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子宮内癒着の検査方法|子宮鏡の活用

2026/4/19

子宮内癒着の検査方法|子宮鏡の活用

子宮内癒着(アッシャーマン症候群)の確定診断には子宮鏡検査が必須です。超音波検査や子宮卵管造影(HSG)では見落とされる軽度の癒着も、子宮鏡であれば直視下で確認できます。月経量の急減・不妊・流産を繰り返している場合は、早めの専門受診が予後改善の鍵です。

この記事のポイント

  • 子宮内癒着の診断に使われる各検査法の精度と特徴
  • 子宮鏡検査の流れ・痛み・費用の実際
  • 検査結果に応じた治療選択と妊娠への影響

子宮内癒着とはどういう状態か

子宮内癒着(子宮腔内癒着・シネキア)とは、子宮内膜が部分的または完全に癒着(線維化)し、子宮腔が狭窄または閉塞した状態です。流産・人工妊娠中絶後の掻爬術、帝王切開、子宮筋腫手術、子宮内膜炎などを契機に発症します。

日本産科婦人科学会の統計では、繰り返し掻爬術を受けた女性の20〜30%に何らかの程度の癒着が生じると報告されています。月経量の著しい減少・無月経・反復流産・不妊の原因として、見落とされやすい疾患です。

子宮内癒着を疑うべき症状

  • 月経量の急激な減少(子宮内手術後)
  • 無月経(経血の流出経路が塞がれている)
  • 月経痛の増悪(子宮内で経血が滞留)
  • 不妊(着床環境の悪化)
  • 習慣性流産(2回以上の流産)

子宮内癒着の検査方法を比較

子宮内癒着の検査は複数あります。それぞれの精度・特徴を理解し、適切な組み合わせで診断することが重要です。

検査法

感度

特徴

費用目安(3割)

子宮鏡検査

90〜95%

直視下。診断+治療が同時可能

5,000〜1万5,000円

ソノヒステログラフィー(SIS)

80〜85%

外来で手軽。スクリーニングに適切

3,000〜6,000円

子宮卵管造影(HSG)

75〜80%

卵管評価と同時実施可能

3,000〜8,000円

経腟超音波

40〜60%

軽度癒着は見落とし多い

1,000〜3,000円

MRI

50〜60%

癒着の範囲評価・鑑別に補助的

5,000〜1万5,000円

子宮鏡検査の詳細|最も重要な検査法

子宮鏡検査(ヒステロスコピー)は、細いスコープ(直径2〜5mm)を子宮頸管から挿入して子宮腔内を直視する検査です。子宮内癒着の診断においてゴールドスタンダードとされています。

検査の流れ

  1. 前処置:子宮頸管拡張(必要に応じて)。外来では前日に頸管拡張器を挿入するクリニックもある
  2. 麻酔:細径スコープでは局所麻酔または無麻酔で実施可能。静脈麻酔も選択できるクリニックあり
  3. 観察:生理食塩水または炭酸ガスで子宮腔を拡張しながら内腔全体を観察(10〜20分)
  4. 診断・記録:癒着の位置・範囲・性状を記録。写真・動画撮影で後日説明
  5. 治療(必要な場合):軽度の癒着はその場で剥離することも可能

痛みについて

外来での子宮鏡検査(細径スコープ使用)は、月経痛と同程度の軽い痛みとされる方が多いです。ただし子宮頸管狭窄がある場合、子宮頸管の拡張時に強い痛みを感じることがあります。鎮痛剤の事前服用や静脈麻酔の使用について、事前にクリニックに相談してください。

最適な実施時期

  • 月経直後(月経終了後2〜3日)が視野が明瞭で最適
  • 月経中・排卵期以降は子宮内膜が厚くなり観察しにくい
  • 妊娠の可能性がある時期(排卵後)は避ける

ソノヒステログラフィー(SIS)|子宮鏡前のスクリーニング

SISは、子宮腔内に生理食塩水を注入しながら経腟超音波で観察する方法です。子宮鏡ほどの精度はありませんが、より低侵襲で手軽に実施できるため、スクリーニングや術後フォローアップに適しています。

  • 適した用途:子宮鏡検査の前スクリーニング、術後の経過確認
  • 注意点:軽度の菲薄な癒着は見落とすことがある。陰性でも症状が強い場合は子宮鏡へ

癒着の重症度分類と治療方針

グレード

癒着の状態

推奨治療

術後妊娠率

軽度(I)

薄い膜状、1/4以下

子宮鏡下剥離+エストロゲン

70〜80%

中等度(II)

厚い癒着、1/4〜3/4

子宮鏡下剥離+バルーン+エストロゲン

50〜60%

重度(III)

広範囲閉塞・子宮内膜消失

複数回手術+再生療法検討

20〜40%

よくある質問(FAQ)

Q1. 子宮鏡検査はどこで受けられますか?

不妊専門クリニック・産婦人科病院のほか、婦人科内視鏡を専門とするクリニックで受けられます。「子宮鏡外来」「ヒステロスコピー外来」を設けている施設を選ぶと、診断から治療まで一貫して対応してもらいやすくなります。

Q2. 月経量が減ったのはいつ頃から受診すべきですか?

子宮内手術(掻爬術・帝王切開・筋腫核出)の後、2周期以上にわたって月経量が明らかに減少した場合は早めに受診してください。早期の癒着は治療しやすく、内膜の回復も良好です。

Q3. 子宮鏡検査後にすぐ妊活できますか?

診断目的の子宮鏡検査のみであれば、検査後の次の周期から妊活を再開できます。癒着剥離術を行った場合は、術後1〜2ヶ月間はエストロゲン療法とバルーン留置期間があるため、担当医の指示に従ってください。

Q4. 子宮鏡検査は保険適用ですか?

診断目的の子宮鏡検査は保険適用(健康保険)です。子宮鏡下癒着剥離術も保険対応の術式です。ただし、施設によって検査内容や加算費用が異なるため、事前に確認することをお勧めします。

Q5. 癒着の治療後に再発することはありますか?

中等度〜重度の癒着では、術後再癒着率が20〜30%と報告されています。術後のバルーン留置・IUD留置・エストロゲン療法は再癒着予防の標準的な対策です。術後1〜2ヶ月での子宮鏡または超音波による確認が推奨されます。

まとめ

子宮内癒着の診断は子宮鏡検査が最も信頼性が高く、早期発見・早期治療が予後改善の鍵です。

  1. 子宮内手術後の月経量減少・無月経は早期に産婦人科専門医へ相談する
  2. 子宮鏡検査のある施設を選び、スクリーニング(SIS/HSG)との組み合わせで診断精度を高める
  3. 癒着の重症度に応じた治療(子宮鏡下剥離+再癒着予防)で妊娠率の回復を目指す

免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療の代替となるものではありません。症状・治療方針については必ず担当医にご相談ください。

次のステップ
子宮内癒着が疑われる場合は、子宮鏡設備を持つ不妊専門クリニックへの受診が第一歩です。初診時に手術歴・月経変化・妊娠歴を詳しく伝えると、適切な検査計画をスムーズに立てられます。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2