不妊検査のチェックリストは、未実施の項目をすべて埋めるためのものではありません。自分に必要な検査の目的、結果と限界、次の相談を整理するために使います。病歴や月経の状態、年齢、パートナーの所見などによって、行う検査と時期は変わります。
検査名だけでなく、何の判断に使うかを確認します
| 評価すること | 検査・確認の例と注意点 |
|---|---|
| 月経と排卵の状態 | 月経歴を基本に、必要に応じて血液検査や超音波などを選ぶ |
| 子宮・卵巣の状態 | 超音波などで確認し、所見に応じて追加の画像検査や子宮鏡を検討する |
| 卵管の通り | 子宮卵管造影などの方法から、本人に合う評価を相談する |
| 卵巣予備能 | AMHやAFCなどを、治療への反応を考える補助情報として読む |
| パートナー側の要因 | 必要に応じて精液検査や男性本人の診察を並行して進める |
ASRMの2026年委員会意見は、病歴などから必要な評価を選び、適用される場合にはパートナーの評価も並行して進める考え方を示しています。「この表の全検査を初診で一括実施する」という指示ではありません。ASRM:女性の不妊評価(2026年)
結果票は、数値・単位・基準範囲を一緒に残します
採血した日、月経周期のどの時期か、使用していた薬、検査施設の基準範囲も結果と一緒に確認します。インターネットの「正常値」だけで、妊娠できる・できないと判定しないでください。
AMHは卵巣予備能や卵巣刺激への反応を考える補助情報で、卵子の質や自然妊娠を一つの値で決める検査ではありません。プロゲステロンも、測定する時期や変動が関わり、一度の値だけで黄体期の質を判定できるものではありません。
診察で使える記録欄
| 記録する項目 | 書いておくこと |
|---|---|
| 検査名・目的 | 何を調べ、結果でどの方針が変わるか |
| 実施日・条件 | 施設、周期の時期、薬や採取条件など |
| 結果 | 数値と単位・基準範囲、画像・所見、元の結果票の保管先 |
| 説明と未確認点 | 分かったこと、まだ分からないこと、追加評価が必要な理由 |
| 次の予定 | 再診・再検査の要否と時期、連絡先、本人が確認したいこと |
未実施の検査は、「不要と判断」「次の時期に予定」「相談中」なども記録できます。自分で診断を書き足すより、医師の説明と疑問を分けて残しましょう。転院時は、要約だけでなく元の結果票や必要な画像・紹介状も相談します。
追加検査は、初期検査の続きとして全員同じ順ではありません
ホルモン検査、子宮鏡、遺伝学的検査、不育症や着床に関する評価などは、症状・所見・治療歴によって目的が異なります。名称が多いほど十分な検査という意味ではなく、追加で何が分かり、治療がどう変わるかを確認します。
ASRMは、フーナーテストや免疫・凝固などの検査を、特定の適応なしに全員へ行う初期検査としては勧めていません。受診先で提案された場合は、本人に行う理由と限界を聞いてください。海外の指針だけで、個別に提案された検査を自己判断で中止するものでもありません。
準備や検査完了を理由に、相談を遅らせないでください
基礎体温表や過去の検査結果は、すでにあるものを持参できます。記録を数か月完成させてから初診を受ける必要はありません。月経不順、強い痛み、感染や手術の既往など、気になることがある場合は予約時に伝えます。
検査の数・期間・費用は個人と施設で異なります。全検査が必ず一定の周期数・価格で終わるとは考えず、優先順位、保険・自費の内訳、途中の結果に応じた見直しを聞きましょう。
参考資料と確認日
- ASRM:Fertility evaluation of infertile women(2026年、評価・卵巣予備能・定型検査の限界の採用節)
- NHS:不妊の診断(問診・検査の採用節)
- ASRM:卵巣予備能検査の解釈(2020年、AMH・FSHなどの採用節)
- ASRM:黄体機能不全の評価(本文は2026年版、採血値の限界の採用節)
2026年10月29日に採用した節を確認しました。個人に必要な検査一覧を決定する記事ではなく、本記事の個別の医師監修は行っていません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。