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無排卵の検査方法|基礎体温とホルモン

2026/4/19

無排卵の検査方法|基礎体温とホルモン

無排卵の検査方法:まず押さえる3つのポイント

無排卵の検査は、基礎体温の測定・ホルモン血液検査・超音波(エコー)検査の3本柱で行われます。無排卵は月経がある場合でも起こりうる「隠れた不妊原因」であり、自覚症状だけでは判断が難しいため、客観的な検査が不可欠です。多くの検査が保険適用(3割負担)で受けられます。

この記事でわかること

  • 無排卵を確認するための検査方法と流れ
  • 基礎体温だけでは限界がある理由
  • ホルモン検査の数値と判定の読み方
  • 無排卵の治療法と妊娠できる確率

無排卵とは:月経があっても排卵していないケース

無排卵(無排卵周期症)とは、月経様の出血があるにもかかわらず、排卵が起きていない状態です。日本産科婦人科学会の調査によると、不妊患者の約20〜30%に排卵障害が認められ、無排卵はその主要な原因の一つです。

無排卵が疑われるサイン

  • 基礎体温が二相性にならない(常に低温相)
  • 月経周期が35日以上または21日未満で不規則
  • 月経量が極端に少ない・または多い
  • ニキビ・多毛・肥満などの男性化症状(PCOS疑い)
  • 急激な体重変化・激しい運動・強いストレス

基礎体温(BBT)の限界と正しい読み方

基礎体温は自宅で行えるセルフモニタリングとして有用ですが、基礎体温だけでは無排卵の確定診断はできません。体温が二相性であっても実際には排卵していない「黄体機能不全」が隠れているケースもあります。

基礎体温グラフの特徴と意味

グラフのパターン

考えられる状態

必要な追加検査

常に低温(高温相なし)

無排卵の可能性が高い

ホルモン検査・超音波

二相性だが高温期が10日未満

黄体機能不全の疑い

プロゲステロン測定

二相性だがガタガタ

測定誤差または排卵障害

超音波での卵胞モニタリング

明確な二相性

概ね排卵あり

妊活中なら排卵日確認を推奨

ホルモン血液検査:無排卵の根本原因を特定する

無排卵の原因特定には、複数のホルモンを測定して脳下垂体・甲状腺・卵巣の機能を評価します。検査は月経2〜5日目(卵胞期早期)に採血するのが標準的です。

ホルモン

基準値(卵胞期)

異常値が示す状態

LH(黄体形成ホルモン)

1.76〜10.24 mIU/mL

高値:PCOS疑い 低値:視床下部性無排卵

FSH(卵胞刺激ホルモン)

3.01〜14.72 mIU/mL

高値:卵巣機能低下 低値:下垂体機能低下

プロラクチン(PRL)

3.0〜29.7 ng/mL

高値:高プロラクチン血症(無排卵の主要原因)

テストステロン(T)

0.1〜0.9 ng/mL

高値:PCOS・副腎疾患の疑い

TSH(甲状腺刺激ホルモン)

0.27〜4.20 μIU/mL

異常:甲状腺機能障害(排卵障害の原因)

特に高プロラクチン血症(PRLの高値)は見逃されやすい無排卵原因です。ストレスや抗精神病薬の影響でもPRLが上昇するため、再検査が必要なこともあります。

超音波(エコー)検査:排卵を「リアルタイム」で確認する

超音波検査(卵胞モニタリング)は、無排卵の確定診断において最も直接的な方法です。卵胞の成長過程と排卵の有無を実際に観察できます。

卵胞モニタリングの流れ

  1. 月経5〜7日目頃から卵胞サイズの計測を開始
  2. 通常は5〜7日おきに来院して卵胞径を測定(排卵直前期は2〜3日おき)
  3. 排卵直前には卵胞径が18〜24mm程度に達する
  4. 排卵後:卵胞消失・黄体出現・ダグラス窩の液体貯留で排卵を確認

PCOSの超音波所見

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合、超音波で卵巣内に12個以上の小卵胞(直径2〜9mm)が数珠状に並んでいる「ネックレスサイン」が確認されることがあります。PCOSは無排卵の最多原因疾患であり、日本人女性の5〜8%に認められます。

検査費用の目安

検査項目

3割負担の費用目安

ホルモン基本セット(FSH・LH・PRL・E2)

1,500〜4,000円

甲状腺機能検査(TSH・FT3・FT4)

600〜1,800円

超音波検査(経腟)

500〜1,500円/回

AMH検査(卵巣予備能)

自費:3,000〜8,000円

無排卵と診断された場合の治療選択肢

無排卵の治療は原因によって異なりますが、多くのケースで薬物療法が有効です。

原因別の主な治療アプローチ

  • PCOS:クロミフェン(内服排卵誘発薬)→ 反応不良の場合はゴナドトロピン注射・腹腔鏡手術(卵巣多孔術)
  • 高プロラクチン血症:カベルゴリン・ブロモクリプチンなどのドーパミン作動薬
  • 視床下部性無排卵(ストレス・低体重):体重回復・生活改善が最優先。改善しない場合は低用量エストロゲン補充
  • 甲状腺機能障害:甲状腺専門医との連携治療

クロミフェンによる排卵誘発では、適切な症例選択のもとで1周期あたりの排卵率70〜80%、妊娠率20〜25%(3〜6周期トータルで約50%)という成績が報告されています。

よくある質問

Q. 月経が毎月来ているのに無排卵なのですか?

A. はい、月経様の出血があっても排卵が起きていないケースは「無排卵月経」と呼ばれます。排卵しなくてもエストロゲンの影響で子宮内膜が増殖・剥離するため、月経に似た出血が起こります。月経周期が規則的でも安心できません。

Q. 基礎体温だけで無排卵かどうかわかりますか?

A. スクリーニングとしては有用ですが、確定診断はできません。基礎体温が二相性でも排卵していないケースがあり、逆に測定ミスで一相性に見えることもあります。超音波モニタリングと組み合わせた評価が確実です。

Q. 無排卵は自然に治りますか?

A. 原因によって異なります。ストレス・過度なダイエット・過激な運動が原因の場合、生活習慣改善で排卵が再開するケースがあります。PCOS・高プロラクチン血症などは医学的治療が必要です。

まとめ

  • 無排卵の確定診断には「基礎体温+ホルモン検査+超音波」の組み合わせが必要
  • 月経があっても無排卵は起こりうる(無排卵月経)
  • 高プロラクチン血症・PCOS・甲状腺機能障害が主な原因として注意すべき
  • 多くの検査は保険適用で1回あたり数百〜数千円で受けられる
  • 原因が判明すれば薬物療法で妊娠できる可能性は高い

免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。検査・治療については必ず担当の医師にご相談ください。掲載している基準値や費用はあくまで目安であり、医療機関によって異なります。

参考文献:日本産科婦人科学会「生殖医療ガイドライン」、The Rotterdam ESHRE/ASRM-Sponsored PCOS Consensus Workshop Group. Revised 2003 consensus on diagnostic criteria and long-term health risks related to polycystic ovary syndrome. Human Reproduction. 2004.

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2