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GnRH負荷試験とは?|下垂体機能の評価

2026/4/19

GnRH負荷試験とは?|下垂体機能の評価

「GnRH負荷試験を行います」と医師に言われ、何を調べるのか分からない方がいます。GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)を投与した際のLH・FSH反応を測定することで、下垂体機能と視床下部機能を切り分けられます。排卵障害の原因を特定する重要な検査です。

この記事のポイント

  • GnRH負荷試験で下垂体機能低下と視床下部性無排卵を鑑別できる理由
  • LH・FSHの正常反応パターンと低反応・過剰反応の意味
  • 検査結果が治療選択(GnRHポンプ・ゴナドトロピン療法)に与える影響

GnRH負荷試験とは——下垂体機能を直接評価する

GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)は視床下部から分泌されるホルモンで、下垂体を刺激してLH(黄体形成ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌を促します。GnRH負荷試験は合成GnRHを静脈注射し、下垂体の反応性(LH・FSHの分泌能)を評価する機能検査です。

視床下部性と下垂体性の鑑別——なぜ重要か

無排卵・月経不順の原因が「視床下部のGnRH分泌不全」か「下垂体のゴナドトロピン分泌不全」かによって治療法が根本的に異なります。GnRH負荷試験はこの鑑別に不可欠です。

病態

GnRH負荷後の反応

治療アプローチ

視床下部性(GnRH分泌不全)

LH・FSHが正常に上昇(下垂体は正常)

GnRHポンプ療法・クロミフェン

下垂体性(ゴナドトロピン分泌不全)

LH・FSHがほとんど反応しない

ゴナドトロピン(hMG/FSH)注射

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)

LHが過剰反応、FSHは低〜正常

排卵誘発(クロミフェン・レトロゾール)

検査手順と判定値

早朝空腹安静時にGnRH(ブセレリン等)100μgを静脈注射し、注射前・注射後30分・60分に採血してLH・FSHを測定します。

  • LH正常反応:基礎値の3倍以上かつ最高値10mIU/mL以上
  • FSH正常反応:基礎値の1.5〜2倍程度の上昇
  • 低反応(下垂体性):LH・FSHともに2mIU/mL未満の反応
  • LH過剰反応(PCOS):LH最高値/FSH最高値比が3以上

PCOSのGnRH反応——過剰なLH反応が特徴

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)ではGnRH刺激に対してLHが過剰反応する一方、FSHの反応は相対的に低くなるパターンを示します。このLH/FSH比の不均衡がPCOSの診断補助情報となり、排卵誘発の方法選択に影響します。

GnRH繰り返し負荷試験——視床下部性の確認

1回目の負荷で反応が低い場合、翌日以降にGnRHを複数回負荷(プライミング)することで、視床下部性か下垂体性かを鑑別できます。視床下部性では繰り返し刺激で反応が改善しますが、下垂体性では改善しません。

治療選択への影響——検査結果の活用

視床下部性無排卵(Kallmann症候群・機能性視床下部性無月経等)ではGnRHポンプ療法または排卵誘発剤(クロミフェン)が適応となります。下垂体性では注射によるゴナドトロピン補充が必要です。治療法を選ばずに排卵誘発を行うと、卵巣過剰刺激のリスクが高まることがあります。

よくある質問

Q. GnRH負荷試験はどんな方に必要ですか?

月経不順・無月経・排卵障害があり、その原因を特定したい方が対象です。特に基礎ホルモン値(LH・FSH)が低値または正常範囲内でも排卵しないケースで重要です。

Q. 検査に痛みや副作用はありますか?

静脈注射の痛みと採血3回があります。GnRH注射後に一過性のほてりや吐き気を感じる方がいますが、通常30分以内に改善します。

Q. PCOS以外の高LH血症でも同じ反応が出ますか?

卵巣早期不全(POI)では基礎LH・FSHが高値で、GnRH負荷後に過剰な反応を示すことがあります。PCOS型のLH過剰反応とは基礎値のパターンで鑑別します。

Q. ゴナドトロピン注射の排卵誘発は多胎リスクがありますか?

ゴナドトロピン療法では多胎妊娠・卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクがあるため、超音波モニタリングを行いながら慎重に用量調整することが必須です。

Q. 視床下部性無排卵はストレスや過度な痩せで起こりますか?

体重減少・過剰運動・強いストレスによる機能性視床下部性無月経は視床下部性無排卵の一般的な原因です。GnRH負荷試験では正常反応(下垂体は機能している)が確認されます。

まとめ

GnRH負荷試験は排卵障害の原因が視床下部にあるか下垂体にあるかを切り分ける機能検査で、治療方針の選択に直結します。PCOSのLH過剰反応、視床下部性の正常反応、下垂体性の低反応というパターンを理解することで、なぜこの治療が選ばれたかを納得しながら進められます。結果について担当医から丁寧な説明を受け、治療計画を一緒に立てることが大切です。

※本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療の指示ではありません。個別の状況については必ず担当医にご相談ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2