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精子運動率が低いと言われたら?|改善策

2026/4/19

精子運動率が低いと言われたら?|改善策

精子運動率が低いと言われたら——検査結果の読み方と改善策

精液検査で「精子運動率が低い」と言われると、多くの男性がショックを受けます。しかし精子運動率の低下(精子無力症)は、男性不妊の中でも改善の余地があるケースが多い疾患です。まず数値の意味を正確に理解してから、具体的な対策を検討しましょう。

精子運動率の基準値——WHOの最新基準

精液検査の基準はWHO(世界保健機関)が定めています(2021年版・第6版より)。

項目

WHO基準値(2021年版)

精液量

1.4 mL以上

精子濃度

1600万/mL以上

総精子数

3900万以上

前進運動率(PR)

30%以上

総運動率(PR+NP)

42%以上

正常形態率

4%以上(Kruger厳格基準)

「前進運動率が30%未満」の状態を精子無力症(アステノスペルミア)と呼びます。

精子運動率が低い原因——主な7つ

  1. 精索静脈瘤:最多原因の一つ。精巣温度上昇により精子機能が低下
  2. 感染症・炎症:クラミジア、淋菌、精巣上体炎など
  3. 活性酸素(酸化ストレス):喫煙・過度の飲酒・肥満が促進
  4. ホルモン異常:テストステロン低下・甲状腺異常
  5. 生活習慣:慢性的な睡眠不足・ストレス・高熱の仕事環境
  6. 薬剤の影響:一部の降圧薬・抗うつ薬・ステロイドなど
  7. 原因不明(特発性):上記が明確でないケース。約30〜40%を占める

改善できること——生活習慣から医療まで

生活習慣の改善(3〜6ヶ月で効果を確認)

  • 禁煙:喫煙は精子DNAダメージ・運動率低下の強力なリスク因子
  • アルコールを控える:1日2杯以下が目安
  • 過熱を避ける:長時間の入浴、サウナ、ノートPC膝置き使用は精巣温度を上げる
  • 適度な運動:週3〜5回の有酸素運動でテストステロン改善効果
  • 体重管理:BMI 25以上の肥満は精子運動率低下と関連

サプリメント(エビデンス限定的だが安全性が高い)

  • L-カルニチン:精子運動に必要なエネルギー産生をサポート。1〜3g/日
  • CoQ10(コエンザイムQ10):ミトコンドリア機能・抗酸化作用。200〜600mg/日
  • 亜鉛・セレン:精子形成・機能に必要な微量元素
  • ビタミンC・E:酸化ストレス軽減

医療的治療

  • 精索静脈瘤手術:手術後3〜6ヶ月で精液所見が改善するケースが多い
  • 感染症治療:原因菌に応じた抗生物質治療
  • ホルモン療法:低テストステロン・下垂体機能低下症に対して

精子運動率と不妊治療——どの治療が向いているか

精子運動率の程度

推奨される治療

前進運動率20〜30%

タイミング法・人工授精(IUI)を検討

前進運動率10〜20%

IUIまたはIVF(体外受精)

前進運動率<10%

IVF+ICSI(顕微授精)が有力

動く精子がほぼない

ICSI(生存精子を選別)・TESEも検討

よくある疑問Q&A

Q. 1回の検査結果が悪かったら精子無力症ですか?

1回の検査だけでは判断しません。体調・禁欲期間(2〜7日が標準)・採取方法によって大きく変動します。2〜3回検査して確認することが推奨されます。

Q. 精子運動率は自然に改善することはありますか?

あります。特に一時的な疲労・風邪・発熱後に低下していた場合は回復します。生活習慣の改善でも3〜6ヶ月で数値が上がることがあります。

Q. 精子運動率が低いと子どもに遺伝しますか?

多くの場合、精子運動率は遺伝的な問題ではなく環境・後天的な要因です。ただしY染色体微小欠失など遺伝的原因が疑われる場合は遺伝カウンセリングを検討してください。

Q. 顕微授精(ICSI)すれば必ず妊娠できますか?

ICSIは精子の受精能力を補助しますが、妊娠は卵子の質・着床環境など多くの要因に依存します。成功率は年齢によって異なります。

Q. パートナーへの告知——どう伝えればよいですか?

精子の問題は恥ずかしいことではありません。不妊の原因の約半数は男性側にあります。夫婦でともに取り組む問題として、正直に共有することが長期的に良い結果につながります。

まとめ

精子運動率が低いと言われたら、以下の行動を取りましょう。

  1. 2〜3回の検査で現状を正確に把握
  2. 泌尿器科(男性不妊専門)に受診し、精索静脈瘤・感染症などの原因を確認
  3. 生活習慣の改善(禁煙・体重・過熱回避)を3〜6ヶ月継続
  4. 改善が見られない場合はIVF/ICSIを早めに検討

精子運動率は「数値」に過ぎません。夫婦で一緒に取り組むことが、最大の改善策です。

【免責事項】本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。治療方針については必ず担当医師にご相談ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2