TRIO検査は、ERA・EMMA・ALICEを組み合わせて子宮内膜を調べる検査です。「原因が分かれば次は妊娠できる」と期待することもありますが、検査で所見が出ることと、その結果に沿った対応で赤ちゃんを迎える確率が上がることは分けて考える必要があります。
この記事は、確認できない受検者の発言を体験談として掲載せず、公表資料から受検前に聞きたい点を説明します。採取の痛みや結果、妊娠までの経過は一人ずつ異なります。
受けるか迷うときは、結果の使い道から確認します
| 迷っていること | 診療で確かめること |
|---|---|
| 移植がうまくいかない | これまでの経過と、追加検査で何を変える予定か |
| 3検査すべて必要か | それぞれの目的、期待できる利益、受けない選択 |
| 費用と日程が心配 | 本人の適用条件、採取周期、結果説明と追加費用 |
ERA・EMMA・ALICEは、同じことを調べる検査ではありません
提供元Igenomixは、これらをEndomeTRIOとして案内しています。ERAは子宮内膜の受容能を評価し、胚移植の時期を検討する検査です。EMMAは子宮内膜の細菌叢、ALICEは慢性子宮内膜炎に関連する細菌を調べる検査として説明されています。
受容能と微生物の検査は別の目的を持ちます。Igenomix:EndomeTRIOの患者向け案内
所見が出ても、それだけで不成功や流産の原因が一つに特定されるわけではありません。胚、子宮の形や病変、治療歴などの評価と併せ、担当医がどう解釈するかを聞きましょう。「良好胚を何回移植したら全員必須」という一律の回数で決めるものではありません。
検査の説明と、出生率に関する根拠を分けます
英国HFEAは、ERAなどの受容能検査について、ほとんどの患者で出生の可能性を高めるための評価を赤とし、治療効果を下げる可能性を挙げています。全員に利益が確認された検査とはいえません。
この英国での評価は、日本の承認・費用制度や、一人の結果を直接判定するものではありません。HFEA:子宮内膜受容能検査
HFEAの微生物検査に関する評価は、検査そのものの精度ではなく、結果後の抗菌薬・プロバイオティクス等の介入を対象としています。出生への利益を判断する質の高い根拠が十分でないとして、反復着床不成功などを含め灰色としています。
「細菌の割合が変わった」と「出生が増えた」は同じ成果ではありません。HFEA:微生物検査とその後の介入
細菌の割合や陽性という言葉だけで、自己治療を始めません
菌の検出や割合は、採取部位・方法、検査法、結果の解釈にも左右されます。ラクトバチルスが一定割合を下回れば必ず不妊の原因、関連菌が出れば必ず同じ抗菌薬を同じ期間、とは決められません。慢性子宮内膜炎をどう診断するか、ほかの所見や検査が必要かも確認します。
抗菌薬を使う理由、薬の副作用、再検査の必要性、いつ次の移植へ進むかを担当医に聞きます。不要な抗菌薬の反復には薬剤耐性などの問題があります。市販のサプリや手元の薬を、検査結果だけを根拠に追加しないようにしてください。
採取の痛み・周期・その後の連絡先を確認します
子宮内膜の検体を採る場合、痛みや腹部のけいれん、出血が起こることがあります。痛みが必ず軽い、採取後すぐに何をしてもよい、とはいえません。過去の内診や処置で強い痛み・失神があった場合も伝え、痛みへの対応や途中で止める方法を相談できます。
自然周期かホルモンを用いた周期か、採取日、薬の開始日時、3検査に使う検体、結果までの日数、移植の予定を確認します。全員が同じ日に採れ、必ず1〜2周期で治療に戻れるとは限りません。服薬時刻を忘れた場合は、自己調整する前に施設へ連絡します。
処置後に痛みが強くなる、出血が多くなる、発熱や悪臭のおりものがある場合は、予定の説明日まで待たず連絡・受診してください。帰宅前に、夜間や休診日の相談先も確認しておきましょう。
先進医療の対象かと、検査費用の負担を分けます
厚生労働省の2026年9月時点の一覧には、子宮内膜受容能検査1・2、子宮内細菌叢検査1・2の実施医療機関が掲載されています。「すべて完全自費」「TRIOなら誰でも保険で受けられる」とはまとめられません。
検査の正式名称、適応、届出のある施設、併用する治療など、自分の条件を施設に確認します。厚生労働省:先進医療Aの技術・実施医療機関
先進医療では、その技術に係る費用は全額自己負担で、条件を満たす通常の保険診療部分は保険の扱いになります。検査料のほか、採取、診察、薬、再検査、結果後の治療まで含めた見積もりを聞きましょう。届出や価格は変更されるため、全国共通の固定総額は示せません。厚生労働省:先進医療の費用の扱い
出典と確認日
2026年10月26日に提供元、HFEA、厚生労働省の説明を参照しました。検査の目的、治療後の効果、国内の費用条件を分けています。医師による本記事の個別監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。