
「LHサージ」という言葉を排卵検査薬のパッケージで見たことはありますか?LHサージとは、排卵を引き起こすホルモンが急激に上昇する現象です。このタイミングを正確につかむことが、タイミング法・人工授精・体外受精いずれにおいても妊娠率に直結します。仕組みから検出方法・活用法まで詳しく解説します。
この記事でわかること
- LHサージとは何か・なぜ重要か
- 排卵との時間的関係
- 排卵検査薬・血液検査での検出方法
- LHサージを見逃したときの対処法
- LHサージが検出されない場合の原因
LHサージとは — 排卵を「引き金」として起こすホルモン急上昇
LH(黄体形成ホルモン)は脳下垂体から分泌されるホルモンです。卵胞が成熟すると、エストロゲンが一定量を超えてフィードバックし、LHが急激に大量分泌されます。これをLHサージと呼びます。
- LHサージ開始から24〜36時間後に排卵が起きる(個人差あり)
- サージの持続時間は通常24〜48時間
- LHの最高値(ピーク)は排卵の約10〜12時間前
つまりLHサージを検出した日の翌日前後が排卵のタイミングで、最も妊娠しやすい窓となります。
検出方法 — 市販の排卵検査薬
市販の排卵検査薬(OTC-LHテスト)は尿中LH濃度を測定し、サージを検出します。使い方の要点です。
- 開始時期:生理周期から排卵予定日を計算し、その4〜5日前から使用開始(例:28日周期なら12〜14日目頃、早めに開始)
- 測定時間帯:午前10時〜午後8時が推奨。朝一番の尿はLH濃度が不安定なため不向き
- 判定方法:テストラインが基準線(コントロールライン)以上の濃さになれば陽性(サージ検出)
- 陽性後のアクション:陽性確認後24〜36時間以内にタイミングをとる。または翌日の超音波で排卵確認
主要製品の感度比較:ドゥーテストLH(日本製)は40 mIU/mL、海外製品(Wondfoなど)は20〜25 mIU/mLと高感度のものが多いです。
血液検査での精密検出
クリニックでは血液によるLH定量検査が可能で、尿検査より精密にサージを捉えられます。特に以下の場合は血液検査が有用です。
- 人工授精・体外受精のタイミング決定
- 排卵検査薬で陽性が出にくい・出ない場合
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で基礎LH値が高く、サージとの区別が難しい場合
超音波検査と組み合わせることで、卵胞サイズ(18〜20mm以上で排卵直前)とLH値を同時確認でき、タイミングの精度が大幅に向上します。
LHサージを見逃した場合の対処法
「陽性が出る前に排卵していたかも…」という場合の対処法です。
- 基礎体温との照合:高温相への移行が確認できれば排卵は済んでいる。その周期は次回に備える
- 頸管粘液の確認:卵白状粘液が出ていた日を遡ると排卵前後の目安になる
- 次周期は検査開始を早める:サージを見逃す原因の多くは検査開始が遅すぎること。次回は生理終了直後から使用開始する
- クリニックの超音波モニタリング:自己検査で捉えられない場合、クリニックで卵胞モニタリングを依頼する
LHサージが検出されない原因
検査薬で陽性が出ない場合、以下の可能性があります。
- 無排卵周期:LHサージが起きず排卵がない状態。ストレス・急激な体重変化・ホルモン異常が原因になる
- PCOS(多嚢胞性卵巣症候群):慢性的にLH値が高く、サージと通常値の区別がつきにくい
- 早発排卵:サージが短時間で終わり、検査タイミングを外してしまう(特にLH値が低いサージ)
- 測定タイミングのミス:サージのピーク時間帯に検査していない
3周期以上LHサージが検出されない・不規則な場合は婦人科・不妊専門クリニックでのホルモン検査(FSH・LH・E2・プロラクチン・AMH)を推奨します。
よくある質問
Q. LHサージは毎月同じ日に来ますか?
個人差があります。月経周期が規則的な方でも、排卵日は±2〜3日ずれる場合があります。毎周期検査薬でモニタリングすることで、自分のパターンが見えてきます。
Q. LHサージ陽性の翌日にタイミングをとれませんでした。もう遅いですか?
LHサージ検出後36時間以内であれば排卵している可能性があります。精子の生存期間は3〜5日あるため、サージ前日のタイミングも有効です。翌々日まで試みる価値はあります。
Q. 排卵検査薬が常に陽性(濃い線)のままです。これは正常ですか?
常に陽性の場合、PCOSやLH産生腫瘍などによりLH値が恒常的に高い可能性があります。婦人科でホルモン検査を受けてください。
まとめ
LHサージはLHが急激に上昇する現象で、その24〜36時間後に排卵が起きます。市販の排卵検査薬で検出でき、陽性確認後24時間以内がタイミングの最適窓です。見逃しを防ぐには検査開始を早め、基礎体温・頸管粘液と組み合わせることが有効です。
免責事項
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。不妊に関する悩みは専門医へご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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