
PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)の費用は、1回の採卵〜移植サイクルで総額40〜100万円前後(自費)が目安です。ただし2024年からの保険適用拡充や自治体の助成金を活用することで、実質的な負担を大幅に軽減できます。この記事では、費用の内訳から節約法まで詳しく解説します。
この記事のポイント
- PGT-A自体は自費(1胚あたり約5〜8万円)だが、体外受精部分は保険適用になりうる
- 反復流産・高齢など適応がある場合、先進医療として保険との併用が可能
- 都道府県・市区町村の助成金で30〜50万円の補助を受けられるケースあり
PGT-Aの費用総額|ズバリいくらかかるか
PGT-Aを含む体外受精サイクル全体の費用は、治療の組み合わせによって変わります。
ケース | 概算費用(目安) | 内訳 |
|---|---|---|
保険IVF + PGT-A先進医療 | 25〜45万円 | 保険部分8〜15万円 + PGT-A検査費10〜30万円 |
自費IVF + PGT-A | 50〜100万円 | 採卵・培養・移植含む全額自費 |
凍結胚移植(検査済み胚) | 5〜15万円(保険) | 移植のみ(採卵は別サイクル) |
※上記は参考値です。クリニックや治療内容によって大きく異なります。
費用の内訳|何にいくらかかるか
PGT-Aサイクルの費用は「体外受精の基本費用」と「PGT-A検査費」に分かれます。
体外受精の基本費用(保険適用の場合)
項目 | 保険点数目安 | 自己負担(3割) |
|---|---|---|
採卵術 | 約9,600点 | 約2.9万円 |
体外受精・顕微授精 | 約12,400点 | 約3.7万円 |
胚培養(5〜6日) | 約4,500点 | 約1.4万円 |
胚凍結保存 | 約5,000点/年 | 約1.5万円/年 |
凍結融解胚移植 | 約12,000点 | 約3.6万円 |
PGT-A検査費(先進医療または自費)
内容 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
胚生検(1胚あたり) | 3〜6万円 | 胚の一部細胞を採取 |
遺伝子解析費(1胚あたり) | 3〜6万円 | 染色体の数的異常を解析 |
合計(1胚あたり) | 5〜12万円 | クリニックによって差異あり |
複数胚を検査する場合は検査数分だけ費用が加算されます。採卵で5個の胚が得られた場合、検査費だけで25〜60万円になることもあります。
保険適用の条件と「先進医療」の仕組み
2022年4月以降、体外受精は保険適用(43歳未満、通算6回まで)になりましたが、PGT-A自体は基本的に自費です。ただし以下の条件を満たす場合、「先進医療B」として体外受精の保険診療と組み合わせることが可能です。
- 反復体外受精・胚移植不成功(2回以上の移植が着床しなかった)
- 反復流産(2回以上の流産歴)
- 夫婦どちらかに染色体構造異常がある
先進医療として実施した場合、体外受精部分は保険適用のまま、PGT-A部分のみ自費で支払うことになります。先進医療を実施しているクリニックかどうか事前に確認が必要です。
助成金・補助金の活用法
自費部分の負担を軽減するための公的支援制度があります。
国・都道府県の助成
- 特定不妊治療費助成(都道府県): 保険適用外の先進医療を含む一部費用を補助(上限額・対象は自治体により異なる)
- 高額療養費制度: 保険診療部分のみ適用。1ヶ月の自己負担上限(標準的所得で約8〜9万円)
市区町村の独自助成(代表例)
自治体 | 助成内容(例) | 上限額 |
|---|---|---|
東京都 | 先進医療費用の一部助成 | 年間30万円まで |
大阪府 | 特定不妊治療費助成 | 1回10万円×複数回 |
各市区町村 | 独自上乗せ助成あり | 自治体によって異なる |
※助成制度は頻繁に改定されます。必ず居住地の自治体窓口または公式サイトで最新情報を確認してください。
費用を抑えるための具体策
- 先進医療認定クリニックを選ぶ: 保険診療と先進医療の併用が可能になり、保険適用部分のコストを大幅削減
- 助成金の申請を忘れない: 申請期限がある場合が多い。治療前に居住地の制度を調べておく
- 採卵効率を上げる: 1回の採卵で多くの胚を得られれば、1胚あたりの採卵コストが下がる
- 医療費控除の活用: 確定申告で年間の医療費(保険外含む)が10万円超の場合、税還付が受けられる
よくある質問
Q. PGT-Aは保険で受けられますか?
PGT-A自体は保険の給付対象外(自費)ですが、条件を満たす場合に「先進医療」として体外受精の保険診療と組み合わせることが可能です。先進医療実施施設かどうかは事前にクリニックに確認してください。
Q. PGT-Aをやると1回で妊娠できますか?
染色体正常と判定された胚(正倍数性胚)を移植した場合の妊娠率は約60〜70%(年齢によって変動)とされ、一般的な体外受精より高い傾向があります。ただし1回で必ず妊娠できるわけではありません。
Q. 費用が高すぎます。何か安くする方法はありますか?
先進医療認定施設での保険+先進医療の組み合わせ、助成金申請、医療費控除が有効です。また複数の胚を1回の採卵で確保できると、1胚あたりのコストを下げられます。
Q. 保険適用での体外受精の回数制限はPGT-Aにも影響しますか?
保険適用の回数制限(43歳未満・通算6回)は体外受精・胚移植のカウントです。PGT-Aは先進医療として別途自費で行うため、保険のカウントに直接影響はありませんが、体外受精の保険枠を意識した計画的な治療が必要です。
まとめ
PGT-Aの費用は1サイクルで25〜100万円と幅がありますが、先進医療の活用・助成金申請・医療費控除の組み合わせで実質的な負担を軽減できます。費用の見通しをつけてから治療に臨むことが、経済的・精神的な安心につながります。まずはかかりつけクリニックで「先進医療対応か」と「助成金情報」を確認しましょう。
免責事項: 本記事の費用情報は参考値であり、実際の費用はクリニック・治療内容・保険適用状況によって異なります。必ず担当医師およびクリニックにご確認ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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