
不妊検査を受けようと思ったとき、「産婦人科と泌尿器科、どちらに行けばいい?」と悩む方は少なくありません。結論から言うと、女性は産婦人科・生殖医療専門外来、男性は泌尿器科・男性不妊外来が基本ですが、夫婦同時に不妊治療を考えるなら「不妊治療専門クリニック」が最も効率的です。
この記事でわかること
- 女性・男性それぞれが受診すべき診療科
- 産婦人科・泌尿器科・不妊治療専門クリニックの違い
- 初診前の準備と受診タイミングの目安
- 一般病院 vs 専門クリニックの選び方
女性が受診すべき診療科——産婦人科 vs 不妊治療専門外来
女性の不妊検査は「産婦人科」または「不妊治療専門クリニックの産婦人科」で受けられます。一般産婦人科と不妊治療専門外来では、検査の深さと治療の連続性に違いがあります。
診療科・施設 | 対応できる検査 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
一般産婦人科 | ホルモン検査・超音波・AMH・クラミジア | 近くで受診しやすい・待ち時間少 | 高度検査・ARTは対応外のことが多い |
不妊治療専門クリニック | 基本検査+子宮卵管造影(HSG)・子宮鏡等 | 検査〜治療を一貫して受けられる | 予約が取りにくい・遠い場合がある |
大学病院・総合病院 | 全検査対応 | 高度生殖医療(体外受精等)も対応 | 初診の紹介状が必要な場合あり・待ち時間長 |
妊活期間が1年未満(35歳未満)であれば一般産婦人科からスタートしても問題ありません。妊活1年以上(35歳以上は6ヶ月以上)経過している場合は、最初から不妊治療専門クリニックを選ぶことで時間のロスを防げます。
男性が受診すべき診療科——泌尿器科 vs 男性不妊外来
男性の不妊検査(主に精液検査)は、泌尿器科または男性不妊外来で受けられます。精液検査自体は一部の産婦人科でも可能ですが、異常が見つかった場合の治療は泌尿器科・男性不妊専門医が担当します。
診療科・施設 | 主な検査 | 向いているケース |
|---|---|---|
泌尿器科 | 精液検査・ホルモン検査・精巣超音波 | 精液検査で異常が出た・精巣静脈瘤が疑われる |
男性不妊専門外来 | 詳細精子機能検査・遺伝子検査 | 無精子症・重度乏精子症の精査 |
不妊治療クリニックの男性外来 | 精液検査(院内処理) | 妻と同じクリニックで検査したい |
不妊の原因は男女ほぼ同確率(男性側に原因がある割合は約50%)とされています。女性だけが検査を受けても原因の半分しか調べられないため、男性も同時期に検査を受けることが強く推奨されます。
初診前の準備——持ち物・予約のコツ
不妊検査の初診をスムーズに進めるために、以下の準備をしておきましょう。特に女性のホルモン検査は月経周期に合わせて受診タイミングを決める必要があります。
女性の持ち物・準備
- 健康保険証(必須)
- 基礎体温表(3〜6ヶ月分):あれば排卵・ホルモンの状態把握に役立つ
- 月経アプリの記録(スマホで代用可)
- 既往歴のメモ(子宮内膜症・性感染症・手術歴など)
- 服薬中の薬・サプリ一覧
受診タイミング(女性)
- 初診:月経周期を問わず可(超音波検査は月経中でも可)
- ホルモン検査:月経2〜5日目が基本(FSH・LH・E2測定)
- 子宮卵管造影(HSG):月経終了後〜排卵前(月経7〜10日目頃)
男性の準備
- 健康保険証
- 採精容器(クリニックで貸し出し、または自宅採精して持参)
- 検査前2〜7日間の禁欲期間(結果の正確性を上げるため)
一般病院 vs 不妊治療専門クリニックの選び方
どちらの施設を選ぶかは、妊活の状況・年齢・希望する治療ステージによって変わります。以下の基準を参考に選択してください。
一般産婦人科がおすすめのケース
- 妊活開始から1年未満(35歳未満)で特に症状がない
- まず基本的な検査だけ受けて状況を確認したい
- 通いやすさ・待ち時間の短さを優先したい
不妊治療専門クリニックがおすすめのケース
- 妊活1年以上(35歳以上は6ヶ月以上)経過している
- 過去に流産・化学流産の経験がある
- 子宮内膜症・筋腫・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の既往がある
- タイミング法〜人工授精〜体外受精まで連続して受けたい
受診先を間違えた場合の対処法
最初に一般産婦人科を受診して「対応できない」と言われた場合や、検査途中で不妊治療専門クリニックへの転院を勧められた場合は、以下のように対応します。
- 紹介状をもらう:検査結果と紹介状があると、転院先での重複検査を減らせる
- 検査データのコピーを持参する:ホルモン値・超音波の所見・精液検査結果を転院先に提出する
- 受診履歴を記録しておく:いつ・どのクリニックで・何の検査を受けたかをノートまたはアプリで管理する
緊急性の高い症状がある場合
以下のような症状がある場合は、不妊検査の前に早急に婦人科を受診してください。不妊検査よりも先に治療が必要な疾患が隠れている可能性があります。
- 強い月経痛・月経血量が多い(子宮内膜症・子宮筋腫の疑い)
- 不正出血が続いている
- 性交時の強い痛み(骨盤内炎症・子宮内膜症の疑い)
- おりものの異常(色・においの変化)が続いている
- 下腹部の強い痛みや発熱を伴う(緊急受診が必要)
よくある質問
Q. 内科や健康診断で婦人科系の検査はできますか?
内科では不妊に特化した検査(ホルモン検査・超音波・HSG等)は行っていません。健康診断で行う子宮頸がん検査(細胞診)は不妊検査とは別のものです。不妊検査は婦人科・産婦人科または不妊治療専門クリニックで受けてください。
Q. 婦人科と産婦人科は違いますか?
呼称の違いで、実質的には同じ診療科です。「婦人科」は主に成人女性の疾患(月経・不妊・婦人科がん等)を、「産科」は妊娠・出産を担当します。「産婦人科」はその両方を扱います。不妊検査は「婦人科」または「産婦人科」のどちらでも受診可能です。
Q. 「初診」予約なしで受診できますか?
多くのクリニックで予約制を採用しています。特に不妊治療専門クリニックは予約が数週間先まで埋まっていることも多く、月経開始に合わせた受診タイミングを逃さないよう、早めに予約を取ることを推奨します。
Q. 男性も一緒に受診する必要がありますか?
初診は女性だけでも問題ありませんが、精液検査は男性本人が受診する必要があります。検査が進む中で原因が女性側のみとは限らないため、男性の検査は早期に受けることが推奨されます。
Q. 不妊検査には保険が使えますか?
2022年4月からホルモン検査・AMH・HSG・超音波・精液検査等の基本的な不妊検査に保険が適用されるようになりました。ただし保険適用には条件(年齢・治療ステージ等)があり、すべての検査が適用されるわけではありません。受診前にクリニックに確認してください。
まとめ
不妊検査の受診先は、女性は「産婦人科または不妊治療専門クリニック」、男性は「泌尿器科または男性不妊外来」が基本です。妊活の状況・年齢・症状に応じて一般産婦人科と専門クリニックを使い分けることが、時間と費用のロスを最小化する鍵です。受診前に月経周期の記録・既往歴・服薬情報を整理しておき、夫婦同時期に検査を進めることで、原因の早期特定と治療開始につなげましょう。
免責事項:本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。受診先の選択や検査の必要性については、必ず担当の医療機関にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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