不妊検査から治療開始までの日程は、必要な検査、月経の状態、これまでの結果や予約状況によって変わります。「全員が1〜3か月で終わる」「翌周期には必ず治療が始まる」という標準コースを本人に当てはめることはできません。
初診では、どの疑問を調べ、いつ結果を説明し、次の判断をするかを確認すると、仕事や生活の調整を考えやすくなります。検査を増やすことだけを目標にせず、必要な評価と見通しを相談してください。
日程表は「何を確認するか」から作ります
| 確認したいこと | 診療で相談すること |
|---|---|
| 初診を予約する | 月経中・出血中でも受診できるか、必要な持参物や予約条件を聞く |
| 周期に合わせた検査がある | 本人の周期と目的に合う実施時期・変更時の連絡方法を聞く |
| 男性側の評価も行う | 女性の検査完了を待たず、採取方法・予約と必要な診察を相談する |
| 結果が揃わない・再検査になった | 何を追加確認し、どの判断を待つ必要があるかを聞く |
| 治療方針を決める | 選択肢と見直す時期、通院・費用・本人の希望を確認する |
初診のために、月経日を自己指定しません
妊娠を試みた期間、月経周期と症状、妊娠・治療歴、手術や感染症、薬等を伝えます。既に行った検査の報告書があれば持参方法を確認し、実施日や単位、どの周期・治療条件で測ったかも分かるようにします。
月経中の採血が必要な検査があっても、初診そのものを必ず月経2〜5日目にするとは限りません。出血・痛みや妊娠の可能性があるとき、予約した日に月経が来ないとき等は、受診先へ連絡してください。
採血の時期は、検査目的と本人の周期によります
ホルモン検査は項目ごとに目的と測定時期が異なります。全員が同じ日にFSH・LH・E2・プロラクチン・TSH・AMHを一式で受けるものではありません。
例えば排卵後のプロゲステロンを測る場合、固定の「月経21日目」ではなく、予想される次の月経のおよそ1週間前を考えます。周期が不規則な場合も含め、本人の予定を医師に確認してください。
AMHは卵巣の反応等を考える材料であり、数値だけで妊娠の可否や治療の急ぎ方を決めません。ASRM:排卵と卵巣予備能の評価(2026年)
卵管・子宮の検査は、妊娠や感染の確認も必要です
HSG等を行う場合は、目的と注意点、妊娠の可能性・感染や過去の造影剤反応等を事前に共有します。月経終了後から排卵前の時期を考えますが、全員を月経7〜10日目に固定せず、出血が続く、周期が不規則、月経がない場合等は予約時に相談します。
検査前の避妊、必要な事前検査、飲食・鎮痛薬等の扱いは実施施設の説明に従います。強い痛みや発熱等があれば、次の周期まで待たず連絡してください。HSG予約の時期と事前確認
女性の検査終了まで、男性の評価を待ちません
男性パートナーが妊娠に関わる場合は、双方の評価を並行して相談します。精液検査は採取方法・禁欲期間・提出条件を受診先で確認し、難しい場合も事前に伝えてください。
結果に変動があるため、必要に応じた再検査や診察等があります。全員が2週間後に再検査、男性の評価は必ず1〜2週間で終了、と固定せず、目的と次の予定を聞きます。日本泌尿器科学会:男性不妊症の初期評価(2024年版)
追加検査と結果説明のタイミングを確認します
フーナー検査、子宮鏡、腹腔鏡や遺伝学的検査等を全員の必須日程にしません。追加検査で方針がどう変わるか、先に治療が必要な状態があるか、結果をいつ・どの方法で説明するかを確認します。
転院時も、前の検査をすべてやり直す、すべて省略できるとは断言できません。実施時期や方法、現在の状態で使える情報を新しい受診先で確認してください。
治療開始や変更は、固定回数ではなく個別に相談します
年齢、試みた期間、検査所見、治療歴と本人の希望を合わせて考えます。タイミング法を全員3〜6周期、人工授精を全員3〜6回、年齢ごとに2〜3周期だけ、という一律の順番ではありません。
採卵や移植を行う場合も、薬の方法、卵巣の反応、新鮮・凍結胚移植等で日程が変わります。月経から12〜14日で必ず採卵・静脈麻酔30分、翌周期に必ず移植と予定を確定せず、本人の通院予定、変更の可能性、費用と連絡先を確認してください。
出典と確認日
2026年10月30日に、ASRM2026指針の初期評価・排卵/卵巣予備能、HSGの時期と事前確認に関する採用節、日本泌尿器科学会2024指針の初期評価を確認しました。個別施設の予約枠や本人の検査・治療日程を保証するものではありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。