
子宮鏡検査とは:子宮の内部を直接観察する検査
子宮鏡検査(ヒステロスコピー)は、膣から子宮口を通して細い内視鏡(子宮鏡)を子宮腔内に挿入し、子宮内部を直接観察する検査です。子宮内膜ポリープ・粘膜下筋腫・子宮内膜炎・子宮内の癒着・子宮奇形(中隔子宮など)を視覚的に確認できます。超音波検査で異常が疑われる場合や、反復着床不全・流産の原因検索として実施されます。
この記事でわかること
- 子宮鏡検査の流れと所要時間
- 痛みの実際と軽減するための準備
- 費用と保険適用の条件
- 検査後の過ごし方と注意点
- どんな異常が見つかるのか・見つかった場合の対処
検査の流れと所要時間
検査前の準備
- 受診タイミング:生理終了後3〜10日が最適(内膜が薄く観察しやすい)
- 前処置:子宮口を広げるための薬(ラミセル・ラミナリアなど)を前日に挿入する医療機関もある
- 鎮痛薬:検査前1時間にロキソニン等の服用を指示されることが多い
- 食事制限:外来で行う場合は通常不要
検査の手順
- 内診台に乗り、通常の内診と同じ体位をとる
- 外陰部・膣内を消毒する
- 子宮口に子宮鏡(直径3〜5mm程度)をゆっくり挿入する
- 生理食塩水または炭酸ガスで子宮を膨らませながら内部を観察する
- 異常があれば同時に組織採取・小型ポリープの切除が可能(手術的子宮鏡)
- 終了後、数分間の安静で帰宅可能
外来での検査時間は前処置を除き10〜20分程度です。麻酔なしで行う場合と静脈麻酔(日帰り手術として)で行う場合があります。
痛みのリアル:体験談ベースの評価
子宮鏡検査の痛みについては個人差が非常に大きく、「ほぼ痛みを感じなかった」という方から「生理痛より強い痛みがあった」という方まで幅があります。
痛みに影響する主な要因
- 子宮口の開きやすさ:出産経験のある方は子宮口が開いており、痛みが少ない傾向があります
- 子宮鏡の太さ:細径子宮鏡(3mm以下)を使用する施設では痛みが少ない
- 前処置(ラミセル等)の有無:前処置で子宮口を拡張しておくと挿入時の痛みが軽減されます
- 鎮痛薬の服用:事前のNSAIDs服用が有効
- 緊張度:緊張すると子宮頸管が硬直し、痛みが増します
痛みへの対策
- 前日から鎮痛薬(ロキソニン・セレコックス等)の服用可否を確認する
- 腹式呼吸で意識的にリラックスする
- ラミナリア前処置を医師に相談する
- 無麻酔でつらい場合は、静脈麻酔日帰り手術への変更を申し出る
検査で見つかる主な異常
子宮鏡検査で発見される主な異常と、それぞれの対処法について解説します。
異常 | 不妊への影響 | 治療 |
|---|---|---|
子宮内膜ポリープ | 着床の妨げになる可能性 | 子宮鏡下切除術 |
粘膜下筋腫 | 着床率・継続率低下 | 子宮鏡下筋腫切除術 |
子宮腔内癒着(アッシャーマン症候群) | 着床・胎盤形成の障害 | 子宮鏡下癒着剥離術 |
中隔子宮 | 流産率上昇 | 子宮鏡下中隔切除術 |
慢性子宮内膜炎 | 着床不全・流産との関連 | 抗生物質投与 |
費用と保険適用
子宮鏡検査の費用は、検査目的か治療目的かによって大きく異なります。
種類 | 保険適用時(3割負担) | 自費の場合 |
|---|---|---|
外来子宮鏡検査(観察のみ) | 約3,000〜6,000円 | 1.5万〜3万円 |
子宮鏡下ポリープ切除術 | 約1.5万〜3万円(日帰り) | 5万〜10万円 |
子宮鏡下粘膜下筋腫切除術 | 約5万〜10万円 | 20万〜40万円 |
不妊治療として実施される場合、2022年4月以降の保険適用範囲拡大で一部が保険適用になっています。治療内容と医療機関によって異なるため、受診前に確認しましょう。
検査後の過ごし方と注意点
外来での子宮鏡検査は終了後30分程度の休憩で帰宅できます。
当日の注意点
- 少量の出血・軽い腹痛は正常な反応です
- 入浴は当日は控え、シャワーにとどめる
- 激しい運動・性生活は1週間控える
- 発熱・大量出血・強い腹痛がある場合は速やかに受診
次の妊活への影響
検査のみであれば翌月から妊活を再開できます。ポリープ切除などの処置を行った場合は、子宮内膜が回復する1〜2周期後から移植・タイミング法を再開するケースが多いです。
体験談:子宮鏡検査を受けた感想
痛みについて
「ロキソニンを事前に飲んでいったので、内診よりちょっと痛い程度で終わりました。モニターで自分の子宮内部が見えて不思議な感覚でした」(30代女性・経産婦)
「未経産でラミセル前処置なしでの検査だったため、挿入時にかなり痛みました。先生に伝えると速やかに処置してくれましたが、次回は麻酔ありにしてほしいと伝えました」(30代女性・未経産)
見つかった異常について
「小さなポリープが2個見つかり、その場で切除してもらいました。それまで3回の移植がすべて陰性だったのですが、切除後の移植で初めて着床しました」(30代女性)
よくある質問
Q1. 子宮鏡検査は毎回受ける必要がありますか?
毎回受ける必要はありません。超音波で異常が疑われる場合、移植を繰り返しても着床しない場合などに実施します。前回の検査から長期間経過している場合は再検査を提案されることがあります。
Q2. 生理中に子宮鏡検査は受けられますか?
生理中は子宮内膜が厚く出血もあるため、観察が困難です。通常は生理後3〜10日が推奨されます。
Q3. 子宮鏡と子宮卵管造影(HSG)の違いは?
子宮鏡は子宮腔内を直接観察します。HSGは卵管の通過性を造影剤で確認します。目的が異なるため、どちらか一方で代替することはできません。
Q4. 子宮鏡検査中に何かが飛び込む感覚がするのですが正常ですか?
子宮腔を広げる生理食塩水が充満する感覚として、腹部の張り・圧迫感を感じることがあります。正常な反応です。
まとめ:子宮鏡検査で子宮内環境を整える
子宮鏡検査は外来で短時間(20分程度)に完結する比較的低侵襲な検査です。特に反復着床不全・習慣流産の患者にとって、子宮内の異常を直接確認できる重要なステップです。検査時の痛みは個人差がありますが、事前の鎮痛薬服用・前処置で軽減できます。
免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療の推奨ではありません。子宮鏡検査の適応・方法・費用は医療機関によって異なります。必ず担当医師にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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