
初めての不妊検査は、多くの方が「何を調べられるのか」「痛くないか」「費用はいくらか」と不安を抱えて受診します。結論からお伝えすると、初回の基本検査は採血・超音波検査が中心で、ほとんどの方は1〜2時間以内に完了します。この記事では、検査前日から当日・結果確認まで、ステップごとに解説します。
この記事のポイント
- 初めての不妊検査で行われる主な検査内容と流れ
- 月経周期に合わせた受診タイミングの選び方
- 持ち物・費用・痛みへの正直な事前情報
初めての不妊検査——全体の流れを把握する
初診から基本検査完了まで通常1〜2周期(約1〜2ヶ月)かかります。月経周期に合わせた複数回受診が必要なため、まず全体像を把握しておくことが大切です。
検査ステップ一覧
ステップ | タイミング | 主な内容 |
|---|---|---|
Step 1:初診 | 月経中でも可 | 問診・基礎体温表確認・超音波検査・ホルモン採血(月経2〜5日目なら最適) |
Step 2:卵管検査 | 月経終了〜排卵前(7〜10日目) | 子宮卵管造影(HSG)または通水検査 |
Step 3:排卵確認 | 排卵予測日前後 | 卵胞超音波・LH検査 |
Step 4:黄体機能確認 | 排卵後7〜10日目 | プロゲステロン採血 |
Step 5:精液検査 | 禁欲2〜5日後・任意のタイミング | パートナーの精子数・運動率・形態評価 |
受診前の心の準備と実務的な準備
「不妊検査=不妊治療のスタート」と身構える必要はありません。検査はあくまで「現在地の確認」であり、原因が見つかれば対処法が明確になります。原因が見つからなければ「機能性不妊」として自然妊娠の可能性が高いことが分かります。
検査を受ける前に知っておきたいこと
- 不妊の原因は女性だけではない:カップルの約50%は男性側にも原因がある(精液検査は早めに)
- 検査は段階的に進む:1回の受診で全てわかるわけではない
- 結果は治療への道しるべ:悪い結果イコール絶望ではなく、解決の糸口
- パートナーと一緒に受診すると話が早い:特に精液検査は男性の協力が必要
持ち物チェックリスト
- ☐ 健康保険証(保険診療の場合)
- ☐ 基礎体温表(記録があれば2〜3周期分)
- ☐ お薬手帳・現在服用中の薬のメモ
- ☐ 問診票記入用のペン
- ☐ 月経開始日や周期のメモ(スマホアプリの記録でも可)
- ☐ 前回妊娠・流産がある場合はその時期のメモ
- ☐ パートナーと相談した「検査をどこまで進めるか」の意思確認
初診当日の流れ
初診では問診票への記入から始まり、内診・超音波検査・採血の順で進みます。所要時間は1〜2時間が目安です。
内診・超音波検査について
「内診が怖い」と感じる方は多いですが、婦人科の超音波検査は経腟プローブを使用することが多く、痛みは「圧迫感」程度の方がほとんどです。処女膜がある方や痛みに敏感な方は、事前に医師に伝えることで腹部エコーに変更できる場合もあります。
採血で調べる主なホルモン(月経2〜5日目)
ホルモン | 何がわかるか |
|---|---|
FSH(卵胞刺激ホルモン) | 卵巣予備能の低下・閉経の近さ |
LH(黄体形成ホルモン) | 排卵障害・LH優位(PCOS疑い) |
E2(エストラジオール) | 卵巣機能・卵胞発育の状態 |
PRL(プロラクチン) | 高プロラクチン血症・授乳関連無月経 |
TSH(甲状腺刺激ホルモン) | 甲状腺機能低下症・亢進症の除外 |
AMH(抗ミュラー管ホルモン) | 卵巣予備能の定量評価(いつでも測定可) |
痛みの実際——正直な情報
不妊検査で最も痛みが伴うとされるのが「子宮卵管造影(HSG)」です。造影剤を子宮内に注入するため、月経痛に似た下腹部の痛みが生じる方が多いです。痛みの強さは個人差が大きく、「ほとんど感じなかった」から「かなり痛かった」まで様々です。
痛みを和らげるポイント
- 受診前に市販の鎮痛剤(イブプロフェン系)を服用しておく(医師に確認を)
- 当日は車の運転を避け、公共交通機関か付き添いで来院
- リラックスできる服装で来院(お腹を締め付けないもの)
- 検査後は安静にできる時間を確保しておく
費用の目安
不妊検査の費用は、検査内容・クリニック・保険適用の有無によって大きく異なります。2022年4月から不妊治療の保険適用が拡大され、多くの基本検査が保険適用になりました。
主な検査費用(3割負担目安)
検査 | 保険適用の目安(3割負担) | 自費の場合 |
|---|---|---|
初診料+問診 | 850〜1,200円 | 3,000〜5,000円 |
経腟超音波検査 | 1,500〜2,500円 | 3,000〜5,000円 |
ホルモン採血(4〜6項目) | 1,500〜3,000円 | 8,000〜1万5,000円 |
AMH検査 | 1,500円程度 | 4,000〜6,000円 |
子宮卵管造影(HSG) | 5,000〜1万円 | 3万〜5万円 |
精液検査 | 1,500〜3,000円 | 5,000〜1万円 |
初回受診の総費用は、保険適用で5,000〜1万5,000円程度が一般的です。
検査結果の受け取り方と次のステップ
検査結果が出たら、医師から総合的な評価と今後の方針が説明されます。「原因なし」でも「次周期もトライする」「タイミング法から始める」など具体的なプランが提示されます。「原因あり」の場合は、その程度に応じた治療選択肢が説明されます。
受診時に医師に確認しておくこと
- 今の検査結果から見た自然妊娠の可能性
- 次のステップと治療開始のタイミング
- 追加で必要な検査の有無
- 保険適用の範囲と自己負担の見込み
よくある質問(FAQ)
Q1. 月経中に受診してもいいですか?
はい、むしろ月経2〜5日目は基礎ホルモン検査のベストタイミングです。出血中でも超音波検査は実施可能です。月経痛がひどい場合は受診当日の状態を医師に伝えてください。
Q2. 夫(パートナー)は一緒に来なければいけませんか?
必須ではありませんが、男性の精液検査は早めに行うことが推奨されます。女性の精密検査を進めている間に精液検査を済ませておくことで、治療方針が立てやすくなります。初診は女性一人でも問題ありません。
Q3. どのくらいの期間・回数通院が必要ですか?
基本検査一通りには1〜2周期(1〜2ヶ月)が目安です。その後の治療方針によって通院頻度は変わりますが、タイミング法なら月2〜3回程度です。
Q4. 不妊検査は何歳から受けるべきですか?
一般的には「避妊なしで1年間妊娠しない場合」が受診目安ですが、35歳以上は6ヶ月が目安です。また、年齢にかかわらず「月経不順がある」「子宮内膜症の診断がある」「過去に性感染症を経験した」場合は早めの検査が推奨されます。
Q5. 検査結果が正常でも妊娠しない場合はどうなりますか?
全ての検査が正常範囲でも妊娠しない「機能性不妊」は不妊カップルの約20〜25%を占めます。この場合は排卵誘発やタイミング指導、人工授精へのステップアップを検討します。
まとめ
初めての不妊検査は、月経2〜5日目の初診から始めるのが最もスムーズです。基本検査セットは保険適用でほとんどの項目が受けられ、総費用は初回5,000〜1万5,000円程度です。「検査をすること=問題があること」ではなく、現状を知ることで最短ルートが見えてきます。基礎体温表の記録があれば初診時に持参すると、より具体的な評価が可能です。
※本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。気になる症状がある場合は必ず医療機関を受診してください。参考:日本産科婦人科学会「不妊症の診断と治療」、日本生殖医学会「生殖医療ガイドライン」
この記事を書いた人
EggLink編集部
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