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【体験談】原因不明不妊と言われた|検査の記録

2026/4/19

【体験談】原因不明不妊と言われた|検査の記録

検査を一通り受けたのに「特に問題は見当たりません」と言われる経験は、思っている以上に辛いものです。原因不明不妊(機能的不妊)と診断された方の多くが、「何が悪いか分からないから直しようがない」という無力感を感じています。この記事では、原因不明不妊の実態と、検査で何が分かり何が分からないのかを整理します。

この記事でわかること

  • 「原因不明不妊」と診断される頻度と背景
  • 標準的な不妊検査で分かること・分からないこと
  • 原因不明不妊の方が受けた追加検査の体験談
  • 原因不明でも妊娠できる可能性と治療方針

原因不明不妊とは|どれくらいの割合で診断される?

不妊カップルの10〜20%は、標準的な不妊検査(ホルモン検査・精液検査・子宮卵管造影・排卵確認)をすべて行っても明確な原因が見つからない「原因不明不妊(unexplained infertility)」と診断されます。

「原因不明」とは「本当に異常がない」のではなく、「現在の検査技術では特定できない微細な問題がある」ことを意味します。受精のメカニズム・着床の分子レベルの変化・免疫的な拒絶反応など、標準検査では評価できない要素が多数存在します。

標準的な不妊検査の限界|何が分からないのか

代表的な検査と、それでは「見えない部分」を整理します。

標準検査

分かること

分からないこと

ホルモン検査(FSH/AMH等)

卵巣予備能・排卵機能

卵子の質・遺伝子異常

精液検査

精子数・運動率・形態

DNA断片化・受精能力

子宮卵管造影(HSG)

卵管の通過性・子宮形態

卵管の機能・線毛の動き

卵胞モニタリング

排卵の有無

卵子の成熟度・染色体状態

子宮鏡検査

子宮内腔のポリープ・癒着

慢性子宮内膜炎(微細炎症)

原因不明に隠れている可能性があること

「検査で異常なし」と言われた後、追加検査で原因が見つかるケースがあります。

  • 慢性子宮内膜炎(CEI):症状がほとんどなく、通常の培養検査では検出できない。ALICE検査や子宮内膜生検の免疫組織染色で発見されることがある。不妊女性の30〜40%に認めるという報告もある
  • 精子DNA断片化:精液検査が正常でも、精子の核内DNAが損傷していると受精・着床・胚発育に影響する。精子DNA断片化率検査(SDFI)で評価可能
  • 子宮内膜着床の窓のずれ(ERA検査):胚移植のタイミングが着床の窓と合っていない場合
  • 抗リン脂質抗体症候群:血栓傾向があり着床・妊娠継続に影響する自己免疫疾患。血液検査で診断可能
  • 軽度の卵子・精子の受精能力低下:体外受精の顕微授精(ICSI)段階で初めて分かることがある

「原因不明と言われた」方のリアルな声

原因不明不妊の方から共通してよく聞かれる言葉があります。「どこかが悪いなら直せるのに、異常なしと言われても何もできない感じがした」というものです。原因が分からないことへの不安と、治療の方向性が定まらないもどかしさが重なる経験は、データとしては「異常なし」でも心理的には非常に辛い状況です。

一方で、「原因不明だったけれどステップアップしたら妊娠した」という方も多く、治療の進め方次第で状況が変わることがあります。原因不明という診断は「治療できない」ではなく「より積極的な方法を試す時期」とも読み替えられます。

原因不明不妊の治療の進め方

日本産科婦人科学会のガイドラインでは、原因不明不妊に対して以下の段階的アプローチが推奨されています。

  1. タイミング療法の継続(6周期まで):検査後も排卵日に合わせたタイミング法を試みる
  2. 排卵誘発+タイミング(2〜3周期):クロミフェン・レトロゾールで卵の質と数を改善
  3. 人工授精(3〜6回):精子を直接子宮内に注入し受精の機会を増やす
  4. 体外受精:受精の瞬間を体外で確認でき、胚の質も評価可能。原因不明不妊には最も診断的価値が高い

よくある質問

Q. 原因不明と言われたら別のクリニックへ行くべき?

セカンドオピニオンは権利であり、有効な選択肢です。特に高度不妊治療(体外受精)の経験が豊富な専門クリニックへの転院を検討する価値があります。転院が「裏切り」ではなく「情報収集」と割り切って動ける環境を作ることが重要です。

Q. 追加で受けるべき検査はある?

標準検査に加えて検討価値がある検査:精子DNA断片化率(SDFI)、ALICE検査(慢性子宮内膜炎)、ERA検査(着床の窓)、抗リン脂質抗体、甲状腺抗体(橋本病等)、子宮鏡検査です。担当医と「標準検査では何が分からないのか」を明示的に確認し、追加の選択肢を相談しましょう。

Q. 何年まで待つべきか目安はある?

年齢が最大の制約因子です。35歳未満で1年間試みても妊娠しない場合、35歳以上なら6ヶ月で不妊専門医への受診が推奨されます(ASRM 2021基準)。原因不明の場合でも「時間を使い切らない」ことが最重要です。

Q. 体外受精で初めて受精しないと分かることがある?

はい。体外受精で採卵・受精を試みると「受精しない(受精障害)」や「胚が成長しない(培養停止)」などの問題が初めて分かることがあります。これは標準的な不妊検査では確認できない情報であり、体外受精が「治療」でありながら「診断」でもある理由です。

Q. 精神的にしんどいとき、どうしたらいい?

「原因不明」という結果を受け取ったときの無力感・怒り・悲しみはごく自然な感情です。不妊専門のカウンセラー・心理士や、同じ経験をもつ患者コミュニティ(NPO法人Fine等)に繋がることで、孤独感が和らぐことがあります。感情のケアは治療の一部であり、弱さではありません。

まとめ

「原因不明不妊」という診断は、終わりではなく「次のステージへ進む合図」と理解することが大切です。標準検査の限界を知り、慢性子宮内膜炎・精子DNA断片化・着床の窓のずれなどの追加的な原因を調べながら、段階的に治療をステップアップしていく方針が有効です。原因が分からないことの辛さを抱えながらも、担当医と率直に話し合い、必要であればセカンドオピニオンを求める勇気が道を開きます。

免責事項:本記事は医療情報の提供を目的とした一般情報です。個別の医学的判断・診断・治療方針については、必ず担当医にご相談ください。情報の正確性には細心の注意を払っていますが、医学の進歩により内容が変わることがあります。(情報取得日:2026-05-02)

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2