
不妊検査の流れ — 初診から結果まで5ステップ
不妊検査は「初診→基本検査→精密検査(必要時)→結果説明→治療方針決定」という5つのステップで進みます。基本検査一式は1〜2周期(1〜2ヶ月)で完了するのが標準的です。受診前に全体の流れを把握しておくことで、無駄な不安を減らし効率的に進められます。
ステップ1:初診予約と準備(月経開始直後)
初診は「月経2〜5日目」に予約することで、一度の来院で超音波検査とホルモン採血を同時に行えます。事前に準備するものは以下の通りです。
- 保険証(健康保険証)
- 基礎体温表(つけている場合は持参。3ヶ月以上あると参考になる)
- 月経の記録(開始日・周期・量・痛みの程度)
- 婦人科系の既往歴メモ(子宮筋腫・子宮内膜症・手術歴など)
- 服用中の薬やサプリメントのリスト
よくある失敗ポイント:「月経が終わってから予約する」人が多いですが、月経中に予約すると一度の来院で複数の検査が完了し1〜2週間短縮できます。
ステップ2:初診(問診・超音波・採血)
初診では以下の3つを実施します。所要時間は60〜90分です。
- 問診:妊活歴・月経状況・婦人科既往・性交渉の頻度などを医師に伝える
- 経腟超音波検査:子宮の大きさ・形・卵巣の状態・卵胞数(AFC)を確認。所要2〜5分
- ホルモン採血:FSH・LH・E2・プロラクチン・TSH・AMHを一括採血。結果は1〜2週間後に判明
このタイミングで精液検査の容器を受け取り、男性の精液検査の日程も調整することをお勧めします。
ステップ3:卵管造影検査(月経終了後7〜10日目)
卵管造影検査(HSG)は、子宮内に造影剤を注入して卵管の通りをX線で確認します。
- 所要時間:10〜30分(前処置含め1時間程度の来院)
- 痛み:個人差があるが、下腹部の圧迫感や軽度の痛みを感じる人が多い。検査後に鎮痛剤を処方されることがある
- 当日の注意:検査後は車の運転を控えることが推奨されるクリニックもある
- 裏技:HSGは検査後1〜2周期は卵管内がきれいになり妊娠率が上がるというデータがある(「治療的効果」)
ステップ4:フーナーテスト・卵胞モニタリング(排卵期)
排卵期(月経12〜16日目前後)に実施する検査です。
- フーナーテスト:指定日に自宅で性交渉を行い、3〜12時間以内に来院。頸管粘液中の精子の数と運動性を確認。所要15〜30分
- 卵胞モニタリング(超音波):卵胞の大きさを計測し排卵日を推定。採卵・タイミング指導でも使用
- 頸管粘液検査:排卵期に精子が通りやすい粘液が出ているか確認
ステップ5:結果説明と治療方針の決定
すべての検査が完了したら、結果説明と今後の治療方針について医師と話し合います。
- 原因が特定できた場合:原因に応じた治療法(排卵誘発・手術・ART等)を提案される
- 異常なし(原因不明)の場合:タイミング指導→人工授精→体外受精のステップアップを説明される
- 追加検査が必要な場合:子宮鏡・腹腔鏡・精密検査の追加を勧められることがある
結果説明の際は、以下を医師に確認しておくことをお勧めします。
- 各検査結果の意味と現状の妊孕性評価
- 治療の選択肢と妊娠率の目安
- 次の検査・治療のタイムライン
- セカンドオピニオンの可否
男性の精液検査:並行して進めるポイント
女性の検査と並行して、男性の精液検査を進めることが重要です。男性因子が不妊の約50%に関与しますが、検査を先延ばしにするカップルが多いのが現状です。
- 採精前日〜採精当日:禁欲2〜5日間が推奨
- 自宅採精→3時間以内に持参(または院内採精室を使用)
- 結果は当日〜数日後に判明
- 基準値を下回った場合は2週間以上あけて再検査
よくある質問
Q. 初診から結果説明まで何ヶ月かかりますか?
月経周期が規則的な場合(28〜35日周期)は1〜2周期(1〜2ヶ月)で基本検査が完了します。月経不順がある場合は2〜3周期かかることがあります。
Q. 複数回の来院が必要ですか?仕事があるのですが。
基本的に3〜4回の来院が必要です。月経2〜5日目(初診)・月経7〜10日目(HSG)・排卵期(フーナー)・結果説明です。平日日中の来院が難しい場合は、土日診療・夜間診療があるクリニックを選ぶか、勤務先の不妊治療休暇制度を確認してください。
Q. クリニックを途中で変えることはできますか?
できます。検査結果のデータ(紹介状・検査数値)を持参すれば、検査の一部を引き継ぐことができます。ただし前の施設で行っていない検査は新たに実施することになります。
まとめ
不妊検査の流れは「月経2〜5日目の初診→月経後のHSG→排卵期のフーナー→結果説明」という5ステップです。1〜2ヶ月で基本検査が完了します。男性の精液検査は女性の検査と並行して早めに実施することが原因特定の最短経路です。「まず受診してみる」という一歩が、妊娠への具体的な道筋を作ります。
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療の代替ではありません。具体的な手順は受診先の医療機関の指示に従ってください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
産婦人科・婦人科に関する正確で信頼性の高い情報をお届けします。医療監修のもと、女性の健康に役立つコンテンツを制作しています。
Next Action

