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HSG検査の造影剤の種類|水溶性vs油性

2026/4/19

HSG検査の造影剤の種類|水溶性vs油性

HSG(子宮卵管造影検査)で使われる造影剤には油性(リピオドール)水溶性(イオヘキソール等)の2種類があります。どちらを選ぶかで検査の不快感・妊娠率への影響・体への残存期間が大きく異なります。この記事では両者の特徴を比較し、それぞれのメリット・デメリットを医学的根拠とともに解説します。

この記事のポイント

  • 油性造影剤(リピオドール)は妊娠率を高める可能性がある(RCTで実証済み)
  • 水溶性造影剤は体内吸収が速く、検査後の不快感が短い
  • どちらも保険適用。費用差は施設によるが概ね同程度
  • 卵管閉塞の診断精度はほぼ同等
  • アレルギー体質・甲状腺疾患がある場合は事前に医師に申告

HSG造影剤の種類と基本的な違い

HSGで使用される造影剤は大きく2種類に分類されます。それぞれの特徴を理解することで、担当医との相談がスムーズになります。

項目

油性造影剤(リピオドール)

水溶性造影剤(イオヘキソール等)

主成分

ヨード化ケシ油

イオヘキソール・イオパミドール等

粘度

高い

低い

体内吸収速度

遅い(数週間〜数ヶ月)

速い(数時間〜数日)

妊娠率上昇効果

あり(RCTで実証)

明確な上昇なし

画像の鮮明さ

鮮明・高コントラスト

良好

検査中の痛み

やや強め(個人差あり)

やや軽め(個人差あり)

遅発性アレルギー

稀にあり

非常に稀

油性造影剤(リピオドール)の特徴

リピオドール(Lipiodol)はヨード化ケシ油を主成分とする油性造影剤です。1921年から放射線診断に使われてきた歴史のある薬剤で、HSGにおいては特に重要な役割を持ちます。

メリット

  • 妊娠率上昇効果:2017年のH2Oil試験(NEJM)では、油性群の6ヶ月妊娠率が40.7%(水溶性群28.1%)。補正後オッズ比2.10
  • 卵管のフラッシュ効果:高粘性により卵管内の粘液プラグや細胞デブリを効果的に除去
  • 画質が鮮明:油性の性質上、X線画像で高コントラストの鮮明な映像が得られる

デメリット・注意点

  • 体内に数週間〜数ヶ月残存することがある(腹腔内の残留)
  • 油性特有の重感や違和感が検査後数日続くことがある
  • 稀に油性塞栓(肺塞栓など)のリスクがある(極めて稀)
  • 甲状腺機能への影響(ヨード過剰摂取):甲状腺疾患がある場合は要確認

水溶性造影剤の特徴

水溶性造影剤(イオヘキソール、イオパミドール等)は非イオン性ヨード造影剤で、現代の画像診断で最も広く使われているタイプです。

メリット

  • 速やかな体内吸収:数時間〜数日で腎臓から排出されるため、体内残留の懸念が少ない
  • 検査後の不快感が短い:油性より検査後の腹部違和感が比較的短期間
  • 副作用のデータが豊富:CT造影剤として大量に使用されており、安全性データが充実

デメリット・注意点

  • 妊娠率上昇効果は現時点では認められていない
  • ヨードアレルギーのリスクは油性と同様に存在する
  • 腎機能が低下している場合は使用に注意が必要

どちらの造影剤を選ぶべきか

担当医が造影剤を選択する際の主な判断基準は以下の通りです。患者さん側からの希望も遠慮なく伝えましょう。

状況

推奨される造影剤

原因不明不妊で妊娠率を上げたい

油性(リピオドール)

甲状腺機能亢進症・低下症がある

主治医に相談(水溶性が安全なことが多い)

検査後の不快感を最小限にしたい

水溶性

卵管閉塞の確認のみが目的

どちらでも診断精度はほぼ同等

油性造影剤でのアレルギー歴あり

水溶性(またはHyCoSy検討)

アレルギー・副作用のリスクと対処法

HSGで使用するヨード造影剤は、まれにアレルギー反応を起こすことがあります。検査前に必ず医師に伝えるべき情報を確認してください。

事前に申告すべき事項

  • ヨード造影剤・ヨード消毒薬でのアレルギー歴
  • 喘息・アレルギー疾患の既往
  • 甲状腺疾患(亢進症・低下症)
  • 腎機能障害
  • 服用中の薬(ビグアナイド系糖尿病薬など)

よくある質問

Q. 施設によって使う造影剤が違うのはなぜですか?

施設の方針、医師の判断、患者さんの状態により異なります。妊娠率上昇を重視する施設は油性を積極的に選択する傾向があります。

Q. 造影剤を自分で指定できますか?

医師との相談により変更できる場合があります。油性造影剤の効果に関心があれば、受診時に「リピオドールを使いたい」と希望を伝えてみましょう。

Q. 検査後はすぐに妊活を再開できますか?

一般的に検査翌周期から妊活再開が可能です。油性造影剤を使用した場合、検査後1〜6ヶ月が妊娠しやすい時期とされています。

Q. 造影剤のヨードで甲状腺に影響が出ませんか?

健康な甲状腺であれば通常問題ありません。ただし甲状腺疾患がある方は、使用前に内科・甲状腺専門医に確認が必要です。

Q. HSGとHyCoSy(エコー下通水検査)はどう違いますか?

HyCoSyは超音波(エコー)を使う検査で放射線被曝がなく、造影剤の代わりに生理食塩水や特殊な造影剤を使います。ヨードアレルギーがある方や放射線を避けたい方の選択肢になります。ただし、妊娠率上昇効果についてのエビデンスはHSGの油性造影剤ほど確立されていません。

まとめ

HSGで使用する造影剤の種類は、検査の目的と患者さんの状況によって選択が異なります。

  • 油性造影剤(リピオドール):妊娠率上昇効果のエビデンスあり。体内残留が長く、検査後の不快感もやや強いが、不妊治療の観点から積極的に選択される
  • 水溶性造影剤:体内吸収が速く副作用が比較的少ない。卵管診断精度は同等だが妊娠率上昇効果は認められていない

どちらの造影剤を使用するかは担当医と相談の上、自身の状態・希望を伝えて決定することが大切です。

免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。造影剤の選択については必ず担当医にご相談ください。記載のデータは執筆時点(2026年5月)の情報に基づいています。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2