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SEET法とは?|着床環境改善のための培養液注入

2026/4/19

SEET法とは?|着床環境改善のための培養液注入

SEET法(Sequential Embryo transfer with Endometrial stimulation Technology)は、胚盤胞移植の着床率を改善するために開発された日本発の生殖補助医療技術です。胚盤胞を培養した際に得られる「培養液」を子宮腔内に注入することで着床環境を整えます。この記事では、SEET法の仕組み・適応・効果・費用を解説します。

この記事でわかること

  • SEET法の仕組みと培養液注入のメカニズム
  • 二段階胚移植・アシステッドハッチングとの違い
  • SEET法が推奨される適応条件
  • 効果についての現在のエビデンス
  • 費用の目安と保険適用の有無

SEET法とは:1行で説明すると

胚盤胞を培養した培養液(胚が分泌したタンパク質・サイトカインを含む)を、胚盤胞移植の2〜3日前に子宮腔内に注入することで、子宮内膜の着床受容性を高める技術です。

名称の由来

  • Sequential(連続的な)
  • Embryo Endometrial Technology(胚と子宮内膜の技術)
  • Itoら(2014年)が日本で開発・報告した技術

SEET法のメカニズム

胚盤胞が分泌するシグナル物質(hCG・LIF・EGF・IGF-1等)を含む培養液を子宮内膜に先行注入することで、内膜が「胚を受け入れる準備」を前もって整えると考えられています。

理論的根拠

  • 自然妊娠では桑実胚・胚盤胞が子宮腔内を3〜4日かけて移動しながら子宮内膜とシグナルを交わす
  • 体外受精での単純な胚盤胞移植ではこのシグナル交換の時間が短縮される
  • SEET法は「自然妊娠の移行過程を模倣する」ことを目的としている

二段階胚移植との違い

項目

SEET法

二段階胚移植

子宮に入れるもの

培養液のみ(胚なし)

分割期胚(細胞あり)

双胎リスク

なし

あり(胚が着床する可能性)

必要な胚の数

胚盤胞1個(培養液は副産物)

初期胚1個+胚盤胞1個の計2個

SEET法が適応となるケース

適応条件

理由

反復着床不全(2〜3回以上の良好胚移植失敗)

着床環境の問題へのアプローチ

胚の質・染色体に問題がなく着床しないケース

子宮側の要因を補強するため

初回移植でも医師の判断により適応となる場合

クリニックの方針による

SEET法が向かないケース

  • 培養液が十分に得られない場合(胚盤胞培養が失敗した場合)
  • 子宮内に構造的問題(ポリープ・筋腫)がある場合(先に治療が必要)

効果についてのエビデンス

有効性を示す研究

  • Ito et al.(2014):SEET法施行群で対照群と比較して着床率・臨床妊娠率が有意に改善
  • 反復着床不全例でのサブグループ解析でも有効性が示されている研究あり

現時点での課題

  • 大規模RCT(ランダム化比較試験)の数がまだ限られている
  • 施設間での培養液の調製方法・注入タイミングに差がある
  • 国際的なガイドラインへの正式採用には至っていない

SEET法は特に日本国内の不妊治療クリニックで広く実施されており、臨床的な経験の蓄積が進んでいます。

SEET法の実際の手順

ホルモン補充周期の場合

  1. エストロゲン投与で子宮内膜を育てる(内膜厚8mm以上を目標)
  2. プロゲステロン開始3日目(Day 3):胚盤胞培養液を子宮腔内に注入
  3. プロゲステロン開始5〜6日目(Day 5-6):胚盤胞を移植

培養液の内容

  • 胚盤胞(または胚盤胞まで至らなかった胚)の培養上清液
  • 培養液中には胚由来のサイトカイン・成長因子が含まれる
  • 細菌培養液ではなく、胚の発育環境で産生されたシグナル物質

費用の目安

項目

費用の目安

保険適用

SEET法(培養液注入)

2万〜5万円程度

多くの場合自費

胚盤胞移植(保険適用の場合)

3割負担で数万円

条件により保険適用あり

SEET法単独は現在保険適用外の自費診療となるケースがほとんどです。保険診療との混合診療の問題があるため、クリニックに事前に確認してください。

よくある質問

Q. SEET法は痛いですか?

培養液の子宮腔内注入は細いカテーテルを使用します。多くの患者さんでは軽い違和感程度で、強い痛みを感じることは少ないとされています。

Q. SEET法と二段階胚移植はどちらが効果的ですか?

両者を直接比較したRCTは限られています。SEET法は双胎リスクがない点で優れており、二段階移植に使える胚が不足している場合の代替となります。担当医と状況を相談した上で選択してください。

Q. 培養液が少ない場合はSEET法を受けられますか?

培養液の量が十分でない場合は実施が難しいことがあります。担当医から事前に説明があります。

Q. SEET法をすれば必ず着床しますか?

SEET法は着床の補助技術であり、着床を保証するものではありません。胚の質・子宮内膜の状態・その他の要因も着床には影響します。

Q. SEET法は初回移植から受けられますか?

クリニックの方針により異なります。反復着床不全の方に推奨されることが多いですが、初回から提案するクリニックもあります。担当医に確認してください。

まとめ

SEET法は、胚盤胞の培養液を先行注入することで子宮内膜の着床環境を整える、日本発の生殖補助医療技術です。二段階胚移植と比較して双胎リスクがなく、使用する胚も1個で済む点が特徴です。反復着床不全のケースで特に検討される技術であり、費用は2万〜5万円程度で多くの場合は自費となります。担当医と適応を相談した上で判断しましょう。

免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療を推奨するものではありません。SEET法の適応・方法は個々の状態により異なります。必ず担当医にご相談ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2