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子宮筋腫の検査方法|超音波からMRIまで

2026/4/19

子宮筋腫の検査方法|超音波からMRIまで

子宮筋腫の検査方法:超音波からMRIまで段階的に把握

子宮筋腫の検査は、経腟超音波検査(エコー)が第一選択です。筋腫の個数・大きさ・位置(粘膜下・筋層内・漿膜下)の把握にはMRI検査が最適で、手術前評価や悪性との鑑別(肉腫との区別)に用いられます。多くの検査は保険適用で受けられます。

この記事でわかること

  • 子宮筋腫を診断・評価する検査の種類と目的
  • 超音波・MRIで何がわかるか
  • 不妊・流産との関連で重要な「粘膜下筋腫」の見つけ方
  • 経過観察と治療介入の判断基準

子宮筋腫の基本:なぜ検査が重要か

子宮筋腫は、子宮の筋肉層(平滑筋)から発生する良性腫瘍です。30歳以上の女性の約20〜30%に認められ、婦人科疾患の中で最も頻度が高い腫瘍です(日本産科婦人科学会)。多くの筋腫は無症状ですが、位置・大きさによっては過多月経・不妊・流産の原因となります。

筋腫の場所と不妊への影響

分類

発生部位

不妊・流産への影響

粘膜下筋腫

子宮内膜直下

最も影響が大きい。IVF妊娠率が約50%低下するというデータあり

筋層内筋腫

子宮筋層内

内腔変形を伴う場合に影響。3cm以上で影響が出ることが多い

漿膜下筋腫

子宮の外側

内腔に影響しなければ不妊への直接影響は少ない

経腟超音波検査:日常診療の基本ツール

超音波検査は外来で即日実施でき、痛みもほとんどありません。費用は3割負担で500〜1,500円です。

超音波でわかること・わからないこと

超音波で確認できること:

  • 筋腫の数・最大径・おおよその位置
  • 筋腫による子宮腔の変形の有無
  • 血流の有無(ドプラ法)

超音波の限界:

  • 多発筋腫では全個数の把握が困難
  • 子宮の後ろ側や深部の筋腫は観察困難
  • 肉腫(悪性)との鑑別は超音波単独では限界あり

MRI検査:確実な全体評価と悪性鑑別

MRI検査は子宮筋腫評価の「ゴールドスタンダード」です。筋腫の数・大きさ・正確な位置の把握に優れており、手術方法の選択(子宮鏡手術・腹腔鏡手術・開腹手術)に欠かせない情報を提供します。

超音波とMRIの比較

比較項目

超音波

MRI

費用(3割負担)

500〜1,500円

1.5万〜3万円

放射線被曝

なし

なし

全体把握

△(大型・多発では困難)

悪性鑑別

○(肉腫との鑑別に有用)

即日実施

△(予約制が多い)

肉腫(悪性)との鑑別:MRIで何を見る?

子宮肉腫は子宮筋腫に似た外観を持ちますが、急速増大・閉経後の筋腫増大・MRI上の不均質信号(壊死を示す)が悪性を示唆します。ただし、術前にMRIで肉腫と筋腫を完全に区別することは現時点の医学でも困難なケースがあり、病理検査が確定診断となります。

ソノヒステログラフィー(SHG):粘膜下筋腫の確認

SHGは、子宮腔内に生理食塩水を注入しながら超音波で観察する検査です。粘膜下筋腫(子宮内腔への突出)の確認に特に有用で、不妊検査として実施されます。外来で実施可能で、費用は3割負担で3,000〜8,000円程度です。

血液検査:貧血評価と悪性マーカー

子宮筋腫による過多月経は鉄欠乏性貧血の原因となります。治療方針決定前に貧血の評価が必要です。

  • 血算(CBC):貧血の有無と程度を確認(Hg 10g/dL未満で中等度貧血)
  • LDH:肉腫(悪性)ではLDHが高値を示すことがある(感度は低い)
  • CA125:筋腫でも軽度上昇することがある。単独では悪性の診断には使えない

経過観察か治療か:検査結果をもとにした判断

子宮筋腫が見つかっても、すべてが治療対象ではありません。以下の基準を参考に医師と相談します。

経過観察で良いケース

  • 無症状で日常生活に支障がない
  • 筋腫径が5cm未満
  • 粘膜下筋腫でない(子宮内腔の変形なし)
  • 閉経が近い(閉経後は自然縮小が期待できる)

治療を検討すべきケース

  • 過多月経による高度貧血(Hg 8g/dL未満など)
  • 粘膜下筋腫による不妊・反復流産
  • 筋腫が急速増大している(肉腫の除外が必要)
  • 筋腫径10cm以上で閉塞症状(頻尿・便秘等)あり
  • IVF前の内腔形態改善が必要

よくある質問

Q. 子宮筋腫はがんですか?

A. 子宮筋腫は良性腫瘍です。「がんになる」ことはほとんどありません。ただし、子宮肉腫(悪性)は外見上筋腫に似ており、術前の完全な鑑別が困難なことがあります。急速な増大・閉経後の増大は必ず医師に相談してください。

Q. 子宮筋腫がある場合、妊娠はできますか?

A. 多くの場合、自然妊娠は可能です。ただし、粘膜下筋腫や大型の筋層内筋腫(子宮内腔変形あり)は着床・妊娠維持に影響します。不妊治療を行う前に筋腫の評価・必要に応じた治療が推奨されます。

Q. MRI検査は必ず受けないといけませんか?

A. 全員が必須ではありません。超音波で小さな単発筋腫が確認でき、無症状・妊娠希望なし・経過観察のみの場合はMRIは不要なこともあります。ただし、手術を検討する場合・多発/大型・悪性が疑われる場合はMRIが不可欠です。

まとめ

  • 子宮筋腫の基本検査は経腟超音波。位置・数の正確な把握にはMRIが必要
  • 粘膜下筋腫の確認にはSHG(ソノヒステログラフィー)が有効
  • 肉腫(悪性)との完全な鑑別は術前では困難なこともある
  • 過多月経による貧血の程度も治療判断に重要
  • 粘膜下筋腫・内腔変形ありの筋層内筋腫は不妊治療前の処置を検討

免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。検査・治療については必ず担当の医師にご相談ください。掲載している費用・基準値はあくまで目安です。

参考文献:日本産科婦人科学会「子宮筋腫取扱い規約」、Pritts EA, et al. Fibroids and infertility: an updated systematic review of the evidence. Fertil Steril. 2009;91(4):1215-23.

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2