
不妊検査には保険が適用されるものと、全額自費(自由診療)のものがあります。自費検査は費用が高めですが、保険診療では検査できない詳細な不妊原因の特定に役立つ場合があります。この記事では、主な自費不妊検査の一覧と費用相場をまとめました。
この記事のポイント
- AMH検査・卵管鏡・精子DNA断片化検査など保険適用外の検査が多数ある
- 費用相場:AMH約5,000〜1万円、精子DNA断片化約2〜4万円、染色体検査約2〜5万円
- 自費検査も医療費控除の対象(確定申告で一部取り戻せる)
- 自費検査を受ける前に、保険適用の基本検査を先に行うことが基本
- 施設によって検査メニュー・費用が異なるため事前確認が重要
保険適用の基本検査と自費検査の違い
2022年4月の不妊治療保険適用拡大により、以下の基本的な不妊検査は保険診療となりました。まず保険適用の検査を行い、必要に応じて自費検査を追加するのが一般的な流れです。
検査 | 保険適用 | 自己負担目安(3割) |
|---|---|---|
血液検査(LH・FSH・E2・PRL等) | ○ | 1,000〜3,000円 |
超音波(エコー)検査 | ○ | 300〜800円 |
子宮卵管造影検査(HSG) | ○ | 5,000〜8,000円 |
精液検査(基本) | ○ | 500〜2,000円 |
フーナーテスト | ○ | 1,000〜2,000円 |
自費の不妊検査一覧と費用相場
保険適用外の主な不妊検査と費用の目安は以下の通りです。施設によって大きく異なるため、受診前に必ず確認してください。
検査名 | 概要 | 費用目安 | こんな場合に検討 |
|---|---|---|---|
AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査 | 卵巣予備能(残っている卵子の量)を測定 | 5,000〜1万円 | 35歳以上、早期閉経が心配な場合 |
精子DNA断片化検査 | 精子のDNA損傷率を測定。通常の精液検査では分からない | 2〜4万円 | 精液検査が正常でも妊娠しない男性 |
精子機能検査(FISH法等) | 精子の染色体異常・運動性能の詳細評価 | 2〜5万円 | 男性不妊の原因精査 |
染色体検査(夫婦) | 染色体異常(転座等)の有無を調べる | 2〜5万円/人 | 反復流産、不育症が疑われる場合 |
NK細胞活性検査 | 免疫細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性を測定 | 1〜3万円 | 反復着床不全・不育症 |
血液凝固検査(トロンボフィリア) | 血液が固まりやすい状態(血栓傾向)を検査 | 1〜3万円 | 不育症・反復流産 |
卵管鏡検査(ファロポスコピー) | 卵管内部を直接観察 | 3〜8万円 | HSGで卵管閉塞が疑われる場合 |
子宮内膜組織検査(自費) | 子宮内膜の状態を組織学的に詳細評価 | 1〜3万円 | 慢性子宮内膜炎が疑われる場合 |
抗リン脂質抗体検査(詳細) | 不育症の原因となる自己抗体を検査 | 1〜2万円 | 反復流産・不育症 |
子宮内フローラ検査(EMMA等) | 子宮内の細菌叢バランスを評価 | 4〜7万円 | 着床不全・先進医療適応 |
費用シミュレーション
不妊原因精査として自費検査を複数受けた場合の費用例です。
ケース | 実施する自費検査 | 費用目安(合計) |
|---|---|---|
基本的な自費検査セット | AMH + 精子DNA断片化 | 2.5〜5万円 |
着床不全の精査 | ERA + EMMA/ALICE + NK細胞 | 12〜20万円 |
不育症の精査 | 染色体検査(夫婦)+ 血液凝固 + 抗リン脂質抗体 | 7〜15万円 |
男性不妊の詳細精査 | 精子DNA断片化 + 精子機能検査 + 染色体 | 7〜14万円 |
自費検査と医療費控除
自費の不妊検査費用も医療費控除の対象です。年間の医療費合計(保険・自費問わず)が10万円を超えた場合、確定申告で一部を取り戻すことができます。
- 領収書は必ず保管(5年間)
- 夫婦の医療費を合算して申告可能
- 所得税率10%の場合、医療費が20万円なら約1万円の還付目安
よくある質問
Q. AMH検査は保険適用になりましたか?
2022年の不妊治療保険適用拡大後、一定の条件下でAMH検査が保険適用になる場合があります。ただし施設・状況によって保険・自費の扱いが異なります。受診するクリニックに事前確認を推奨します。
Q. 精子DNA断片化検査はどの施設でも受けられますか?
すべての施設で対応しているわけではありません。男性不妊の専門クリニックや一部の生殖補助医療専門施設で受けられます。事前に確認が必要です。
Q. 自費検査の結果は保険診療に引き継げますか?
自費で実施した検査の結果は、その後の保険診療に活用できます。ただし、保険診療側で同じ検査を再実施する場合は保険が適用されることもあります。
Q. 自費検査はどのタイミングで受けるべきですか?
まず保険適用の基本検査(血液検査・HSG・精液検査等)を受け、それでも原因が特定できない「原因不明不妊」の場合に自費の精査検査を検討するのが一般的な流れです。
Q. 検査費用が高額になりそうです。どう工面すればよいですか?
高額療養費制度(保険診療分のみ)、医療費控除(確定申告)、自治体の助成金制度を組み合わせることで自己負担を軽減できます。また、自費検査に対する先進医療特約付き民間保険の活用も選択肢の一つです。
まとめ
自費の不妊検査は費用が高めですが、保険診療では特定できない不妊原因の解明に役立ちます。
- AMH・精子DNA断片化・染色体検査など多様な自費検査がある
- 費用は検査の種類・施設によって大きく異なる(5,000円〜20万円程度)
- まず保険適用の基本検査を行い、必要に応じて自費検査を追加するのが基本
- 自費検査費用も医療費控除の対象。領収書を必ず保管すること
自費検査を受ける際は、担当医から検査の目的・期待される結果・費用対効果について十分な説明を受けてから判断することが大切です。
免責事項
本記事の費用は目安であり、医療機関によって大きく異なります。実際の費用は受診するクリニックに直接確認してください。本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の検査・施設を推奨するものではありません。記載情報は2026年5月時点のものです。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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