • 適応となるケースと向かないケース
  • 着床率への影響:最新エビデンス
  • 費用と保険適用の状況

二段階胚移植とは:基本のしくみ

二段階胚移植は、1回の採卵周期または凍結融解周期において、2個の胚を2回に分けて移植する方法です。

標準的な手順

  1. Day 2〜3(初期胚移植):まず分割期胚(2〜8細胞期)を子宮腔内に移植。主目的は子宮内膜に着床シグナルを送ること
  2. Day 5〜6(胚盤胞移植):2〜3日後に胚盤胞を移植。このタイミングが実際の「着床を期待する移植」

なぜ2回に分けるのか

初期胚が子宮腔内を移動する際に分泌するシグナル分子(成長因子・サイトカイン等)が、子宮内膜の着床受容性を高めると考えられています。これを「パラクリン効果」または「ハッチング胚効果」と呼びます。

通常の単一胚移植との比較

項目

単一胚移植(SET)

二段階胚移植

移植回数

1回

2回(2〜3日間隔)

移植胚数

1個

合計2個(初期胚1+胚盤胞1)

多胎リスク

やや高(双胎の可能性あり)

通院回数

少ない

2回の移植手術が必要

着床率改善効果

標準

反復着床不全例で有効との報告あり

適応となるケース

二段階胚移植はすべての患者さんに推奨されるわけではありません。以下の条件に当てはまる場合に検討されます。

  • 反復着床不全(RIF):良好な胚盤胞を2〜3回以上移植しても着床に至らないケース
  • 子宮内膜の着床環境に問題が疑われるケース:ERA検査でズレが確認されていない場合の代替的アプローチ
  • 原因不明不妊で体外受精を繰り返しているケース

二段階移植が向かないケース

  • 初回の胚移植(まず通常移植で結果を見る)
  • 胚の数が少ない(2個以上の良好胚が必要)
  • 多胎妊娠を強く避けたい方(双胎リスクあり)
  • 子宮奇形・子宮内膜ポリープなど構造的問題がある場合(先に治療が必要)

着床率への効果:エビデンスの現状

有効性を示す研究

  • 日本の複数施設研究では反復着床不全例において単一胚盤胞移植と比較して臨床妊娠率が高い結果が報告されている
  • 初期胚が着床シグナルを出すことで胚盤胞の着床を促進する機序は動物実験でも確認されている

有効性に懐疑的な研究

  • ランダム化比較試験(RCT)では、全患者を対象とした場合に統計的に有意な差が見られないものもある
  • 多胎妊娠率の増加という副作用も考慮が必要

現在の臨床的スタンス

日本産科婦人科学会の見解では「反復着床不全例に対して有効な可能性がある」とされています。全例へのルーチン適用よりも、適応を絞った使用が推奨されます。

実際の手順と注意事項

自然周期の場合

  1. 排卵確認(超音波・尿中LH検査)
  2. 排卵2〜3日後(Day 3):初期胚移植
  3. 排卵5〜6日後(Day 5-6):胚盤胞移植

ホルモン補充周期の場合

  1. エストロゲン投与で子宮内膜を厚くする
  2. プロゲステロン開始3日後:初期胚移植
  3. プロゲステロン開始5〜6日後:胚盤胞移植

各移植後の安静期間はクリニックの方針によりますが、一般的に移植当日は軽い安静、翌日から通常の生活に戻れます。初期胚移植後の激しい運動・性交渉は控えることを推奨するクリニックが多いです。

費用の目安

項目

費用の目安

保険適用

凍結融解胚移植(1回)

10万〜20万円(自費の場合)

条件により保険適用あり

二段階胚移植の追加費用

2万〜5万円程度

多くの場合自費

2022年の保険適用拡大で体外受精・胚移植は保険診療の対象となりましたが、二段階胚移植の「追加技術料」部分は自費となるケースが多いです。詳細は担当クリニックに確認してください。

よくある質問

Q. 二段階胚移植で双子になりやすいですか?

2個の胚を移植するため理論上は双胎の可能性があります。ただし初期胚が着床することは少なく、実際の双胎率は2つとも胚盤胞移植するより低いとされています。担当医とリスクを十分に話し合ってください。

Q. 初期胚が着床した場合はどうなりますか?

初期胚が着床し胚盤胞も着床すれば双胎となる可能性があります。多胎妊娠を回避したい場合は担当医に相談してください。

Q. ERA検査との違いは何ですか?

ERA検査は「着床の窓」(子宮内膜受容能のピーク時期)を特定するための検査です。二段階胚移植は検査ではなく移植技術です。両者を組み合わせて使用することもあります。

Q. 反復着床不全ではない初回移植でも受けられますか?

技術的には可能ですが、初回移植では標準的な単一胚盤胞移植を試みることが一般的です。追加費用・双胎リスクを考慮した上で担当医と相談してください。

Q. 胚が1個しかない場合でも二段階移植はできますか?

二段階移植には初期胚1個と胚盤胞1個の計2個が必要です。胚が1個しかない場合は通常の単一胚盤胞移植を行います。

まとめ

二段階胚移植は、反復着床不全などの特定条件において着床率の改善が期待される技術です。初期胚が子宮内膜に着床シグナルを送り、後から移植する胚盤胞の着床環境を整える「パラクリン効果」がそのメカニズムです。全員に推奨されるわけではなく、適応の判断が重要です。胚移植を繰り返しても着床しない場合は、担当医に「二段階移植の適応があるか」を相談してみましょう。

免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療を推奨するものではありません。二段階胚移植の適応・方法は個々の状態により異なります。必ず担当医にご相談ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2